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185系の思い出

2021年3月のダイヤ改正で東京と伊豆を結ぶ特急【踊り子】の運用から185系が退き大きな話題となった。

この車両は1981年に登場。以降、主に踊り子を中心に湘南ライナーなどでも運用されていた。信越本線の碓氷峠を超えれるように横軽対策をした200番台も上野発の列車を中心に活躍した。こちらは白の車体に緑の横帯が特徴的だった。

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            185系200番台 新特急谷川


185系はクリーム色に赤帯の入ったデザインで統一されていた国鉄特急の中で、白い車体に緑のストライプを纏った姿はとても斬新だった。以降塗装を変えることもなく、昔ながらのヘッドマークを掲げて走る貴重な特急列車として、国鉄時代の姿を今に伝える貴重な存在として登場から40年間走り続けてきた。

正直なところこの車両が特急用として登場した頃は違和感しか感じなかったが、いつの間にか馴染んで東京駅の顔としても親しまれてきた。近郊に向かう列車が発着する東京駅の中で、特急列車として特別な存在感を放ち続けてきた。

関西在住の僕はなかなか乗車する機会がなかったが、2018年に一度だけ伊東から東京まで乗車したことがある。当時すでに多くの特急列車が姿を消していて、国鉄型特急の最後の生き残りとしてその勇姿に懐かしさを覚えながら、長い年月を経てようやく乗車できる喜びに浸っていた。

正面に輝くヘッドマーク、窓を開けることができる車両に、唸りを上げるモーターの音、くず入れのレトロな字体がなんとも言えない昭和の雰囲気をそのまま今に伝えていて一気にタイムスリップしたような感覚になり嬉しかった。

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駅弁に舌鼓を打ちながら車窓を眺めて過ごし、まさに国鉄特急に乗った時の思い出そのままのスタイルを堪能できた。残念ながら乗車したのはこれが最初で最後になってしまったが、今となっては貴重な思い出だ。


速達型の列車が新幹線に変わると同時に特急列車が続々と姿を消していった。また車両もどんどん新型に置き換わり、昔の国鉄時代の名残を伝えるものは年々減少している。今回のダイヤ改正では特急型の185系のみでなく、各地で普段使いの国鉄型車両が運行から退き、時代の変化を感じさせるものとなった。

日に日に遠くなる昭和の空気感を今に伝える国鉄型列車に乗れる日も残り僅かかもしれない。

Tabinova:ダイスケ


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