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システム

人は幸せな暮らしのためにシステムを築いてきましたが、このところ、ともすればシステムの維持のために人が犠牲になりがちです。

サイボウズの青野慶久さんが、『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』というタイトルの本を出版したのは2018年のことです。会社は「実体がないモンスター」であり、読者が「自分の楽しい人生を取り戻すように」提案しています。青野さんはサイボウズの存続を目指していない、と爽やかに言い切ります。

組織ではなく、個の時代に入りました。

新井和宏さんはeumoという電子マネーの仕組みで、お金とは本来どういうものであったのかを伝えています。
お金をデザインし直せば、次の幸せが見えてくる

2022年に公開された映画『原発をとめた裁判長』は監督の小原浩靖さんが、監督だけでなく企画、製作、脚本、撮影、編集、主題歌の作詞、ナレーションを担い、さらに宣伝と配給をも担っています。

この映画の中とパンフレットに、樋口元裁判長の判決文からの抜粋が載っています。少し長いですが引用します。

「大飯原発3,4号機運転差止請求事件判決文(2014年5月21日)より抜粋

主文

被告は大飯原発3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない。

ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである。
このことは、当然の社会的要請であるとともに、生存を基礎とする人格権が公法、司法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である。

被告は本件原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と、電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。

コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土と、そこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

また、被告は、原子力発電所の稼働がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

福井地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官 樋口英明」

いのちを真ん中に。
素敵な動きをしている人たちと関わっていきたいです。

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