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旅先でのルーティーン

旅に出ることの目的として、日頃のルーティーンとでも言うべき生活リズムから離れて非日常を味わいたいという事がある。短い旅であればそれも一つのスタイルで良いと思う。

ルーティーンと言うとなんだか退屈なもののように感じるかもしれないけど、実は人間が無駄なエネルギーを消費しないように工夫された活動でもある。例えばいちいち毎日のように道を調べて通勤していては限りある脳内のエネルギーの浪費になってしまう。

そこで出来るだけ考えて動かずに日常生活を過ごせるように脳が適応してきてルーティーンを作り出す。こうする事で脳が無駄なエネルギーを使わないように賢く働いてくれている。半分無意識で移動していても気がついたら会社に到着しているのはその為だ。

でもこれが続きすぎると、段々とマンネリ化してきて飽きてくる。時にはルーティーンを崩した非日常の刺激が欲しくなる。その手っ取り早い手段の一つが旅だと思う。旅に出る事で手軽に非日常を体験することができるからだ。

でも長く旅をしているとだんだんとその非日常が日常になってきてしまう。こうなると普段と異なる刺激を求めて出たはずの旅がそうで無くなってしまうのだ。結果せっかくの旅の楽しさが激減してしまうことになる。これではもったいない。

僕自身、自由に旅に出れる生活を始めてからしばらくは、毎日が新鮮で刺激的だったが、ずっと非日常の生活をしていると段々と疲労を覚えた記憶がある。出会うものの目新しさにいちいち気を惹かれていたら、徐々にエネルギーが枯渇してしまったからだ。そうするとやがて何を見てもあまり感動しないようになってしまった。脳を刺激する目的で旅をしていると、こうなってしまっては本末転倒だ。だから長い間の旅ではペース配分も大切になってくる、とこの時に学んだ。

旅先は色々なものに触れるので脳は活性化するし、そのおかげで普段出てこないようなアイデアが出てきてとても生産的になれるのだけど、裏を返せば相当なエネルギーを使っているとも言える。知らず知らずのうちに脳が疲労しているのだ。だから回復させる手段を持っておかないといけない。僕の場合はそれは短距離走のトレーニングだ。

もともと学生時代はずっと陸上競技の短距離走をしていたので、その延長線上で40代の今もトレーニングをルーティーンとして続けている。もちろん年相応の強度に調整してはいるけども。なので可能であれば旅先で陸上競技場を探したり、路上で走れる坂道がないか、事前にGooglemapで見ながら滞在場所を決めている。

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2020年の秋に訪れた鳥取県米子市の東山公園陸上競技場。
大山を眺めることができるし、目の前が山陰本線なので列車も楽しめた。


僕の場合は旅先でもオンラインなどの仕事が多いので、そこまで大きくリズムが変わるわけではないのだけれど、いつもと違うグラウンドに行っても普段と同じようなメニューに取り組むと、随分と心身ともにリフレッシュするのがわかる。

これはおそらく、旅が続く生活で無意識に色々と刺激を浴びて活動的になっている頭のケアだ。いつも以上に活性化している脳に対して、特にエネルギーを浪費する必要のないルーティーンの活動を時折取り組むと、疲労が回復するのではないかと感じている。

旅先で体調を整えるために色々と試行錯誤してみたけれども、僕の場合は旅先でも普通に体を鍛える、という行為が一番の解決策になった。旅に出ていようがいまいが、定期的なトレーニングをルーティーンに組み込んでおくと、いつでもここに立ち返ればリズムを整えることができる。

長い旅に出られる際は特にしっかりと脳の疲れを取るための、ご自身なりのルーティーンを取り入れてみるのはいかがだろうか?

Tabinova:ダイスケ

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