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鯛鮨の思い出

敦賀駅は関西人から見ると北陸への玄関口という印象だ。サンダーバードで北陸に向かう時、琵琶湖を超えて最初に停車するのも敦賀駅だし、最近は新快速の始発着駅にもなっていて、わりと関西でもその駅名を目にする機会が増えてきた。

しかしながら実際に降りたことはまだなくて、いつも通り過ぎるだけだった。今回は在来線を乗り継いできた旅だったので、一度降りてみようと思った。一番の目的は昔食べた懐かしい鯛鮨の味をもう一度確かめてみたかった事だ。

新快速で敦賀駅に到着すると、2023年の北陸新幹線の延伸開業の準備が急ピッチで進められていた。お目当ての鯛鮨を探すべく駅のホームを見渡してみたけれど、どこにも売店がない。これはこの先の福井駅でもそうだったのだけど、この辺りでは最近は駅のホームに駅弁売ってない?のか少なくとも売店を見つけることはできなかった。ホームから移動してもどうやら改札内には売店らしきものがないので一旦改札から出てみる。そうしたら駅舎の一角にようやく駅弁を売ってるお店を見つける事ができた。でもこれだと停車中に駅弁を買ったりということはもうできないのかな。。

まだ国鉄時代だったと思うけど、子供の頃に父親と二人で大阪から金沢に旅行に行った事がある。二人で遠出したのはこれが最初で最後だったように思うけど、この時に敦賀駅での30秒という僅かな停車時間の間に、父親がホームに鯛鮨を買いに走ってくれて車内で食べたのを鮮明に覚えている。正確な味は忘れたけど、とても美味しかったということも。

この時の味をもう一回味わいたいと、心のどこかで思い続けながら30年以上経ってようやく念願を叶える事ができた。

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パッケージは流石に変わってると思うけど、味は確かにこんな感じだった。
一口食べてしっかりした鯛の食感を味わった時に、「懐かしい!」という感情が湧き上がったので多分当時とあまり変わってないのかもしれない。

結構ボリュームもあるし、これで¥1,030だとかなりお得に感る駅弁だった。

子供の時はこの後、金沢に行って兼六園やら行ったりしたけど、今になって当時の記憶を振り返った時に一番思い出すのが、この時に敦賀駅で駅弁を買いに走ってくれた父親の姿だ。

自分が食べたかったのか(笑)、僕に食べさせたいと思って頑張ってくれたのか今となっては知る由もないが、この何気ない旅先での一幕が車内で食べた鯛鮨の食感とともに、とても嬉しかった記憶として不思議と心に焼き付いている。

tabinova | ダイスケ

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