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「ドミトリーで探偵のような人と出会う」

世界一周282日目(4/6)

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日本人宿サンタナのいいところは朝ご飯が食べられるところだ。
一人一杯のスープとチャイ。おかわり自由の食パン。これでジャムかバターがあったら何枚でもいけるんだけどなぁ。トーストしたパンをチャイやスープにひたしてそんなことを思った。

デリーのサンタナの宿泊料は一晩350ルピー。約600円。首都だから物価が少し高くなっちゃうのは分かるんだけど、200ルピーであの居心地の良さのサンタナ・バラナシとどうしても比べてしまう。Wi-Fiも時々動かなくなってしまうのも困った所だーって、どんだけ贅沢なんでしょう?僕は。
恵まれた環境に身を置いてしまうとそれに慣れてしまう。いかん!いかんぞ!これからハングリーな旅が始まるんだ!この整った環境に感謝せねば!イランのネット規制はハンパないみたいだ。Facebookはもちろんのこと、イランの外にいる人とのやりとりなんてとてもとても。

その規制をかいくぐる裏技なるものがあるらしい。「VPN」がどうたらこうたらって...ぜんっぜんわかりません!!!マジ意味ワカメです。たぶんこの後、僕の安否確認はできないかもしれません。

一方昨日、英語の拙いメールでジェットエアウェイズに受託荷物の超過料金をどうしたらいいのか尋ねたのだが、メールは帰って来ない。今日は日曜日。お休みなんだろうか?慣れない情報収集に時間がどんどん過ぎていく。気づいたら四階の共有スペースで「ハヤテのごとく」の37巻を読んでる始末だ。

「…ーって!いかん!いかんぞ!このままじゃダメだ!!」
インドの滞在予定日数も少ない。僕は外に出ることにした。

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ここでやろうと思っていたことのひとつ。雑貨の仕入れだ。

メインバザールの外から僕は攻めていこうと思った僕は「Khan Market」という場所に目をつけた。なにやら原宿のような小洒落た場所らしい。うんうん!たまにはこういう場所で雑貨を仕入れるのもありかもしれないな!

最寄りのRama Krishna Ashram Narg駅からメトロに乗って2回ほど乗り換えてやってきたカーン・マーケット。地上に出るとすぐ先にアディダスの看板が目に入った。

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何軒かお店を冷やかして思ったことは、ここには自分のイメージしていた雑貨はないということだった。お洒落なツーリストやインド人たちが来るような場所だ。

それに今日は日曜日。 
お店の半分以上は閉まっていた。来る日を間違えたってのもある。くやしいので、ひと缶70ルピーのリプトンのレモンティーを買って、近くでタバコを吹かして僕はカーン・マーケットを後にした。

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このままじゃつまらねえな。
来た道を戻るのは面白くない。せっかくPenny Boardも持ってきたんだ。

オフライン・マップアプリの「Map with me」で自分の現在地を確認し、向かった先はインド門。やっぱデカいもんは迫力が違うねぇ~!

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と気持ちが高揚したのはほんの5秒程度。ムンバイでもインド門見たしなぁ。
そしてー…アツイ…。

バラナシからヘアゴムで髪を結ぶようになってきたんだけど、やっぱりまだ慣れない。しかもさっきカーンマーケットでトイレの鏡見て髪結んでいたら、白髪が少し増えてきたことに気がついた。若白髪なんだよねー、僕。コールフィールドも若白髪だっけ?

そのままテンションも上がらないままコーンノートプレイスへ向かう。

その途中にあったATMで6,000ルピーお金をおろすも、お金をおろした後に必要な分に足りないことに気がついた。そうだ…。フライトの時に受託荷物の超過料金払わなくちゃいけないんだった…。

何かひとつうまくいかないと、それが連鎖するような気がする。
まぁ、そんな深刻な問題じゃないんだけども。

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4年前は工事中でそいらじゅうの地面がボコボコだったコーンノートプレイスは今では見違えるほどに綺麗になっていた。歩いている人たちも心なしかお金を持っているように思える。ここでも何軒か冷やかして、地下のパーリカー・バザールに僕は足を運んだ。

荷物検査をされ、持って来たカメラをバッグの中にしまわされた。前回ここに入った時はムシムシして空気の薄さのようなものを感じた。だけど、今回驚いたのは冷房が効いているってことだった。

ドーナッツ状のバザールには小さな衣類店が腐るほど並び、客引きたちが僕の腕をひっぱる。人の多さは相変わらずだ…。なんかここにいると疲れるなぁ。外に出よう。

無駄にドリンクや水を買って飲んだ。なんだかここにいるとお金を使ってしまう。そう悟った僕はペニーボードに乗って宿に戻った。

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シャワーを浴びてしまうと、やることと言ったら日記を書くことくらいだ。

いや、情報収集など他にもやるべきことはあるんだけど、僕はベッドに腰掛け
パソコンのキーボードを叩く。

そんな中、このドミトリーに新しくやって来たお兄さんがいた。サブバッグのような軽量化されたバッグと、高性能の一眼レフ。旅慣れた感じがする。

「もしかしてカメラマンの方ですか?」リュウさんが冗談めかしてお兄さんに尋ねる。「いや!まさか!」いきなりの質問に少々驚いた様子だった。お兄さんは僕の隣りのベッドに荷物を置いた。

僕はこの後の旅のルートをお兄さんに話すと色々なところを旅の情報を教えてくれた。ドバイのブルジュ・ハリファから臨める夜景は世界一だとお兄さんは言う。3500円分のお金を払ってでも行くべきだと、撮った写真を僕に見せてくれた。

お兄さんと僕は各々のパソコンに向かう。きっとお仕事のメールか何かを書いているのかもしれないな。カタカタとキーボードを叩く音を耳にしながら、僕もMacのキーボードを叩いた。

「くっくっく…」

突然笑いだすお兄さん。YouTubeの面白動画でも見ているのだろうか?

「あの、もしかして漫画描いてる人ですか」

『ビクッッッッッ!!!!!』

僕が漫画を描いていることがバレている!!??
このお兄さんには個人的な情報は一切もらしていない。

情報を辿られるとしたら、やはりブログだろう。おれ、何か変なことブログに書いただろうか…?

「どうして分かったんですか?」

同様を悟られないように少しおどけたフリをしてお兄さんに尋ねる。

「いや、スケボーとギター持って旅している人って少ないなーと思って調べてみたんですよ。そしたら最初はPenny Boardとか出てきたんですけど、ブログも見つかりました」

こ、怖ぇぇええええ!!!この情報収集能力!
このお兄さん、探偵かなにかなんじゃねえの!!!

僕より年上なのにもかかわらず、物腰柔らかなのがミステリアスな感じを演出している!話をするうちにお会いした方は「無職旅」というブログを書かれているお兄さんだと言うことが分かった。少なからず無職さんのブログには(っていう言い方はなんだか失礼な気がします笑)にお世話になっている。僕がロシアビザを取得するために「無職旅」さんのブログを参考にさせてもらったのだ。

「最初の方の記事に「無職旅さんに教えていただきました」って記述があるけど、僕はそんな何かをしてあげたって気持ちはないんですけどね(笑)」とお兄さんは言った。こ、これは婉曲的に「その記述をを今すぐ消せ!」ということなのだろうか?

ミステリアスな「無職旅」兄さんの前では下手な発言はできねえぞと思いながらも、その後のブログトークに花を咲かせた僕だった。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。