【武者修行プログラム体験談】変態途中/早稲田大学/澤地珠妃
プログラムが終わる最終日、「あなたは変態しましたか?」というファシリテーターからの問いに、私は「はい」と答えませんでした。答えられなかった、というよりは、答えなかったのです。むしろ自信をもって「いいえ」と答えました。私の変態はこれからだ、という確信があったからです。では、私はこの2週間のプログラムで何を得たのか。今の自分の限界を自覚し、また、生き方の選択肢を増やすことができたと、今私は振り返っています。
全力で取り組んだ2週間
このプログラムでは、3,4人でチームを組んでビジネスを組み立て実践します。誰かにお膳立てしてもらえるでもなく、自分たちで地域の課題を調べ、ニーズを調査し、企画し、必要なものを手配し、お客さんに売り、結果を出す必要があります。初めて挑戦することばかりで、不安でしりごみしそうな場面も多々ありました。それでも覚悟を決めて、自分たちの企画を採用してもらえるように寝るのも惜しんで邁進しました。しかし、結果不採用。私たちのチームのビジネスは、評価されませんでした。地元の人にたくさん助けてもらっていた分、採用されなかった自分の力不足を痛感し、涙が止まりませんでした。
足りなかったもの
プログラムを終えて振り返ってみて、何が不採用を招いたのか、何が自分に足りなかったのかを考えると、本質的な原因に、他者が何を思うか、ということにあまり関心がなかったことが挙げられました。だからオーナーさんに響くプレゼンができなかった、地元の人が一番求めているものを探ることができなかった。そのことが特に顕著になった武者修行中のエピソードをお話しします。
企画の中間発表の際に、それを終えた感想を聞かれる機会がありました。自分でも整理しきれていない感想をそのまま伝えたら、話の途中でファシリテーターに「話が長い」と遮られ、「結論ファースト後から理由」とアドバイスをされました。
後から振り返ってみると、話し方や全てを伝えきりたいという私の意識に問題があったのではなく、その指摘の本質は、相手が何を求めているのかを考えながら、自分の考えを伝えることが大切なのだ、ということだと思っています。優先順位を考慮して、そこまで重要ではない感想は省くべきでした。他にも、地元の方にアンケートをするときの質問の投げかけ方が分からなかったり、チームメンバーの本音が分からなくなったり等、他人が何を考えているか、何を求めているのかを読み取れていなかった場面は多々あったと思います。
武者修行を終えた今
武者修行を終えて、他者が何を考えているか、何を求めているかを考えられない、という今の自分を自覚したことは、新しい生き方の選択肢を得る初めの一歩になったと捉えています。他者が何を考えているのか、何を求めているのかに今まで以上に関心をもち、読み取ることができるようになれば、何か自分が役に立てるような場が生まれるかもしれない。あるいは、自分の考えがガラッと変わるような考えに出会うかもしれないと思うからです。そのような期待のもと、今は旅武者のインターンやサークルの幹事長の仕事を通じて、他人の本音を読み取り自分にできることを探そうと、挑戦している毎日です。他人の本音を読み取るようになった私がどのように変態しているのか、不安と期待が入り混じっています(笑)
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