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「待ち合わせをすっぽかされる in アルメニア」

世界一周312日目(5/6)

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ここ数日、市場で朝ご飯を買い、朝10時の開店時間を過ぎた上で作業場のクイーン・バーガーに来店。馬鹿の一つ覚えみたいにカプチーノをオーダー。いつもの席につく。ただ、日本の外を旅していても「やることがある」のはいいことだ。

披露宴会場マップの下描きを終えてペン入れに移る。しばらく作業してると、一緒の宿に泊まっているサトシ兄さんが遊びに来てくれた。同じテーブルにはついたものの、気を遣ってかそこまで話しかけてこず、タバコを吸いながらスマートフォンで調べものをしている。

僕は一番太い線が描けるGペンから線を引いていった。どこをどう強調するか?描きながら頭を使う作業だ。

「いやぁ~、描くのって時間かかるんだねえ」とサトシさんが僕の作業を見て言った。「もっと早くかければいいんですけどね」
やっぱり漫画家には速筆が求められるのだろう。もっと早く描けるようになりたい。

ふと店の外に目をやる。アルメニア美人が10メートル先を横切る。ノースリーブの白ってセクシーだな…。

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今日は一日製作で終わるわけじゃない。
昨日の晩、彼女の家の前で僕にStand by meを唄わせた、空手教室の先生をするサハクが17時に僕を迎えに来ることになっているのだ。アルメニアの子供たちが空手をやっている姿を想像すると、なんだか微笑ましい気持ちになった。

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「一緒に空手教室見学行きます?」とサトシさんを誘ってみたが、サトシさんは「いや、いいよ〜」と言ってバーガー屋から出て行った。それが正解だったのだと思う。サハクはここに僕を迎えに来てくれる、らしい。

17時をまわった。
サハクの姿は見えない。

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17:30。
「あれ?昨日ー、約束したよなぁ…?」

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17:45。
うん。なんとなく分かってた。
私、ここでずっと待ってるんだろうなって。

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そうなんだ私って。いっつも誰かに待たされてる...。

「実はね、昨日彼(サハク)からアドレスもらったの。「~@gmail.com」で終わるヤツ。だけどね。私、彼に連絡しなかった。彼がどこで働いているのか知ってたし、私のいるクイーンバーガーは目立つから彼が間違えることもないだろうって。彼は迎えに来ないだろうって思っていたけど、きっと心のどこかで、彼のことを信じていたんだと思う。

昨日の彼を見ていたら、『この人は信じてもいいんじゃないかな?』って思えたのね。その時は。だって、愛する彼女のために歌をプレゼントする様な人だったんだもの。でもその場にいた私の気持ちには、彼は気づいてなかったんだと思う。そうじゃなかったらここでずっと待ってるなんてことー、ないよね?

私ね、ちょっと空想してたんだ。空手着を着たアルメニアの子供たちが「イーッチ!ニーッ!」って日本語を言いながら彼と一緒に練習する姿を。あはは...。バカだよね。私」

そんな空想しちゃったから、こうしてここで漫画を描きながら待ってたっていうのによぉぉぉおおおおお!!!

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18:00。
「アイツかんっぺき約束すっぽかしやがったな!!!マジでコロッス!!!」

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ここが東南アジアやインドならまだ分かる。だが、ここはアルメニアだぞ!!しかも首都エレバン!飲食店に行けばフリーのWi-Fiにありつけるし、メトロにフリーのWi-Fiがびゅんびゅん飛んっぞ!そんな街(って何を基準にしてるかは分かりませんが)で約束すっぽかすたぁどぉぉおおいうことだぁああああ!!!やっぱお前には娘はやれぇえええええ…んんっっっ!!!!あ!~もうヤメヤメ!もう絵も描けん!

僕は18時半になると荷物をまとめてブログの更新もせずに宿に引き上げた。

宿に泊まっているお兄さんたちとダベって、歯磨きをして電気も消さずにベッドに横になった。日記書く気も起きん…。気づいたら寝てしまっていた。

早寝したものの目覚めた時刻は4:00。やれやれ。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。