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note80: リマ(2011.11.5)

【連載小説 80/100】

ラテンアメリカを舞台とする冒険の旅がスタートした。

一昨日到着したのはペルーの首都にして政治・文化・商業・金融の中心地リマ。
同国人口の1/3にあたる800万人の人々が暮らす南米屈指の大都市は1535年にインカ帝国を制服したスペイン人のコンキスタドール、フランシスコ・ピサロによって築かれ、中心部の広場とカテドラルを核に街を広げたコロニアル時代の繁栄を色濃く残す旧市街はユネスコの世界遺産に登録されている。

日本とペルーの関係は深く1874年に南米で初めて国交が結ばれ、多くの日本人が移民した歴史を持つ。

1996年に起こった「在ペルー日本大使公邸占拠事件」やその後の亡命で話題となった第91代大統領アルベルト・フジモリやその長女で今年4月の大統領選に出馬したケイコ・フジモリの名前を挙げればおわかりいただけるように、日系ペルー人は同国社会で一定の地位を占め、数では10万人単位にのぼるらしい。

また、最近では経済面で注目を集めているのが日本でも話題の「TPP」への参加表明だ。

日本では米国との駆け引きばかりが取り上げられているようだが、そもそも「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」とはシンガポール・ブルネイ・ニュージーランド・チリの4カ国からスタートした連携協定で、そこに米国をはじめとする5カ国が加盟を申請しているのが現状の構図。

その5カ国の中に米国・オーストラリア・ベトナム・マレーシアと並んで手をあげているのがペルーなのである。

ペルー経済を支えているのは世界で上位にランクされる金・銀・銅・鉛などの鉱業と豊富な漁獲高を誇る水産業で、石油や天然ガスなどの天然資源も有望らしいから、今後環太平洋エリアにおけるプレゼンスが高まっていくことは間違いないだろう。

さて、そんなリマを起点にはじまった“冒険の旅”の行程を以下まとめておこう。

【リマ(11/3-5)】
世界遺産の市街に並ぶ歴史建造物と博物館を巡り、インカ帝国の基礎知識を得る。

【ナスカの地上絵(11/6)】
紀元前に作られた謎の地上絵をセスナで空から見学。インカ帝国に先立つアンデス文明を探る。

【クスコ(11/7-9)】
インカ帝国の都として栄えた世界遺産の町に滞在し、古都への考古学的アプローチを行う。

【マチュピチュ(11/10-12)】
「空中都市」と呼ばれるインカの遺跡で偉大な発見者の軌跡を追う。

【チチカカ湖(11/13-15)】
ペルー・ボリビアにまたがる古代湖で双胴船に乗ってインカ帝国発祥の地「太陽の島」へ。

【ラパス(11/16-18)】
ボリビアの首都に滞在。インカ帝国時代に作られた「インカの道」へも足を延ばす。

【ウユニ塩湖(11/19-21)】
「神秘の湖」と呼ばれる世界最大の塩の湖へ。

列記するだけでも冒険心が湧き上がるラテンアメリカの旅だが、20日間に及ぶ今回の旅は前記しておいたようにATJの学生スタッフ3人と共に動いているから一層楽しいものになりそうだ。

既に3日目にして僕とのチームワークが万全の彼らのことは次回に紹介しよう。

>> to be continued

※この作品はネット小説として2011年11月5日にアップされたものです。


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