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「海外でスキャナー探すのってクエスト感あるよな」

世界一周223日目(2/16)

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お風呂に入らない日が続くことにだんだん慣れてきた。

そりゃもちろん数日お風呂に入らないと髪が固くなってきたりはする。この寒いネパールでは(つっても2月の日本より全然温かいですが)動き回らない限りそんなに汗はかかないので体はあまり臭くならない。それに水シャワーを浴びる気にもなれないしね。

また歯が黄色くなってきた。そんな気がする。
虫歯の治療した後にそってじんわりと黄色くなっている気がする。そろそろ歯医者に行かなくちゃな。

僕は喫煙者なのだ。2年前のバイト時代からタバコを吸い始め、一日に4~5本吸う。多い時に10本くらい。旅に出てからもいまだに吸っている。バケットなんかで買っちゃうとついつい多く吸っちゃうんだよね。

そしてコーヒーが好きだ。やっぱり漫画製作の時なんかはテーブルに熱いブラックコーヒーを置いておきたい。

一番致命的なのは虫歯になりやすい体質ということだ。
長男は甘やかされて育てられるので口内環境はメタメタなのだ。こればっかりは家庭環境や遺伝のせいでもある。かけっこが早いコもいれば、長距離が得意なコもいる。そのくらいものだと思う。

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ミャンマーで歯のクリーニングに行ってみて、それなりに綺麗にしてくれたで、ここミャンマーでもクリーニングに行ってみることにした。昨日値段を訊いたところ「700ルピー(719yen)」だった。ミャンマーでは千円くらいだったし、安いじゃないか。

歯医者の立ち並ぶ通りで、僕は昨日声をかけた歯医者に行った。

受付の兄さんは革ジャンを着て寒そうに「ああ、来たね」と僕を覚えていてくれた。10時になり停電が解除されると、僕は明るくなった診察台へ案内された。

そしてやって来た先生は革ジャンを来た受付のお兄さん(ってあんたかい!!!)

薄いゴム手袋をして「さあやるぜ!ほら口開けな!」ってなってるけど、せめて制服みたいなの着て欲しかったよ!!!ちょっと荒いかも?と感じたけど、お兄さんは歯の隅々までクリーニングしてくれた。たぶんクリーニングの時のドリルってそんなに歯を削らないんだろうけど、ドリル特有の音を聞くとさ、クリーニングってあんまり歯によろしくないんじゃないかって思ってしまう。

カトマンズに歯医者は何軒もある。どこでクリーニングにするか選んだ方がよかったのかもしれない。

さてと、歯のクリーニングもしたし、
今日のやらなければいけないことはもうひとつある。


スキャナー探しだ。


仲間から依頼されて、ポカラで描き上げた漫画。スキャンしたデータをメールで送るということになっていたのだが…
ポカラには沢山スキャナーがあった。だがどれもA4サイズ。

描いた漫画のサイズがわずかにスキャナーに合わず、縮小コピーをかけて小さくしたものを再スキャンしてデータを送ったのだが、画像が粗くて使えないと言われてしまったのだ。「これならiPhoneで撮った写真の方が綺麗だね…」とまで言われてしまった。

そんなこと言ったってネパールにコンビニに置いてある様な大きなスキャナーはないんだぜ?もういっその事、日本に郵送してしまおうか?そんな考えも脳裏によぎった。

ちなみに納期は2~3週間後。到着が遅れてしまったことを考えると、やっぱりここはスキャナーを探し出すしかない。

だけどー…

カトマンズにスキャナーなんてあるのか!!?

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昨日、スキャナー探しをしていたところ、プリント屋のおっちゃんがタメル地区からから徒歩30分の場所にフォト・コピー・センターがあると教えてくれた。

そこなら大きなスキャナーを使う事ができると言う。これでカトマンズの街をスキャナーを探して彷徨うことはなくなったぞ!

道すががら、途中にあった別のプリント屋さんに教えてもらったお店の場所を伝えると、お店のおっちゃんは別の方向を僕に教えてくれた。

「ここをまっすぐ行って、右に曲がるんだ」

あぁ、なるほど。ここで曲がるんでしたか。だいたいいつも人に道を訊いて帰ってくるのはこんな感じ。道を教えてもらった時は「オッケー!あっちねー!」ってすんなり納得できるんだけど、こんなアバウトな道の教え方じゃ目的地に到達できないこともある。今回なんてまさにそれ。

心なしかネパールのみなさんの道の教え方ってけっこうアバウトだなと思う今日この頃です。そして時々テキトーに教える 。

その後も、色々な人にどこに行けば大きなスキャナーがあるか尋ねてまわった。

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「はぁ…、はぁ…」

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「ダメだ…、心が折れそうだ」

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もう海外にプリンターなんてないよっ!

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「最後まで責任もってしっかりやりなよ」という仲間の言葉が頭に残っていた。

もしかしたらと望みをかけて、Apple製品を扱うお店に訊いてみた。お店には大きなスキャナーはなかったが、スタッフのお兄さんはわざわざ電話してスキャナーのある場所を見つけ出してくれた。

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「プタリサダック」という場所に行けばいいそうだ。電話で確かめてくれたんだ!今度こそあるに違いない!

マップアプリにピンまで刺して向かった電化製品の集まる通り。何軒か当たってみてようやく見つけたプリンター屋さん。

(プタリサダックをお店の名前だと勘違いして探しまわっていた時はさすがに「もうアカン!」って思った…『あー、超薄型・超軽量で折りたたみができてB4版までスキャンできる夢の様な道具があったらなぁ…。あと何年くらいすればそんなスキャナーが開発されるんだろう?』って妄想したくらいさ!)

そこにはコンビニで見かける様なプリンターが3台。一つには「RICOH」の文字が。もちろんスキャンできることは言うまでもない。やっぱ日本製だよ!ついに見つけたよ!プリンター!達成感ハンパない!

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トリミングまでやってくれてたのには感動! 



データをスキャンし終え、僕はデータを仲間に送ろうとWi-Fiの使えるカフェに入った。一杯120ルピーのコーヒー。ちょっとした贅沢だ。

どうしたことかパソコンがWi-Fiに繋げない。お店のスタッフに原因を尋ねてみても「わからない」の一点張り。たぶんPINコードとかを設定するんだと思うんだけど…。30分くらい粘ってみたが、パソコンはうんともすんとも言わなかった。諦めてコーヒーを飲み干し、僕は別のカフェで試してみる事にした。


向かった先は停電でもバッテリーから給電される電気でWi-Fiが使える「COZY CAFE」だ。一番安いチャイを頼んで席に着いた。
他にも「COZY」て名前のついた宿をいくつか見かけたけど、同じ人が経営してるのだろうか?

ここでもパソコンがネットに繋がる事はなかった。
iPhoneだったら繋がるんだけどねー。iPhoneで「Mac Wi-Fi 繋がらない」と検索をかけてネットワーク設定をちょっといじってみたところ、ようやくネットに繋げることができた。こういうのって、ほんと苦手だ。いずれ情報格差で僕みたいな人間は支配されてしまうんじゃないかって本気で思う。

「ごちそーさまでしたー」と支払いを済まし、漫画製作のためのテスコ・ロータスの手提げぶくろを持つとなんだか軽く感じた。中身をチェックすると、原稿用紙を入れているB4サイズのファイルがない。


「あちゃー…あの時だ」
スキャナーを見つけて原稿用紙をファイルから取り出して、隣りのプリンターに置いたな…。中にはネームを描いたコピー用紙と他にいつも使っている0.9のシャーペン、消しカスを払うブラシ、消しゴム2コ。あー…そうだ。定規も入ってるんだった。漫画の枠線描けねーよ。

「もしかしたらパクられてしまったかも?」
見つからなかったらどうする?紙とペンさえあれば漫画は描けるし、定規もシャーペンもそこまで高くないだろ?でもなー、買い直すのは手間だなぁ…。

暗くなった18時の街をさっきのプリント屋さんまで早歩きで向かった。不思議と焦りはなかった。なんだかんだできっとあるはずだ。
だって僕、運いいもん。


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それでも大急ぎでプリント屋さんまで戻り、自分が置き忘れた場所をチェックしてみるもファイルの姿はない。

受付のお兄さんは別のスタッフに変わっていた。「明日にならないとヤツらは来ないぜ」と言う。

『もしかして誰かに持って行かれてしまったのだろうか?』
と横のテーブルの引き出しに僕のファイルの姿が。

へっへっへ♪

ネパールの人はやっぱり信頼できるなーと思った帰り道だった。

現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。