見出し画像

「旅にはやっぱギターが必要 in チェコ」

世界一周425日目(8/27)

空港泊をしに来て、
ガソリンスタンドの裏で寝るヤツが
いるだろうか?

画像1


テントで野宿を始めてまだ3回目だけど
もうすっかりテントの虜だ!

画像3

画像4


このサバイバルジートの
強化版みたいなヤツがマジで使える。

画像2


シェラフカバーにしようと考えたんだけど、
結露が発生するから、中身をひっくり返して
銀色の部分をブランケットみたいにかけるだけで
だいぶ温かい!

畳むのに苦労するけど、
丈夫さは通常のサバイバルシートの比じゃない!

ノジュカー(野宿愛好家)には
この封筒型のサバイバルシートをお勧めするよ!


トマトは常食だ。
いつもバックパックに二個ほどストックがある。

画像5


さっさかテントを片付けて、
朝のコーヒーでも飲もうと
ガソリンスタンドにある売店に行くと、
スタッフのおっちゃんが何か僕に声をかけた。

僕は『これはもしや!
お金を請求されるパターンか!!??』

と瞬時に悟り、
何も買わずに笑顔で退散した。

朝になればテントの全貌が
露わになるから目立つ。

きっとガソリンスダンどのおじさんは
『なんだ??!!あのテントは!』
と思ったに違いない。

こういう時はめんどうな自体になる前に
すみやかにその場を去るのがベター!

そんな風にして僕の朝は始まった。


ここはチェコ、プラハ、

どこかのガソリンスタンド。

画像6



バスで昨日のトラムの終点まで戻った。

画像7


スーパーで食糧の他にシャンプーと髭剃りを買った。

僕はあまり髭は生えないけどー、
まぁ必要っちゃ必要だ。

こういう細かな装備品も
徐々に買いそろえておこう。



この日朝から僕が向かった先は
蚤の市がある(と思われる)場所だった。

またちょっとづつだけど、
『また雑貨を買おうかな?』
という気持ちになってきた。

「ここで諦めたら、終わりだよ」と
友達に諭されたってのもある。

今まで訪れた国の雑貨を仕入れてきただけじゃなく、
せっかくお店のコンセプトまで決めて
ステッカーまで作ったのだ。

これはビジネスじゃなくて、
帰国後のお楽しみに企画。
旅で考えたアイディアをなんとか形にしたい。
ここでやめたらもったいない。


だけど、蚤の市がある場所には
出店のひとつも出ていなかった。

ガソリンスタンドで見つけたWi-Fiで
情報収集をすると、なんと土日限定。

しかもほんとに
ガラクタだけしか売ってないとか書いてある。

今日は水曜日。もうパス。

ガソリンスタンドの温水の出る個室トイレで
頭を洗ってさっぱりして、

近くのスーパーの駐車場で
夜露で湿ったテントを乾かした。

画像9


チェコを旅したみんなが

「チェコの雑貨はカワイイ!」

と口を揃えて言う。僕もそう思う。

だけど、日本で読んだ
チャルカの本に載っているような雑貨は
なかなか手に入らないことが分かった。

やっぱり本業で雑貨を仕入れる人たちには
独自の仕入れルートみたいなものがあるんだろう。


僕はこれを生業にしていくつもりもないし、
素人だってのは分かり切ったこと。

観光地にはほんとベタな
チェコの雑貨しか売っていない。

それでもいいんだけど、
それはこの間盗まれちゃったから、
ここでは仕入れる気はしない。


これは仕入れておけばよかったかな?
まぁ、日本でも手に入るか笑。

画像9



ふらりと僕はトラムに乗って
街の中心地へと行った。

検討をつけた場所へと歩いて行く。

画像10


プラハの中心地には
沢山のツアー客たちの姿が見えた。

なかなか目当ての物を扱っているお店は見つからない。

この期に及んで
僕はまだ装備品を買い足すつもりなのだ。

セグウェイでトリッキーな動きをしていた
お兄さんにお店の場所を訊くと、
返ってきた答えは

「ググれば?」

だった。

親切にもレンタル・セグウェイのお店の
Wi-Fiのパスワードを教えてくれたので、
調べなおした。



向かった先は楽器屋だ。

やっぱり僕にはギターが必要だ。

漫画家とか言っておきながら、
バスキングとかやってて、
「ギターばっかり弾いてないで漫画描け!」
って言われるけど

やっぱり僕にはギターが必要なのだ。


この旅の中で、
何度も音楽の持つ力を感じてきた。

ギターを持って旅しているのと
そうでないのとでは旅が変わってくる。

別にプロである必要はない。
楽器を奏でるのに資格なんてない。

この楽器を持っていることで
どんなに出会いに恵まれたか、
それを一番分かっているのは僕自身だ。


一件目のお店は高いギターばかり置いてあった。

僕の予算は200ドルくらい。

お店のお兄さんに
もっと安いお店はないかと尋ねると、
親切なお兄さんは別のお店の場所を
僕に教えてくれた。


プラハのバス停の近くでは
ジャズトリオみたいなおっちゃんたちが
バスキングをしていた。

前に置かれたケースには沢山のコインが貯まっていた。

途中で見つけたH&Mでオーガニックコットンの
ボクサーパンツを買っておいた。
だって今持っているのは一枚だけだから。
これでローテーションできる。

お金のことは今は考えないようにしよう。



二軒目の楽器屋にはさっきよりも
沢山のギターが置いてあった。

画像12

画像12


それでも僕の手の出せそうなギターは
ほんの2~3本しかない。

店員さんに言って試奏させてもらう。

どこのメーカーだか分からない
メイドインチャイナの180ドルくらいの
アコースティックギターの6弦を鳴らした時に、

BECKのコユキが感じる
インスピレーションみたいなものが
僕のからだを駆け巡った。



「これだ…!!!」



高いギターの音の良さなんて
僕には分からない。

だけど、このギターの音に僕は何か感じた。

今思えば、音がよく聴こえる
お店の作りのせいもあったのかもしれない。

ストラップやチューナー、ギターケースをつけて
合計23,000円。
麻痺した頭でクレジットカードを抜く。

お茶の水の楽器店だったら買った時に
ケースやチューナーもついてくるのになぁ。

「そういうのはないんですか?」と
お店のスタッフに尋ねると、
お店のスタッフは迷惑そうに
「ない」と言った。


まるでテニスラケットを入れるような
ダサいギターケースを持って
お店を出た僕は若干後悔していた。

230ドルも払って
ギターを買い直したおれはバカだ。

そう思った。

画像13


新しく買ったアコースティックギターは
今まで持っていたMartin Backpackerよりも
ずいぶんと重たく感じた。

『アコギってこんなにデカかったか??!!』

自分ついこの間まで持っていた
トラベルギターがいかに軽かったことか。



とりあえずさっきのジャズトリオの真似をして、
僕もトラム乗り場前でギターを弾いてみた。

さっき店内で弾いた時と
全然音が違って聴こえる。

通常サイズのアコースティックギターを
立ちながら弾くのに違和感を感じずにはいられない。

5曲ほど唄ってコインは一枚も入らない。


『おれはなんてバカなんだ…』

トボトボとその場を後にした。

画像14





『もういっそのこと
プラハ脱出しちまうか!』

画像15


思い立ったが吉日。

せっかくだからチャルカの本に書いてあった
ヤブロニツという村に行ってみようと思う。

「リンゴの木の村」という意味の名前らしく、
ここではガラスボタンが有名なのだとか。
ここでだったらオリジナルの物が
仕入れられる気がする!

ベタな雑貨よりは、
その人の生活に寄り添うストーリーが
詰まっていくような雑貨を仕入れる。

それが僕の考える雑貨屋(フリマ)のコンセプトだ。

電車でいけやしかないかと、
マップアプリで線路をたどって、
駅前行っては見たもののー、

一番デカい駅以外は、

『この駅ほんとうに駅なのか??!!』

ってくらいの場所だった。

ほんとうにプラハはこんなんばっかだよ!
昨日の空港といい!もっと整備してくれようっ!


画像16


見つけたマクドナルドでWi-Fiをキャッチし、
日本語で検索をかける。

するとどこぞの親切な方が
ヤブロニツへの行き方を書いているじゃあないか!

こういう時に誰かのブログってほんとうに役に立つ。

フムフム。
メトロの終点駅から直通のバスが出てるのね。

やられた分の帳尻は合わなかったな!フンッだ!

画像17


時刻は19時。
ヤブロニツ行きのバスは21時まであった。

プラハから1時間10分で行けると書いてあった。
そこまで遠くはないらしい。

ちょうど19時のバスが出てしまったので、
僕は20時のバスを待つことに。


ターミナルでさっきかったばかりのギターを弾いた。

チューナーで音を合わせると、
半音下がっていたことが分かった。

どうりでさっき路上で弾いた時に
いつもと全然違う気がしたわけだ。

しっかりとチューニングしたギターの音は、
今まで使っていたトラベルギターなんかと
比べ物にならないくらい良い音がした。


どこからともなく、
おっちゃんが僕の隣りに座った。

ただコードを鳴らしているだけなのにサマになる。
アコースティックギターってすげーなと思う。


「良い音だね」

隣りのおっちゃんが褒めてくれた。

日本のチェコ大使館で働いていたことが
あるとかないとか言うおっちゃんは、
ヤブロニツ行きのマンスリーのチケットを持っていた。

こっちの方が安上がりなんだよ。
と自慢げに話す。



やって来たバスに僕たちは乗り込む。

おっちゃんは慣れた手つきで
バスの荷台のドアを開けた。

おっちゃんが自分の荷物を入れたのを見て、
僕も新しく買ったばかりのバックパックを置いた。

8ドルくらいのバスチケットを払って席に着くと、
少しだけ不安になった。



バックパックがまた盗まれやしないか

とだ。

画像18


だってバスの荷室って意外に手薄じゃないか?
僕より先に降りるヤツが持って行ったら
分からなくないか???

そんな被害妄想に取り憑かれたが、
こればっかりは運に身を任せるしかない。


この旅の先で、きっと何度もバスを利用するだろう。

また盗られたら、その時はその時と
割り切るしかないだろう。

あぁ、バスの中に持ち込めたら
どんなに気が楽なことか。

僕のバックパックはまだまだガラガラだが、
外にテントをつけているため、そこそこかさばる。

中に持ち込んで膝の上に乗せることは
できなくもないけどー、まぁ迷惑だろう。

こういうので被害に遭う人はいるんだろうか?

画像19



ヤブロニツに到着したのは
夜中の21時半だった。

画像20


一気に気温が下がった。吐く息が白い。

乗客たちはそれぞれに散って行った。


僕はなんとなく町の中へと入っていった。

まだ22時前だというのに、
町で開いているお店はほとんどなかった。

さっき僕と一緒に降りた軽装な
バックパッカーの男の子が
自分の予約したホテルだかを探して
ウロウロしている。


悪いけど、今は「どうしたの?」とか
訊いてあげる余裕はないんだ。君も頑張れよ。

バスキングの稼ぎの少なさから
ショックで買ったラッキーストライクの
オーガニックを箱から一本取り出して火をつけた。


こんな寒くて誰もいない町なのに、
パトカーが巡回していた。

たぶん形だけだろう。
別に目をつけられるなんてことはなかった。


マップアプリで公園の場所を確認して、
人気のない公園でテントを立てた。

いくらか斜面になっていると
寝にくいと分かったのは
テントの中でだった。

画像21


現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。