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大事なのは、何事にも興味をもつこと、前向きであること、そして何にでもチャレンジすること【レポート/ミツエ・ヴァ―レイさん】

みなさん、こんにちは!TABIPPOライターの西嶋です。

今回は自分と世界の豊かさをつくるニューノーマルトラベラーが育つ学校「POOLO」で行われた講義の様子をレポートします。

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今回は、5月14日にオンラインで行われた講義 「ハワイ州観光局の取り組みから考える、観光を通じて人生の豊かさを育むヒント」の様子をレポートします。登壇者は、ハワイ州観光局日本支局長のミツエ・ヴァ―レイさんです。

登壇者:ミツエ・ヴァ―レイさん

ハワイ州観光局 日本支局長
⽯川県出⾝、1992 年ハワイへ移住。オアフ島北東部に位置するクアロア・ランチ・ハワイでカスタマーサービス、オペレーションマネージャー、営業部⻑を経験した後、PR 会社で観光関連企業の広報活動に携わり、2000 年からオアフ観光局のアジア地区ディレクターとしてオアフ島の観光促進に従事。2011 年 a.Link,LLC に参画し、2012 年ハワイ州政府からの業務委託を請け、ハワイ州観光局⽇本⽀局のマーケティング本部⻑、局次⻑、2019 年 4 ⽉⽀局⻑に就任。

ハワイにおける観光産業の重要性

私は今、ハワイ州観光局の日本支局長として、ハワイ州のディレクションのもと、ハワイのサプライヤーと日本の業界の方々をつなぐ役割を担っています。

さて、観光産業はなぜ重要なのでしょうか。それは、観光産業はその土地の税収入に直結し、地元の中小企業にとってもプラスになるからです。

ハワイでは特に、その傾向が顕著です。住民の5人に1人が観光業に関連した仕事に就いているとされていますし、観光業はハワイ最大の税源となっているからです。

そんなハワイにおいて、私たちハワイ州観光局(HTA)のミッションは4つ。

4つの中で最も重要なのは「ハワイ州民の生活水準向上への貢献」です。観光業は、そこに住んでいる人たちの生活を向上させるビジネスだからです。

最も重視しているKPIは、ハワイ州民の満足度。ハワイに住んでいる人が、観光業をどれだけ理解して、満足するか、です。加えて、訪問者の満足度や消費高などもKPIになっています。

ハワイ州の「レスポンシブル・ツーリズム」

ハワイ州観光局の観光戦略プランは、観光局だけではなく、ハワイの観光業界の人たちや、地元のコミュニティの人たちと一緒につくったものです。

このプランには、4つの柱があります。

(1)自然保全:次世代に自然と資源を残すこと
(2)文化継承:ハワイならではのカルチャーを残し、伝えること
(3)コミュニティリレーション:コミュニティをサポートし、訪問者とコミュニティの接点をつくること
(4)ブランドマーケティング:地元にあるものをブランディングすること

そして4つの柱の下には「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」があります。レスポンシブル・ツーリズムとは、地元の資源、文化、コミュニティを理解し、その土地にどのように貢献できるかを考えながら旅することをいいます。

ハワイ州は、2016年頃からレスポンシブル・ツーリズムを推奨し、旅行者に「責任ある旅行者になるためのヒント」を提案してきました。具体的には、ハワイの自然環境や文化に敬意を払い、地元の住民に配慮してもらえるような情報を提供しています。

変化する観光の形

ハワイ州観光局では毎年、ハワイ州民の観光への満足度調査を行なっています。調査によると、残念ながら、訪問者数が増えるにつれ、州民の満足度は下降傾向にあります。

そこで、オーバーツーリズムを防ぐためにさまざまな取り組みを進めています。

たとえば、すべての州立公園で、駐車料金が有料になりました。駐車料金を設定することによって、訪問者数を把握できますし、施設の資源を守る資金源になります。

1日に7000人ほどが登るダイヤモンドヘッドも、オンライン予約制に変更されました。あまりに混雑していると、体験できる価値は半分以下になってしまうからです。

シュノーケリングスポットとして有名なハナウマ湾の事例もご紹介しましょう。ハナウマ湾では、入場者数を制限し、入場料はサンゴの生態を守る研究に充てています。入場時にエデュケーション用の動画を見てもらう仕組みもあります。

観光と自然保全、そしてコミュニティの満足度。この3つのバランスをいかに保つかが重要ですね。これからの観光は、「ツーリズムブランディング」から「ツーリズムマネジメント」へ、そして「プロモーション」から「エデュケーション」へと変わっていくでしょう。

旅行先に貢献するには?

いまハワイ州観光局が準備しているのは、グローバルキャンペーン「マラマハワイ」。「マラマ」はハワイ語で、思いやり、いたわりという意味です。

マラマハワイは、ハワイを訪れる人に「どうすればハワイに貢献する旅ができるか」を考えてもらうキャンペーンです。

貢献というと難しく感じられるかもしれません。でも、ハワイで日焼け止めを買うとき、「Reef safe(サンゴにやさしい)」と書かれているものを選ぶだけでも十分です。地元の人たちがつくったマイバッグを購入し、現地でショッピングするたびに使うのも貢献でしょう。植樹プロジェクトなどに参加しているホテルに泊まるのもいいと思います。

考えてみると、いろいろな貢献の仕方が思い浮かぶはずです。まずは、マラマハワイのプロモーションムービーを見ることから始めてみませんか。

次からは、みなさんの質問にお答えしていきましょう。

参加者からの質問

Q. どのように自分の強みを磨いていけばいいのでしょうか?

大事なのは、何事にも興味をもつこと、前向きであること、そして何にでもチャレンジすることです。

一生懸命チャレンジしていれば、必ず見てくれている人がいるはずです。自分の強みがわからないままでもいいので、とにかくいろいろなものに興味をもって、前向きにチャレンジしましょう。

仕事をしていると、失敗もあるし、大変な経験もするでしょう。でも、仕事を好きになる努力は怠らないようにしてください。最初から大好きな仕事にめぐり合うのは難しいものですが、仕事に興味をもって一生懸命取り組んでいると、楽しみを見出せるはずです。

一緒に働いている人への興味も大切ですね。「この人はどんな人なんだろう?」「どうしてこんなふうに考えるんだろう?」と常にクエスチョンをもち、相手に興味をもちながら接すると、柔軟性が養われますよ。

Q. ご自身の軸をもちながら目の前のことに情熱的に取り組み、いろいろなご縁の波にしなやかに乗っている姿が素敵です! 同時に複数のオファーを受けることもあると思うのですが、その中から選ぶ際の決め手や基準があれば教えてください。

「どんなキャリアを積みたいか」ではなく「どんな人間になりたいか」が基準です。人間としてのビジョンを常にもつようにしています。

Q. 新卒です。常にポジティブな自分でいたいと思う一方、まだまだ自分ひとりではできないことばかりで、つい目先のことに一喜一憂してしまいます。何かアドバイスをいただけませんか?

私の場合は、人が好きというのが大きいかもしれません。小さなことでも「どうやったら相手に喜んでもらえるだろう?」「どうやったら貢献できるだろう?」と考えて行動することから始めた記憶があります。

小さなことでもいいから、「ありがとう」と言われるようなことを一日ひとつやってみるのはどうでしょう?「ありがとう」と言ってもらえると気分がよくなりますし、自信につながり、自分の軸の確立につながるのではないでしょうか。


ミツエさん、ありがとうございました!

情熱的にお話しされるミツエさんの様子が印象的でした。観光はどのように変わっていくのか。私たちは旅する土地のためにどんな貢献ができるのか。これから考え続けたい問いをいただいた気がします。

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