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実践するドラッカー 事業編 上田惇生:監修 佐藤等:編著 2012

あけましておめでとうございます。
今年最初の投稿は『実践するドラッカー』からの抜粋です。
より平和で幸せな日々を創造する事業を応援します。

「事業の目的は、顧客の創造である。
明らかになっている顧客の欲求を満たすばかりでなく、未知の欲求も開発する必要がある。
顧客創造とは、効用の創造にほかなりません。」

PART1[理論編]
事業とは、組織に経営資源を投入し、経済価値を生み出すまでの一連のプロセスです。
その事業が有効かどうかを判断する三つの要素
1.組織を取り巻く環境:社会とその構造、市場と顧客、技術の動向
2.目的の整合性:その事業はわれわれがなすべきことなのか
3.使命を達成するために必要な強み:われわれの強みを基盤としているか
   強みとは、組織の現場で培われた、再現性のある際立った行動です。

最も優先すべきは顧客価値の創造である。顧客にとってのベストを創造する。

事業の目的は、顧客の創造である。
明らかになっている顧客の欲求を満たすばかりでなく、未知の欲求も開発する必要がある。
顧客創造とは、効用の創造にほかなりません。

未来は、いま意思決定し、行動に移したものによってつくられます。
「独自の貢献」あるいは少なくとも「差別化された貢献」を行なうことが利益の条件となる。
顧客が購入するものは、顧客価値という名の満足です。
「顧客にとっての価値は何か」という問いにゴールはありません。

販売とは、人が介在して商品を売り込むことです。これに対してマーケティングは、販売員がゼロでも「売れてしまう」状態を生み出すことです。
マーケティングとは、テクニカルなものではなく、営利非営利を問わず、顧客目線で顧客言語で話すという思考習慣そのものです。
言葉にならない思いをくみ取り、形にして見せてはじめて、「ああ、これが欲しかったんだ」となる。

顧客の現実、欲求、価値からスタートする。
あくまでも価値や満足とは人間の心の問題です。心の問題は分析してわかるものではなく、知覚して理解するものです。
何に顧客価値を認めているかは、あくまでも質的なものですので、答えた言葉のみならず、観察によって顧客を見て、現実に触れ、欲求を感じ取るという、知覚の総動員が必要となります。

予期せぬものを手に入れる。
「予期せぬもの」とは、すでに起こっているけれど気づかれていないものです。その多くが、事業に直接インパクトを与える可能性をもっています。

提供しうる価値と自らの存在意義を知る
真の付加価値の源泉は何かと追求する姿勢が、「予期せぬもの」に気づくきっかけとなります。その部分が先鋭化すればするほど、独自化は進みます。
顧客に「なくてはならない存在」と言わしめるにはどうしたらよいかということです。

「成長」の増減をトレンドといいます。これに対して次のステージに移り変わること、つまり「発展」の動きをシフトといいます。シフトとは、後戻りしない、しかも影響の大きな変化のことです。
イノベーションは第一に、新しい富の形、つまり価値を世の中にもたらします。発明や発見にとどまらず、経済価値に転換してはじめてイノベーションが起きたと言えます。
イノベーションは第二に、資源に新しい能力を与えます。新しい資源を用いるのではなく、既存の資源の組み換えが原則です。

改善とは、アウトプット一単位当たりに要する資源量を引き下げる、つまり効率の追求です。速く、安く、一定の品質のものを多数生み出すスタンスです。もう一つは継続的に品質を向上させること、つまり一定の資源でよいものを提供するスタンスです。
対して改革とは、イノベーションのことです。資源を新しく組み合わせることで、これまで以上の経済価値を組織にもたらそうとするものです。新しい価値を生み出すことを目的として、事業というプロセスを組み換える活動です。
自ら未来を切り拓く者、イノベーションを担う者、それがチェンジ・リーダーです。チェンジ・リーダーには、「体系的廃棄」「継続的改善」「成功の追求の仕組み」「イノベーション」の四つの条件があるとドラッカー教授は指摘しています。はじめの三つは、言い換えれば、イノベーションの前提条件だと言えます。
人の行動に変化をもたらし、それが最終的に経済価値に転換されることがイノベーションの目的です。

PART2[実務編]
ほとんどの経営者が未来を創造するための時間を十分に取っていないと、ドラッカー教授は指摘します。教授が示した今日行うべき仕事は三つです。
①    今日の事業の成果をあげる
②    潜在的な機会を発見する
③    明日のために新しい事業を開拓する

現在私たちが見ている事業の姿は、すべては過去の意思決定によっています。
事業そのものについての分析は、企業が「いかなる状況にあるか」を教える。
ドラッカー教授は、現在の事業の分析は「業績をもたらす領域」を明確にし、理解することから始めよと言います。
利益とは、企業活動の結果外部からもたらされた成果と、活動に伴って発生するコストとの差額概念にすぎません。
「活動」に焦点を合わせることです。コスト削減ではなく、廃棄や活動の組み換えが本質です。

事業の定義を振り返る
・その事業は使命に従っているか
・その事業は当社の強みを十分に生かしているか
・その事業は環境、とりわけ顧客の支持を得ているか

ドラッカー教授は、「誰が買うか」(顧客)、「どこで買うか」(市場)、「何のために買うか」(用途)のすべてについて検討せよと言います。
マーケティング分析は、市場調査や顧客調査をはるかに超えるものである。すなわちそれは、第一に事業全体を見るものである。そして第二にわが社の市場、顧客、製品ではなく、顧客の購入、満足、価値、購買、消費、合理性を見ようとするものである。
分析の目的は、ビジョンと方向性を与えること

差別化の源泉は、企業独自の知識にあり、それは製品・サービスや仕組みとして結実しています。
知識とは、机上のものではなく、人間が行動した結果、得られるものです。言葉をかえれば、失敗と成功の経験の蓄積でもあります。一人ひとりの人間の能力が共有され、蓄積されると組織の知識・強みとなり、それが卓越性を実現します。

まず、廃棄せよ
意識して非生産的なものや陳腐化したものを捨てている組織が、新たな機会に不足することはない。

予測はしない、いまを視座高く観る
使命の再確認を行う
使命を実現するためのビジョンを描く
使命に基づいて小さな行動を始める

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