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note53: サラゴザ(2011.8.20)

【連載小説 53/100】

昨日マドリッドからサラゴザにやって来た。

マドリッドやバルセロナ、バレンシアといったスペインの主要都市と約300kmの距離で結ばれる内陸のサタゴザは古来交通の要所であり、数々の教会や宮殿など観光地としても見どころの多い都市である。

鉄道パス「ユーレイル スペイン&ポルトガルパス」を利用して「SUGO6」の旅を続けているが、ポルトガルのリスボンから10日以内にバルセロナへ移動することになっていたから、明日の午後には鉄道旅で約2時間のバルセロナに向かう。

さて、バルセロナへ到着すると久しぶりの「DICE ROLL」デーとなるので、今後の行程を確認しながら、重要な時期にさしかかっていることに気付いた。

「世界一周」の訪問地はバルセロナ以降27の都市が残っているが、これまでの流れからすると実際に訪れることができるのは確率的に半数前後だろう。
※ここまで33の候補都市のうち訪れたのは16カ所。

その中で、今回の旅でどうしても立ち寄りたい都市があるので「Dice Free」の権利を行使したいのである。

「Dice Free」については【note.18】でも紹介したが、改めて解説しておこう。

旅する先々をダイスの出目による成り行きに任せる「SUGO6」の旅で、世界を一周する中に2回だけダイスの目を自ら決定できるチャンスを与えられるのが「Dice Free」。
訪問希望都市がある場合「Dice Roll」デーに自己申告を行い、ダイスの目を自ら指定するのだが、「SUGO6」の旅では後戻りはNGのルールがあるから申告タイミングを各自で逆算して考えておかなければならない。

僕は既に1回目の権利を5月末のミャンマー訪問で使っているから、残りは後1回。
そして、どうしても訪れたいデスティネーションとはどこかというと「ニューヨーク」なのである。


「SUGO6」に設定された今後のデスティネーションを10個先まであげると以下のようになっている。
・ローマ(イタリア)
・ジュネーブ(スイス)
・パリ(フランス)
・ベルリン(ドイツ)
・ワルシャワ(ポーランド)
・ヘルシンキ(フィンランド)
・ストックホルム(スウェーデン)
・オスロ(ノルウェー)
・ロンドン(イギリス)
・ニューヨーク(アメリカ)

目的とするニューヨークまで「10」となるとダイスの目の出方によってはあと2回で到達することになる。

例えば次回の目が「5」でワルシャワへ移動しその次で「6」が出たり、「6」が出てヘルシンキへ行き次が「5」以上だったりするとニューヨークを行き過ぎてしまうから、次々回に「Dice Free」を使わなければならないのだ。

では、うまく「1」や「2」の目が出続け、ヨーロッパの都市をゆっくり巡ったあとでニューヨークに入るのがいいのかといえばそうでもないところに「SUGO6」のシステムに内在する“駆け引き”のようなものがある。

仮にこの先ヨーロッパ大陸の5〜6都市を転々として10月後半まで滞在してしまうと、残りの北米→南米→オセアニアの旅が駆け足のものになってしまうからだ。

残された期間が減れば減るほど、今後ダイスの目に応じて旅の可能性(どの都市を訪れることができるのか)は絞り込まれていくことがわかる。

「Dice Free」をどう使うか?

まずは明日の「DICE ROLL」デーで次なる訪問地がどこになるかにかかっている。


>> to be continued

※この作品はネット小説として2011年8月20日にアップされたものです。


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