016.多くを持たない幸せ
2002.6.4
【連載小説16/260】
「君たち北の民は技術を手に入れると、すぐに身の丈以上のものを得ようとする。その結果、食べきれない量の魚を得て、保存術や分配のための流通網、さらには他の人の余剰物とそれを交換するための複雑な手段、つまりはお金を生み出す。ところが効率や生産性を求めるがゆえのそれらに追われ、酒を飲む暇もない人ばかりじゃないか。こんな愚かしいことはない。我々は食糧に困ることもないし、酒を飲む時間が毎日たっぷりある」
以前ミクロネシアのとある小さな島で、