世界地図で白抜きの場所【19.西サハラ🇪🇭】
アフリカ大陸の西側に、世界地図では白抜きになっている場所がある。そこは西サハラ。1975年のスペイン撤退後、帰属問題で独立派や周辺諸国と争いが絶えない。
隣接するモロッコに実行支配されているが、アフリカ連合にサハラ・アラブ民主共和国として加盟しており、国家として承認する国もある。
日本からはドバイなどを経由しモロッコのカサブランカへ飛び、国内線に乗り換える。
滞在中はモロッコの雰囲気を感じることが多かった。モロッコがモロッコ国王のために作った美しい広場があり、マーケットではモロッコから届く食材や日用品が並ぶ。
西サハラの人々はモロッコと混同されるのは嫌い、独立派のテロ行為は今も続く、と聞いていた。モロッコ人ガイドの身を心配したが、彼は現地のドライバーと互いの故郷の話で盛り上がり、出会う人々にも堂々と「モロッコから来たよ」と言う。
すると皆「遠いところよく来たね」と歓迎した。本当は譲れない思いがあっても、人は心でつながることができるのかもしれない。
西サハラは全体がほぼ砂漠だ。車で少し走ればすぐにサハラ砂漠と出会う。青い空が砂漠によく映え美しい。
スペイン領だった旧市街地は素朴で、アラブの独特な雰囲気が漂う。今のこの平和が守られることを祈るばかりだ。
2016年11月4日✍️西日本新聞社夕刊コラム
「珍国に恋して」より