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[消すしかないもの]

ねぇ あなたの言葉で
背ナは何度だって折れた
折れた音を聞いたら
怯えた顔をするくせに
ねぇ あたし時々ね
手と手を空っぽにするの
寂しさが嬉しいの

べに色を膨らませたような風船は
針を刺した刹那 始まって終わるのに
曇りないあなたの瞳に取り憑かれたら
十字架が手招きをする

軽率な気まぐれが欲しいとか そんなことない
えぇ だって ふたり 水音がスローモーション
優しく すべりそうな身体をあずけたら
何よりも守られていたよ

ねぇ あなたの言葉で
幸せで何度でも埋めつくして
埋められてしまったわ
言いたかった秘密さえも
ねぇ あたしの糸に
手が触れると嬉しいよ
嬉しさが寂しいよ

べに色が膨らめば あなたは笑う
曇りない笑顔を 今は何よりも隠したくなる
素直を演じられなくて ごめんね

喧騒が視界すら奪うとき あたしは消える
えぇ そうね 何もかもが あなたを拒む言葉
おはよう 夢のような時間から覚めても
あなたから守られていたい

ねぇ あなたの言葉は
これ以上 何を壊すの
何を差し出せば あぁ
とびきりの愛が許されるの
ねぇ あたしを忘れなよ
あたしだけが知らない事をしてよ
嬉しくて寂しいよ

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