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「シッキム〜インドだけどインドじゃない場所〜」

世界一周250日目(3/5)

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ダージリンからジープに揺られること約2時間。
僕がやって来た最初のシッキムの町はJorethan(ジョータン)という町。

ここへ入る前、検問のような所でジープを降ろされてパーミットとパスポートをチェックされた。シッキムはインドの自治州として存在するエリア。繰り返すようだけど、ダージリン以降、インドっぽさを感じない。「ヘイ!フレンド!トゥクトゥク!ノーマネー!チープ!」なんて声をかけてくる客引きは皆無だし、人は穏やかだ。ここにいる人たちの顔は日本人のものに近い。山の上にあったダージリンは寒く、夜は毛布をかけて寝ていたほどだったが山から降りて来ただけでだいぶ暖かくなった。ぽかぽか春みいだ。

たまたまジープで乗り合わせた見ず知らずのおっちゃんが、僕のシッキムでの旅の予定やルートを聞いた後、僕を近くのホテルまで案内してくれた。おっちゃんは僕をホテルの前まで連れて行ってくれた後、「それじゃ♪」という感じでサラっと去っていった。優しいぞ!

宿のスタッフに至っては「ここよりも、向かいのホテルの方が安いよ」と僕に教えてくれたのだ。商売敵じゃないのか?(ちなみに、ここの宿は400ルピー(659yen)だった)これがシッキムなのか!!??向かいのホテルのシングルルームの料金は200ルピー(329yen)。は、半額じゃないか!

案内された部屋はベッドに簡易テーブルに薄暗いライトがひとつ。まぁ、典型的な安宿ですね…。安いんだから文句は言ってらんない。とりあえず併設のバーでスプライトを飲んだ。海外で飲む瓶に入ったジュースを美味しく感じるのはなぜだろう?

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軽量化したバックパックを置いて、町を散策した。
分かったことはこの町がとても小さいということだった。30分もあったら一周できてしまうんじゃないか?と僕は思った。

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町には似た様な売店がいくつかあって、バザールのある通りにいけばモモやチョーメンが食べられる。酒屋さんも何軒かある。そうだった。シッキムはお酒の販売/製造を認められていたんだったね。

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また、タバコを売ってる場所は少なく感じた。売店によっては「No Smoking」と書いてあったり、禁煙を訴えかける張り紙をよく見かけた。ここにいたら喫煙量減るだろうな。

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少し驚いたのはごみ箱がいくつもあるってことだ。

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インドではポイ捨ては当たり前。もはや文化と言ってもいい。東のコルカタから、インドの南や西を旅して来たけど、どこもかしこもごみだらけだった(清掃員もいたけどね)
だけど、ジョータンはこんな小さな町だっているのに、歩いているだけでごみ箱をいくつも見つけることができる。「シッキムを、ジョータンをクリーンに!」なんてメッセージの書かれたごみ箱や「Use Me!」なんて書かれたごみ箱がいくつもある。

そうそう。バザールの露店の前には使い終わったバナナの葉で作られたお皿を捨てる段ボール箱が置いてあるんだよ。それもひとつの露店につきひと箱。

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たまたま見つけたツーリスト・インフォメーションでシッキムの地図をもらった。シッキムの観光名所からトレッキングルート、町から町の距離が書かれたクオリティの高い地図だった。

「それ何?」
僕のギターに興味を持ったスタッフが尋ねる。
「ちょっと弾いてよ」と頼むので、数曲唄わせてもらった。オフィスにほどよく音が反響し、いい気持ちで唄うことができた。

外では何かのデモが行われていた。この町の規模を考えれば沢山の人だと思う。みんなそれぞれにプラカードを掲げて、何かを訴えている。

この町でよく見かける赤、黄色、青の傘マークと「SDF」と書かれた政策ポスター。英語で書かれた文章を読むと、リーダーシップがどうとか、シッキムをひとつにみたいなことが書かれていた。
小さなエリアだ。州をまとめるのも大変だし、同じ場所に住んでいる人の間に軋轢も生まれるんだろう。彼らはシッキムをどのようにしたいのだろうか?

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近くにあるお寺に行ってみた。お寺まで急な階段が続いていた。

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そこでは猿がはばをきかせていた。お寺から生えるバナナの木には、猿たちがバナナを取りやすいように竹の棒が添えてあった。

猿たちはやって来た僕を見ると、鼻息をならして威嚇してくる。ざっとお寺を見物し、大きなマニ車を回して、帰りの階段の中腹のこと。猿がフゴフゴいいながら後尾していた。メス猿は「キッ…!キッ…!」と高い声をあげて鳴いている。

そんなの見たくもないんだけど、階段は一方通行だし、近づくのも気が引けるので、遠くから心なしか足音を大きめにならして自己アピールをかましてやった。猿たちはバツが悪そうに、フェンスの向こう側へと去っていった。

やれやれ。平和なんだか。なんなんだか。

とりあえず分かっていることは、ここはインドだけど、インドじゃない。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。