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「あの日読んだブログの物語はいまもここに」

世界一周131日目(11/6)

「再チャレンジ!」の意気込みで向かった先はチェンマイ大学美術キャンパス。ごめんチェン大広過ぎて何がなんだかわからない。とりあえずはチェン大の美術キャンパス敷地内前回はたまたま目当てのカフェがお休みだったということもあって、『今後こそ!』という気持ちで向かった。

なぜ僕がこのカフェに行きたかったのかと言うとバイト時代に読んだ世界一周ブログ、「ひとりのり」ののりさんがここのカフェを紹介していたからだ。

Pennyと漫画製作道具を持って向かったカフェの名前はDin Dee(ディンディー) 土でできたこじんまりとしたお店は雰囲気がたまらなくイイ!ムーミンとかに出てきそうだ。

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日本人の方が経営されているということもあって、メニューには日本語でも書かれている。

たいていカフェに入ると一番安いホットコーヒーを頼む僕だが、今回はメニューの一番始めに出てくるオススメのソイラテ(70baht/221yen)を注文した。

くっ...いつもだったらこんなリッチな飲み物は絶対にオーダーしないのに!やるなディンディー!そして美味しい!

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そして雑貨がカワイイぞ!ちくしょー!

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象のオルゴールはここの名物のようだ。
ネジをまわすとキレイなメロディーを奏でる。クオリティも高く、値段も3,000円くらいするため今の僕にはちょっと手が出せなかった。お金もってたら買うんだけどなぁ...

11時ではお店の中にお客さんは僕しかいなかった。土でできた店内はいるだけで涼しげな気持ちになる。BGMはスムースジャズが流れ、僕は一瞬でこのカフェが好きになった。

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のりさんもここに訪れたんだ。大好きだったブロガーさんだけにこのカフェに親近感が湧く。勤めていた靴屋さんからカフェで働くことを決めたのりさん。

ブログを読んでいると彼らの歩んできた人生までも「物語」として自分に染み込んでいく。のりさんは世界一周の最中にDinDeeと出会った。それをきっかけにチェンマイで様々な素晴らしい出会いに恵まれ、その経験は今のお仕事でも活きているようだ。

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自分の旅のスタイルを持つことによって偶然が紡いでいく偶然には僕も驚かされる。「旅する漫画家」という旅ではいろいろな人に出会う機会を僕に与えてくれている。旅って不思議だ。

漫画製作の作業環境としてはDinDeeは最高だった。
(後から入ってきた欧米人との男性と(たぶん)日本人女性のカップルがこの静かなカフェで始終「チュパチュパ」とキスさえしていなければ...)

お金を払う段階で僕はバスキングで手に入ったコインで70バーツを用意した。ちょうどその時、オーナーさんが店頭に立っていらっしゃっていてかなり気まずかった。「逆に助かるわよ〜♪」とおっしゃっていたが声のトーンにそんな気配は感じることはできなかった...

いや!分かります!大変申し訳なく思っております!

僕も串焼き屋さんでバイトしてた時も小銭を消化しようと無理矢理お会計に当ててくるお客さんにどれだけ殺意が湧いたことか。
タイのみなさんの寛容なお心に甘えようとしていた僕だったが、オーナーさんはきっと僕に対して殺意を覚えていたに違いない...。
しかもその後ちゃっかりコインをお札に両替までさせてもらったのだから...。
僕がこのカフェにやってきた理由をオーナーさんに話すと「あぁ、のりくんねー!」と嬉しそうに彼のことを話してくれた。

このカフェに置いてある象のオルゴールを作っていらっしゃる方の個展がチェンマイで開かれているらしい。そんな嬉しい情報を頂いて僕はカフェを後にした。

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自慢じゃないけどPenny Boardの走行距離は誰にも負けないと思っている。

トリックはできないけど移動距離に関しては僕ほどPennyに乗っているヤツはいないんじゃないだろうか?

この2年間、僕はコイツに乗って色んなところを走ってきた。日本では電車代を浮かすため下北沢〜渋谷間をちょくちょくクルージングしてたし、バイト時代はほぼ毎日自宅からバイト先までコイツに乗っていた。世界一周の旅に出てからもコンディションさえ整っていればガンガンPennyでプッシュをかましていた。ここチェンマイでもそうだ。

僕がDinDeeを後にしてから向かおうとした先は「Promenada」という大型ショッピングモール。最近ユニクロも入ったらしい。
僕はそこへ映画を観に行こうとした。別に映画だったらそこまで行かなくても観れるんだけど、タイではリッチな人が行くような場所みたいだ。「もしかしたらバスキングでフィーバーできるかも!」そんな下心もあった笑。

DinDeeの近くにある日本語を喋れるAirAsiaのスタッフに訊くとPromenadaはチェンマイ大学からまるっきり逆方向。僕は一旦宿に戻って体勢を整えPennyでチェンマイの車道を走り出した。

漕いでも漕いでもなかなか目的地に近づけない。

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車の一方通行などに気をつけながらずいぶんと遠回りをし、ハイウェウィをぶっ飛ばす車にビビりながらようやく見えたPromenada。

まさしく高級感漂う、お金持を持っている人たちがやって来る様な場所だった。

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平日と言う事もあり人通りもそこまでない。なによりどこを見渡しても警備員がいる。これじゃバスキングは無理だな。

日本では安い衣料品のイメージを持つユニクロもここでは値段が高い。海外に出るとブランドイメージが変わるのか...

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Pennyをプッシュしまっくってヘロヘロになった僕はケンタッキーで10バーツ(32yen)のソフトクリームを2コ食べた後、劇場内に入っていった。パーイでお会いしたコモンさんエミさんご夫妻にタイの映画体験を聞かなかったらここへはこなかったと思う。

選んだ映画はお二人とマルルさんオススメのトニー・ジャー主演「トムヤムクン2」

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あれ発音違うのな。「トムヤムクン2で!」って言ってもチケット売り場のスタッフさんに「はっ?」ってめちゃめちゃ困った顔されたもん。もちろんタイ語はわからない。だから英語の字幕。アクション映画だからおおまかなストーリーは分かるだろう。

時間になると劇場内が薄暗くなり日本と同じように映画の宣伝が流れる。そして最後の映画の宣伝が終わった後に「それ」はやってきた。

「"それ"の前になるとね、周りのタイ人がソワソワしだすの」
「知ってはいたんだけど実際に"それ"を目の当たりにすると驚いたよぉ」
エミさんとコモンさんがそのときの状況を僕に話してくれた。


「スッー...」


薄暗い劇場内で一斉に席から立ち上がるタイ人たち。

流れているのは国王様の宣伝PR映像の様なものだった。エミさんが感動すると言っていた意味が分かる気がする。音声は入らず、ミュージックだけだったが、愛国心をくすぐるような良い映像だった。

たとえそんな気がなかったとしても、みんなが席から立ちあがって王様へ敬意を表す。タイの人々の国に対する姿勢を垣間見えた気がした。

僕はトニー・ジャーの映画をたっぷり楽しんだ後、今度は別の道からPenny Boardで中心地へと戻った。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。