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「旅先でSDカードのデータが飛ぶ。泣きそうになる」

世界一周241日目(2/24)

道具の修理ばかりしている。

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ここカトマンズには道具の修理屋さんがいくつかある。

トレッキング/アウトドア用品を扱うお店が多ければ、修理の需要もあるってことだ。東南アジアを旅してきた旅人には、簡単に服や道具を買い替えるようなことはしないで、是非修理して欲しい。

僕もここではサブバッグの修理(ボトルホルダーを改造してもらった!)から、シューズもサンダルも修理をしてもらった。インドでよく見かける靴の修理なんかよりも断然ネパールの修理屋さんの方が腕がいい。そりゃその分お金は高いけど、せいぜい300~400円くらいでできてしまう。

長く使ったギアにはストーリーが宿る。
サブバッグを買い替えなくてよかった。

サブバッグはジッパーがひとつ新しくなり、かみ合わせ抜群になった。

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サイドのボトルホルダーは1リットルのペッドボトルが入れられるよう、調整ベルトがついた。

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バッグの底にはパッチが当てられた。

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これでまた旅が続けられる。
またいろんなところに行こう。よろしくな。


修理から戻ってきてパワーアップした自分のサブバッグをカメラにパシャパシャ撮っていたら

「接触不良です。SDカードを入れ直すか、初期化してください」
なんて文字が出た。

はは。誰が初期化なんてしますか(笑)
いつものようにSDカードをカチカチっと入れ直す。スーパーファミコンのカセットのように。

インドあたりからSDカードを差し込むスロットルの調子が悪い。

僕の持っている一眼レフはCanonのkiss X3という2009年の型。もう生産されていない型で、僕はある有名ブロガーの人の影響を受けて中古で46,000円くらいで買ったのだ。望遠のレンズもついてくるキットだった。(だが、望遠レンズは出発前に仲間の家に置いてきてしまった。重かったから。今思うと何で持って来なかったんだろうって思う)。手に入れた時は保存状態も良かった。

だけど、8ヶ月近く旅をしてきて、それなりにコイツにもダメージが蓄積されてきたんだと思う。カードを入れ直しても、一眼レフはデータを読み込めない時が度々ある。

ようやくカードを読み込んだサインの赤いランプが灯る。
見慣れない表示が出る。



「画像がありません」

「ほぁあああああああああああぁぁあっぁあぁっあっっ!!!!!!
え"っ、えぇぇええええ~~~~~っっっ!!!???」

思わずギャグみたいな叫び声を上げてしまった。

えっ…???や、SDカード新しい物に交換したばっかだけど…、僕の一ヶ月分のネパールを旅した思い出は…。


小学校の時の記憶が蘇った。

弟にデータを消された「星のカービィー・スーパーデラックス」の記憶が。

今のゲームっ子の事情はよく分からないけど、当時の僕は相当なゲーマーだった。そして使っていたのは任天堂の「スーパーファミコン」というハード。

コイツが厄介な代物で、プレイ中、掃除をしているお母さんの掃除機なんかがハードに当たるとすぐにソフトのデータが消えてしまうようなショッキングな事態がしょっちゅう起こった。

その時は弟のつま先が当たってデータが吹っ飛んだ(僕たちは「記憶が消える」って言っていた)ことに僕はマジギレ。

今では僕よりデカくて体力のある弟に喧嘩を売るなんて考えられないけど、当時の僕は弟をボコボコにして泣かせて報復した。その後、小学校のお手紙交換週間で弟から謝罪の手紙が来たことは今でも覚えている。(あの時はゴメンな笑)


いや!データが全部消えたわけじゃない!ネットに何枚か保存してるし!

あ~…昨日スワヤンブナート行ったんだっけ?旅する漫画家だしなぁ…絵でも描くか…?

こういう時に限って、「なんでバックアップとってこなかったんだ?」とか自分のやってこなかったことに対する後悔が生まれるわけだ。

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たまたま見つけたカメラ屋さんで修理できるか訊いてみると、スロットルの交換で7500ルピー(7,689yen)。たけぇ~~なぁ~~…そしてデータ復元が2500ルピー(2,563yen)。えっ!!!?データの復元なんてできるんすか!!!???
一縷の望みをかけて修理を依頼した。

合計、約1万円の出費。
うぅ…マジで痛い。なんで中古のカメラじゃなくて新品のカメラを選ばなかったんだと思ってしまう。

だけど、この後の旅でSDカードのデータが消える様な事態が起こってしまったら、もっと高くつくだろう。そうだ。これは必要経費だ。

テンションが上がらないまま、カフェでポストカードの続きを書いて、郵便局に投函しに行った。


夕方になり、三回目のインド大使館の訪問でようやくインドビザを手に入れた。

だけど、気持ちは沈んだまま。

お腹も減っていないのに、ベジ・バーガーを食べたり、絆食堂でカツ丼を食べたりした。

元気を出すどころか逆効果だ。
食べ過ぎで気持ち悪くなり、21時にはベッドでふて寝した僕だった。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。