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「モンゴルでお金が下ろせない…」

世界一周20日目(7/18)


風呂なし生活3日目。

トラックでの移動や、今日が雨だったこともあり、汗もかかず、体の臭いは気にならないけど、髪がパサパサだ。モンゴルのみんなはお風呂とかどうしてるんだろう?

現在僕がホームステイしている家には溜め起きの水があって必要な分をそこからすくって使いる。

ボットン便所にもトライした。なんだか動物園の臭いがした。日本ではウォシュレットがないとダメだった僕だったけど、今は携帯ウォシュレットに乗り換えた。これとトイレットパーパーさえあれば、星空を見上げながら用が足せることだろう。


6時に目覚めるつもりだったが、朝の冷え込みに堪え兼ねて、再びベッドに戻った。そのまましばらくベッドの中でうだうだしていた。こんな場所にもちろんWi-Fiなどない。することがないっていうのもなかなか疲れる。9時になると雨音が聞こえた。ああ、きょうはずっとこうしていようかな…。

ちなみにホームステイは今日までの予定だ。明日はアルタがおススメするゴビ3大スポットに出発する。

お金をおろさないと。それにホテルでシャワーだけ使わせてもらえないか頼んでみよう。


ばあちゃんにパンとミルクティーをいただいて、僕はPatagoniaのアウターを着込んで外に出た。

犬がわざわざ通りまで出てきて僕に吠えてくる。
モンゴルに来てから犬に吠えられっぱなしだ。

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とりあえず、ホテルに行って、「only shower. OK? I pay for money.」と訊くも「No!」の一点張りだった。

宿泊者も全然いないんだから、シャワーくらい使わせてくれたっていいじゃないかと思いつつも、これが日本でも同じだろうと考えを改めた。物価が低い国だとどうもワガママが通る気がしてしまう。旅のビギナーが陥りやすい誤った考えだ。


そのまま町をうろついているとATMを見つけることができた。

お金をおろす時は緊張する。

すでに1枚のクレジットカードがロシアのATMに食べられ、僕に残されたのはこの一枚しかないからだ。

今回も一筋縄じゃいかなかった。何回やっても「Canceled」の文字が出てきてしまうのだ。係員を呼んでやってみるも、ATMは僕にお金を授けてくれなかった。

終いには「隣の銀行に行ってやってみてください」と言われてしまい、隣の銀行の窓口でトライしてみることに。事情を説明しても、彼らはATMに行けと言う。係の人に案内されてATMまで行った。

僕は夜中に一人でトイレに行けない子供の様に「お願いだからそこで待ってて!」と言って、台目のATMにもチャレンジした。



え~っと…「PIN(暗証番号)」と…。

「ピッ!(画面が変わる)」

「withdraw(引き出し)」と…

「パッ!」

おっ!今回はおろせるぞー…
でも、あれっ?「500/1,000/10,000」しか出てこない…

僕はとりあえず10,000トゥグリル(700yen)をおろして、しばし硬直した。ロシアでも4,000ルーブル(12,000yen)おろせたぞ!

なぜだ!なぜおろせん!?

ここでおろせないと明日のツアーに行けないんだけど!

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僕は引き出したお金を片手にそのままインターネットカフェに行った。

このご時世、モンゴルにはまだまだネットカフェというものが存在するのだ。

カフェの受付嬢はスチール製の定規を口にくわえてたまま(ていうかかじってた。チョコバーをかじるみたいに)僕のことを無言で見ていた。

「あの~...一時間でいくらですか…?」と僕は英語で話しつつも筆談用のノートを差し出して受付の女性に尋ねた。

彼女は定規をくわえたまま、ノートに「1=500T」と書いてよこした。

僕は案内されたパソコンの前に座って、日本語入力のサイトに行き、自分のブログをアップしようとした。

持ってきたUSBを差し込んだ途端パソコンが動かなくなった。

やれやれ。

僕は定規の受付嬢に訊きに行った途端、後ろに座っていた女性が僕の席に座った。

「あの…ここ、僕の席なんですけど。まだ15分も経ってないんですよ?」と英語と身振り手振りで説明するも、彼女は「へえ…それで?」といった感じで動こうとしない。

『なんなんだよ!お前ら!!?ホテルと言い、ATMと言い、ネットカフェと言いよぉおおおぉお!!!』

僕は頭にきてお金も払わずに店を出た。

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近くのパン屋で650トゥグリル(45yen)の大きなパンを買って帰路についた。

ゲルに戻ると手帳に現在の財政状況を書き出し、頭を抱えた。

日本の楽天銀行にはお金はあるが、手持ちのお金はおよそ280,000トゥグリル(20,000yen)…。

だめだ!これじゃあツアーに行けない!

1キロあたり500トゥグリル(35yen)の格安のドライバーを手配してくれたアルタ。(一日にばあちゃんを通して何回も電話をかけてくれるのだ!優しすぎる…!!!)

でも、230キロ離れたホンゴリンに行った時点でアウト。


あ〜〜〜…、

もうやだ。

考えるのも、ブログを書くのも、漫画を書くのも嫌になってふて寝した。

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昼寝から起きるとアルタから電話がかかってきた。

ばあちゃんが僕によこす。

僕は現在の財政状況をアルタに正直に話した。

「じゃあしょうがないわね。近場のヨヒアンだけにしましょう」
彼女はそう言って一泊二日、140,000トゥグリルのツアーを組んでくれた。

彼女には感謝してもしきれない。



ロシアで出会ったアスカさんは言った。

海外を旅するのには必要最低限の手持ちと、クレジットによる払い分けが大切

と。

でも、クレジットカードの使えないこの町で、まとまったお金が必要な僕は一体どうしたらいいのだろうか?


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この次の日別の会社のATMで試したら10万トゥグリル+他の会社で8万おろすことができた。

引き下ろし限度額が各銀行毎に設定されてー…いるのかな?

 

現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。