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[ブルーサイダー]

語るに及ばぬ 小僧の暮らし
僕のなんて特にそう
食事ばかり楽しいので
体重はとうに 大台に乗る

小難しい本を持ち歩いては
分かった風で 開いて閉じて
その「ありがとう」の魂胆を
少し疑ってしまうよ

見違えるような暮らしも きっと
何度か あったけど
例えば君の歓声を浴びた日は
とうにもやの中

哀しげな日々ならば
落ち込み続きの毎日ならば
愛おしい その予感たちに
言葉を添えて今 微笑みかける

帰る先は 明日も明後日も
変わることなく六畳間
窓がぽろり 水をこぼしても
夜半よわの寒さも 他人事のよう

見渡せば僕ら 喜びだらけ
打率にしたなら三割六分
残りの凡打や三振を 人は
不幸と呼んじまう

哀しげな日々だって
落ち込み続きの毎日だって
恨めしいその予感もきっと
シナリオを歩く途中
優しげな瞳を
無限に大きな掌を
持ってるような偉人もきっと
この道の先に

見違えるような暮らしも ずっと
明日に欲しくはない
例えば君の歓声よ さあ
過去になり響け!

哀しく明ける夜だって
落ち込み仕舞いの夕焼けだって
馬鹿らしいサイコロひとつ
転がる程度のものだから
哀しげな日々ならば
落ち込み続きの毎日ならば
懐かしい あの予感たちに
「そっくりだな」と微笑みかける

窓がもうじき乾いたら
外は変わらず太陽の香り

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