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「一度きりの人生を精一杯楽しむ」

世界一周240日目(2/23)

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僕の持つネパールのイメージ。

ヒマラヤやトレッキングもそうだけど、
「スワヤンブナート」もそうだと思う。

カトマンズを訪れた人はみんないくんじゃないかなってくらい有名だ。僕も日本でこのお寺の写真をネパールを旅した仲間から見せてもらって、ネパールに対するイメージを膨らませてきた。

スワヤンブナートは宿のあるタメル地区から歩いて行ける距離にある。

散歩がてら行きつけのパン屋さんで15ルピー(15yen)のプレーン・ドーナッツをかじりながら、ネパールの朝の風景を通り抜けた。

紺色の制服を着た小さな子供たち。露店の前ではお米ドーナッツや他にも様々な軽食が揚げられている。車やバイクが後ろから僕のことを追い越すと、砂煙があがるのはいつものこと。

それにしても、ネパールの犬たちは他の国の野良犬に比べてほんとうに穏やかだ。ネパールの人たちの暮らしに溶け込んでいる。

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そりゃ吠えてくるクソ生意気なヤツもいるけど、だいたいは餌づけで落とせる(笑)

路端で横になる野良犬たち。確かに彼らは飼い主はいないが、「地域犬」なのかもしれないな。それにしても犬の寝顔を見ていると和む。

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写真を撮りながら歩いて20分。
僕はスワヤンブナートの前にやって来た。

仏塔までは何段も石段が続いており、階段の下には犬や猿の姿を何匹も見た。

後から調べて分かったことだが、ここは別名「モンキー・テンプル」と呼ばれるくらい猿が多いそうだ。猿も信仰の対象になっていることから駆除もされないんだとか。でも、お猿さんってちょっと怖くない?目を合わせると「キーーーッ!!!」って発狂しそうでさ。
「ガンつけてんじゃねーヨ!」とか言ってくる自意識過剰の昔のヤンキーみたいだよ。(ねえ、そもそも「ガン」ってなんだろう?)

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石段を上っていると、高校時代のハンドボール部のお花見を思い出した。

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その時はもう既に、当たり前のように、僕以外のメンバーはみんな就職を果たしていた。(僕は世界一周の資金を集めるためにバイトに明け暮れていた)

「生田緑地」の高い場所にある桜を見に行く際、ゆっくり歩くみんなはサクサク歩く僕に対して「やっぱ世界一周に行くヤツは体力が違うよな」と揶揄するようなことを言った。社会に出ると高校生の時に走り回された「あの頃」みたいな体力はなくなってしまう。たぶん毎日の仕事の疲れもあったのかもしれない。それでも急な坂道を上っている時のみんなのしんどさは不思議に思えた。

階段の反対側から降りてくるおじいちゃん。『なんだ。こんな坂道くらい!』と言われている気がした。信仰深い人は定期的にここを訪れるのかもしれない。「や~…石段キツいっすね~...」と理解されているわけでもないのに、日本語でいいわけをする。

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3段上がるごとに少し平らなスペースがあり、急な石段が規則性を乱さず頂上まで続いている。

世界一周の旅に出て、僕は体力がついたのだろうか?

確かに移動距離は伸びたが、バスや列車、宿にいる時間、その他諸々を考えると毎日動き回っているわけではない。バイト時代より食べているし、体重も少し増えた。

今の僕はみんなのこと笑えないな。ぜえ…はあ…。

長い階段を登り切り、入場料200ルピー(205yen)を支払った。
僕はこうして念願のスワヤンブナートと僕は対面することになったのだ。

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天気は快晴。

ネパールの延々リピートする宗教ミュージックがゆっくりと流れている。鳩が気持ち良さそうに上空で弧を描いている。

『ようやく逢えましたね』
そんな感じだ。

ネパールを旅したら、必ずここに来ようと思っていた。思い入れがある分、心にぐっとくる。お腹にもぐっとくる。

はうあっ…!!!

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うぅ…、まさかここに来て…。

昨日の夜、バスキングで周りの人からポップコーンやら食パンやらスナックやら、沢山差し入れを頂いて食い意地を張ったのがいけなかった…!!露店のパニ(水)があたったに違いない。

近くのベンチに横になり、しばらく音楽に耳を傾けていた。


帰り際、丘を下るようにしてマニ車を左手で(反時計回りに)回していたら
「あんた!それ逆だよ!」とおばちゃんたちに注意された。

マニ車は側面にマントラが書いてあり、回した分だけお経を唱えたことになるという、なんとも便利な宗教グッズ。

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ということは反対に回したら逆の効果があるんじゃないかぁああああ!!!!
けっこう反時計回りに回しちゃったぞ~!!くっそ~~~っっっ...!!!そこから続くマニ車は全て時計回りに回してやりましたよ!

はたからみたら進行方向とは逆に向かって、両手を使ってまでマニ車を回すことにムキになっているただのバカ(笑)

まあ今日も僕は楽しく旅をしている。
一度きりの人生を精一杯楽しんでいる。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。