見出し画像

「チェンマイへ戻る途中で」

画像3

パーイの中心地から温泉のある方向へ徒歩10分。(温泉いくつかあると思うけど、一番メジャーな温泉の方向だと思います)ちょっとこじんまりとした素敵な雑貨屋さんがあるのをご存知でしょうか?

画像1

Khunnai Ternsai(クンナイテンサイ)は陶器とオーガニックコットンを扱うお店です。

カフェもあってゆったりとくつろげるまるで映画の中に出てきそうな雑貨屋さん。お店の人も温かい笑顔を向けてくれました。

画像2

売っている商品もとても魅力的なのですがなによりもKhunnai Ternsaiそのものが素敵です。

ちゃっちゃなお店の中にはたくさんのコーヒーカップや器、オーガニックコットン商品が置かれ、さりげなくリラクシングな音楽が流れていることに気づくでしょう。お店の壁にはKhunnnai Ternsaiのラフ画がかざってあるのもこのお店の魅力を引き立てています。

画像4

画像5

画像6

画像8

お店のすぐわきにはちょこんとした小さなカフェがあります。それにきちんとWi-Fiも入っちゃいます♪

画像7

メニューも豊富で、僕が注文したのはジンジャー・レモンティー(60baht/189yen)。

画像10

タイの他のお店に比べるとちょっと高い気がしますが、お店の人が時間をかけて作ってくれたジンジャー・レモンティーはサイズも大きく、中にはショウガをカットした物が入っています。

お店のマスコットは「かたつむり」。
このゆったりとしたお店にぴったしのイメージキャラクターだと思います。

画像9

パーイの中心地からはちょっとだけ離れていますが、自転車を借りて遊びに行ってみるのもよし。温泉帰りにちょっと立ち寄ってみるのもいいかもしれません♪

ということでちょっとやってみたかった「雑貨屋さん紹介」です。

ここでコーヒーカップを仕入れたかったのですが、ちょっとお値段が高かった。日本から観光でやって来て、自分用やプレゼント用にお土産として買うのなら全く問題ないのですが、雑貨屋さんごっこで売るのにはちょっとなぁという感じ(あくまでごっこなのです)

ここで仕入れをすることはなかったですが、とても素敵なお店なのでタイのパーイにやって来たときは是非足を運んでみてください。

− − − − − − − − − − − − − − − − − − − 

世界一周130日目(11/5)

画像11

荷物をまとめてチェックアウトする前に僕は名刺を作っていた。

たった3日間の滞在だったけど、日本人ということだけですごくよくしてくれたアローさん。アローさんは日本のドープな旅人たちと付き合うことが多く、僕のような旅行者ともっと仲良くなりたいと考えているらしい。どうやったらお互いに良い関係を築けるのだろう?

昨日、僕たちに夕食をふるまってくれた後、僕はお金を支払おうとしたが、アローさんは「ノー!」と言って受け取ろうとしなかった。

僕はお金じゃない他の何かでお返ししたいなと考えた。何か食べ物でも差し入れようか?でも、貧乏旅をしている僕にはっきし言ってそんな余裕はない。そう考えた時に重い浮かんだ考えはやはり「絵を描くこと」だった。昨日、アローさんに会った時「僕の似顔絵を描いてくれ!」と言っていたことを思い出した。似顔絵描くの得意じゃないんだけどね。

画像12

アローさんに会いに行くとゲストハウスには南京錠がかかっていた。ちゃんとお別れ言いたかったんだけどな。僕はドアの間にアローさんの似顔絵を描いた手描きの名刺挟んでおくことにした。

画像13


チェックアウトを済ませると旅行代理店でピックアップを待った。

しばらくするとアローさんがバイクにまたがっていつものように陽気に声をかけてきた。へへっ。ちゃんとバイバイできるなんてやっぱり僕はツイてる。僕はアローさんにお礼を言い、握手をして別れた。

もうしばらくすると昨日のバスキングの際に片言の日本語を喋り、歌を聴いてくれたエディーさんが僕を見つけた。日本語の勉強がしたいとのことでラインの連絡先を教えてくれと言ってきた。

こういう時の気持ちって複雑だ。
昨日会ったばかりの人に自分の連絡先を教える事に僕は抵抗を持つ。彼は何がしたいのだろう?ラインって、メッセージじゃなくて通話の方だろうか?旅をしている僕はとてもじゃないがエディーさんの都合のいい時間帯におしゃべりすることはできないなと考えた。

むげに断ることができない僕は連絡先を書いてと言われた日本語の文庫本のカバーの裏に一文字わざと間違えてエディーさんによこした。こういう人間関係って簡単そうに見えて簡単なことじゃない。仲が良くなるために一緒に過ごす時間が多く必要だとも思わない。「意気投合」「馬が合う」という日本語があるように初対面でもすぐに友達になれてしまう場合もある。ただ、エディーさんとはそう言ったフィーリングも可能性も感じなかった。

だって日本語の勉強がしたいのなら僕以外にパーイに長期で滞在している日本人なら他にもいるし、僕である必要がない。悪いけど、人それぞれだと思うんだよね。

些細な出会いに未来のきっかけを見いだす人は連絡先のやりとりに抵抗を感じないだろう。でも、僕は僕なんだよ。他の人から見たら僕は冷めたヤツかもしれない。良心の呵責がないわけじゃない。「ともだち100人」も僕は作れないし、作る気もない。そんな100人も友達がいたら僕のキャパオーバーだよ。っていうか100人も友達がいる人は彼らとどう付き合っていくのだろうか?おざなりにしてる友達は果たしていないいのだろうか?自分の「感覚」を信じて出会う人たちと向き合っていこう。

画像14


ピックアップのバイクに乗ってバスターミナルへ行き、僕はミニバンに乗り換えた。

画像15

ミニバンの中は中国人だか韓国人だか全てアジア人で、満席の状態。僕の座った席はカバーが破けてプラスチックがむき出しで背中に当たり、なかなか眠ることができなかった。

TOYOTAのポロシャツを着たとなりのおっちゃんは足をひろげ幅をとるばかりか肩幅も広いせいか僕と肩が密着状態。

山道に揺られウトウトしながらたどりついた休憩所。ミニバンが停まった瞬間一緒に乗っていた少年が勢いよくドアから飛び出した。そばにあった植木にヴォミット(吐瀉)する。

うへぇ...やっぱりパーイの山道はキツイよな...
朝飯あんまり食べなくてよかった。


トイレに向かおうとした僕は「シミくん!」と誰かに呼ばれる声を聞いた。振り返るとパーイでお会いしたコモンさんとエミさんがそこにはいた。昨日でお別れかと思っていたのに!

画像16

お二人はチェンマイまで半額の80バーツ(252yen)のローカルバスで(パーイの代理店やターミナルだと150バーツ)向かうと言っていたからまさかこんなところで会えるとは思ってなかった!大型車両はミニバンよりもゆっくり山道を下るみたいだ。「ドライバーが『10 minutes 』って言ってたのにもう20分だよぉ」というコモンさん(旦那)。カッコいいお兄さんなのに言うことがゆるいだよな笑。

「それ、なんすか?」
僕はコモンさんのサブバッグからにょきっと突き出るバッグを見つけた。
「これ?ウクレレ♪」
1年以上愛用しているというウクレレでCARAVANの「message」のイントロ弾く。

お二人とまたどこかで会えたらいいな。日本人同士ということもあるけど、僕は二人のことなんだか好きなんだよね。二人はこのあとチェンマイからバスでバンコクへ戻り、インドへ向かうそうだ。

僕がインド入りするのは12月だ。二人とは5日くらいしか被らない。別に再会できなくったっていいんだ。良い旅を。僕が願うのはただそれだけだ。



画像17

バスターミナルはインド領事館の近くにあった。

タイ北部での長距離移動は鉄道ではなくバスでの移動が主流だ。バンコク行きはもちろんチェンマイからいろんな場所へ向けてバスが出ている。

戻ってきたチェンマイでこれから僕は申請したインドビザとパスポートが戻って来るまでどこで過ごすかは決めていた。ターミナル周辺のトゥクトゥクの声を振り切って、徒歩でチェンマイの中心地を目指す。

画像18

戻ってきたのは前回と同じ宿。Boss's guest house。100バーツ(315yen)のドミトリーと称したシングルルーム。サクサクのWi-Fi。飲み放題のコーヒー。3つもあるトイレ。カワイイばあちゃん。ばあちゃんは僕の姿が見えると「お〜!お〜!」と迎えてくれた。なんだか帰ってきた感じがした。

隣りのフランス人のおっちゃんは新しくとりつけられたハンモックに揺らて読書をしている。僕の姿を見つけると「なんだ。パーイに2日しかいなかったのか」と言った。

僕はコーヒーを飲み巻きたばこで一服するとギターを持っておなじみのショッピングモールへバスキングに行った。

今日は平日だしそんなに稼げないだろう。

ミニバンの中で音楽をずっと聴いていたせいで歌いたくなってしまったんだからしょうがない。なにより歌うことは楽しい。


この日あったのはタイ人のおじいちゃん。

画像19

「君もアーティストなんだね!」と声をかけてきてくれた。彼もバイオリンを弾くらしく歌っている僕に親近感を持ったそうだ。

「日本語の曲だから意味は分からない。だが、「音」が良い」そう言ってくれるだけで僕は嬉しい。

高い声でリズムやキーを合わせるだけじゃないそこに感情を込めて僕は旅を歌う。

おじいちゃんにはチェンマイ大に通う僕と同い年のフォトグラファーの息子さんがいるそうだ。おじいちゃんは息子さんがくるまで横のベンチに座って僕の歌を聴いてくれた。路上で歌うとこんな出会いもある。



路上を終えた僕は一軒のジャズバーを見つけた。

画像20

画像21

画像22

道路を挟んでタバコを吸いながらバンドの演奏をしばらく聴いていた。
目の前を横切る車の風圧で涼しく感じる。
僕はチェンマイに戻ってきたんだ。



現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。