[アンニュイ・メトロ]

アンニュイメトロが２分後に
また息を止めて駅を出る
扉吐き出した 窓越しに
見つめたって奴ら 戻れないさ

図体ばかりのビルディング
猫も杓子もみんな背比べ
誰がため 床面積 延べ
夜に駆け出せば同じことさ

だけど奴らは 知らない
扉を出たって 見えないまま
敵味方さえおぼつかない
メトロポリスを出られない

ノーウェアボーイ ただこの世で
罵倒と光化学のガス部屋で
１つ噛み跡を 拭っても
メトロポリスから逃げられないさ
金持ち共の人の波
縋りながら 妬みながら
ノーウェアガール お前の欠片 また
嫌になる音が鳴り響く

どこで-どこまで行ったって
誰に-誰も助けやしない
何を-何が触れても最後
メトロポリスからは逃げられないさ

アンニュイメトロは空を見る
しぶきが窓に纏わりつく
悲しみのかけらも残す気はない
何色だろうと構いやしない

ノーウェアボーイ ただこの世で
メシアとバクテリアの餌場で
１つ噛み跡を 拭っても
メトロポリスから逃げられないさ
貧乏共の人の波
蔑みながら 救われながら
ノーウェアガール お前の欠片 また
嫌になる音が鳴り響く

どこで-セルが並んでる
誰に-その目 俺を見てる
何を-手に入れた今日でもなく
行きつく満員のアンニュイメトロ
蝕まれるこの身が今日朽ち果てるかと
待ち望む

退屈だなんて生ぬるい言葉に
吐く唾もない程 渇いた俺は
愛だなんだと生ぬるい言葉に
望みをかけては体を濡らす

呼吸を諦めて駅を出る
久々の青空は泥の味
いくら吸ったって変わらない
メトロポリスからは逃げられないさ

ノーウェアボーイ 合わせ鏡
逆立ちしたって俺とお前
夜に駆け出して放り投げたって
メトロポリスからは逃げられないさ
日暮里の人混み掻き分けて
２分後にはモヌケの奴隷船
ノーウェアガール お前の欠片 また
嫌になる音が鳴り響く
アンニュイな警告が鳴り響く

メトロポリス(鉄道警察)っていう洒落ね　　　台無し？あぁ、そう。