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(9/9)台風直撃の中、新たな旅の仲間を加え、イグチさんとふたたび九州を行く 2017年9月15日(金)-18日(月)

イグチさんと宮崎の夜を過ごし、旅の仲間はイクヤさん、ツッチさん、ユッキーさん、わたしの4人となり、九州を離れることになります。
名残惜しさはあるものの、やはり家に帰れるということは、ほっとするものです。ましてや台風の影響もあったので、家族たちは心配していたと思いますので、まっしぐらにそれぞれの家を目指します、、、というわけにもいかず、しつこく呑み続けます。
注)2017年9月の記事になります。


◾️博多で鰻をいただく

宮崎の朝はからりと晴れていました。前の晩に、イグチさんとお別れしていましたが、旅は家に着くまでが旅なので、もう少しだけ今回の旅も続くのです。

午前7時にホテルを発ったわれわれは、レンタカーで高速道に乗り、熊本経由で福岡を目指しました。途中のPAで「日奈久の竹輪」を食べたりお土産を買ったりしました(竹輪はとても美味しかったですね)。
ユッキーさんは完全に二日酔いのようで、車中でずっと眠り込んでいましたた。台風が去り、本当に天気が良く、昨日までの悪天候が嘘のように思えました。

旅の思い出などを語り合いつつ、あっという間に福岡に到着。レンタカーを返却し、いろいろネット検索で良さそうな店を探し、博多駅近くの「KITTE博多」の10Fにある、「うなぎ料理江戸川」で鰻でも食べましょうかという話になりました。

そのころにはユッキーさんも完全復活し、鰻重を美味しそうに食べていたのですが、アルコールを受け付けるまでには至っていないようでした。

鰻巻きを食べ、ビールを吞み、肝焼きを食べ、日本酒を呑み、お吸い物を飲み1時間ほど過ごしましたが、これから九州を後にするという実感は、まったく湧きませんでした。

ツッチさんは、福岡空港で古い友人(女性)と会うことになっていたので、空港でいったん別れ、後から合流することになっていましたし、ユッキーさんも経営する飲食店の従業員へお土産を追加で買うとのことなので、やはりいったん別れ、イクヤさんとわたしの二人が残されました。

ツッチさんが会う友人が、どんな人なのか気になりました。ましてや女性というではないですか。なので、イクヤさんがストレートに、聞きにくいことをツッチさんにぶつけました。

「ツッチさんさあ、その“ともだち”ってのは、昔付き合ってた人とかっていうオチはないのかね」
「(ツッチさん真顔で)いや、まっっっっっったくないですね」
「(イクヤさんとわたし)・・・・・・ちっ、つまんな、、、」

◾️福岡から仙台へ、仙台から盛岡へ

そうこうしていると、「なんもすっことねーから、とりあえず手荷物検査済ませて、一杯呑るか」とイクヤさんが提案し、それもそっすねーと従うことにしました。

手荷物検査を終え、缶ビールを買い求め、イクヤさんと搭乗ゲート付近でビールを呑みつつぼーっとしていると、ツッチさんとユッキーさんが合流し、いよいよ帰りのフライトとなります。

飛行機に乗ると、隣のユッキーさんは座席に着くなり眠りに落ち、わたしはiPadにダウンロードしておいた映画を観ました。

飛行機はトラブルなく仙台空港に到着です。あとは新幹線に乗り、盛岡に到着するという行程でしたが、イクヤさんだけは、盛岡から秋田某市までバスで1時間半という行程が残されていました。

が、調べると、盛岡に到着して10分後に、そのバスが出るということがわかり、盛岡駅で行う予定だった解散式が行えなさそうなので、急遽、仙台駅で解散式を行うことにしました。

仙台駅、エキナカのすし通りにある鮨店で乾杯し(ユッキーさんもようやくアルコール摂取可能になっていました)、刺身と鮨とちょっとしたツマミを取り、ビールと熱燗で解散式です。
台風もあって疲れたけど楽しい旅でしたなあ、などと語り合いながら呑む「一ノ蔵 無鑑査」の熱燗が胃に沁みました。

解散式の後、仙台駅新幹線のホームへ向かうと、なんと帰りの新幹線が遅延となりました。どうやら本州においても台風の影響が出ていて、全ての列車が遅れ気味のようでした。

「イクヤさん15分の遅延ですって」
「うむ、ということはだな、ちょうどいい秋田方面行きのバスには乗れないということだ」
「のようですね、どうします?」
「次のバスは予定していたバスの1時間後だからな。ウン、盛岡で解散式の仕切り直しだな!」
「りょうかいです!!」

そして無事、盛岡に到着です。前回の九州旅と同様に、盛岡駅の「キリンシティ」に入り、「熊本あか牛の旨塩焼き」を食べつつ、再び解散式を執り行いました。

「じゃーなー!」と、イクヤさんは、解散式の途中でバス時刻がきたため、店を後にします。
その後ろ姿に、「乗り遅れても再合流できるように、20時まではここにいまーす!」とわれわれは声をかけましたが、イクヤさんが戻ってこないので、無事に乗ったのだなと安心しながら、本当に本当に解散となりました。

疲れたけれど満足感一杯。まさにそんな表情をたたえながら、ツッチさん、ユッキーさん、わたしは盛岡駅でお別れしました。

次はいつ行こうか、次はどこに行こうか、次は誰に会えるんだろうかという期待を胸に、それぞれの帰路に着いたのでした。

◾️そしてユッキーさんとの後日談と旅から学んだこと

「ユッキーさん、九州旅行どうでした??」

わたしは、いつものようにユッキーさんの店のカウンターで燗酒を舐めながら、同じくカウンター席に座るユッキーさんに聞きました。

そのユッキーさん、前の日に県内某蔵の稲刈りへ行ってきており、そして昼から燗酒を浴びるように吞んできて、まだ酒が残っているとのことで、若干お疲れモードのように見受けられた。

「ユッキーさんは弾けるかなーって、思ってたんですけどね」

少し具合の悪そうなユッキーさんが感想を述べる前に、わたしはそう続けた。

「いや、さすがに今回は台風が来ていて、毎日朝も早かったので、抑え気味でしたねー」と、ユッキーさんはソーダ水をぐいと飲みながら答えました。

ユッキーさんの顔が赤らんでいましたが、これは酒のせいではなく、稲刈りの際の日焼けだったようです。

「(台風で)どうなるかわからない状況だったじゃないですか、だからあまり羽目を外して、迷惑をおかけするのもどうかと思いまして、、、」とユッキーさんはそんな風にも語っていました。

そうなのです、台風がやってきて不安も大きかったですが、イグチさんのおかげで「うまく台風と付き合うことができた」旅とも言えたのではないかと思います。

台風が来るとわかるや一斉に店じまいし、台風が去ったとなると、やはり一斉に店を開ける大分や宮崎の人々。

まだ風も雨も弱いのに、あまりにはっきりとした対応をする人々を目の当たりにしたわれわれは、初め「なんと大袈裟なんだろう」と思ったのですが、徐々に強まる雨風を体感すると、その対応が正解だったのだと気付かされました。

台風が来るとなると、人々は家から出ようとはしないし、店員は無理して出勤するリスクを減らすことに徹底しているのです。非常に合理的です。

こういうはっきりとした対応を取る点は、もう少し東北の人間も見習うところがあるんだろうなと感じます。台風でも大雪でも、生真面目に商売をされている店も盛岡でも見かけることがあるが、それはそれで心構えとして素晴らしいと思いますが、生命財産に危険が及ぶようならば、リスクを避けていいように思えます。

かの大震災で被害を受け、十分に痛い目に遭っているわれわれだからこそ、これからも災害と向き合うことが必要なのだろうと、改めて感じました。

台風を通じて、楽しいことだけでなく、学ぶこともある旅でした。意義深い旅にすることができました。

なにはともあれ、次こそはユッキーさが弾けるのを楽しみにしていたいと思いつつ、次の旅の妄想を膨らませるわたしであったのでした。

(おわり)

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