彼は如何にして印度國民となりし乎――映画『RRR』について
*この記事は以前のアカウントで公開していたものを、書式を改め、再公開したものです。
圧巻の舞台装置、映像効果、大迫力のスタントに、インド映画的な歌と踊りで迎える大団円― インド映画史上最高額の制作費を投じて制作されたこの映画は、それに見合う以上の完成度を持った、巨編に仕上がっている。誇張でなく、インド映画の粋を見た、と感じた。
ところで、この作品は、英雄的な主人公たちが活躍する叙事詩的な物語でありながらも、また一方で、観る者に帝国主義と国家主義というきわめて近代的な問題