[Blue Sky Screen]
気まぐれに上った
丘の上 少しだけ背の高い 草をよけて
竦む崖の岩 そのギリギリまで
地平は霞まずに
見晴らして 郊外から都心へと
空の下 溺れそうなビルを数える
新しい夏の景色と
あの日を切り貼りながら
描いた絵空事を
風が攫ってゆくような
見知らぬ人々の暮らし渦巻く
この街の僕に生きがいひとひら
瑞々しい青空が
スクリーンだったら
光の速さ あなたの 一瞬きりの
想いを ああ 見つけられるかな
しなやかなあなたの手
追いかけた夏を
年月に流さないでと
一羽のアゲハ