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【8/9】三ヶ月ぶりの旅は名古屋! 大歓楽街の酒場をゆく「気になりすぎる伏見のバー『BAR伏見蒸留館』でヴィンテージボトルを楽しむ」

知人と別れ、わたしは伏見駅方面を目指します。目的地は、前の晩から気になっていた「BAR伏見蒸留館」です。「70〜80年代のヴィンテージボトル専門店」という謳い文句、最高に痺れます。そして、名古屋旅もいよいよ終盤に差し掛かっていました。

昭和感漂う名酒場「田分一(たけいち)」を後にし、新栄から栄方面を歩きます。少し前まで同行していた知人は、翌朝早くから車を運転しなければならないから早めに切り上げる、といって地下鉄で帰っていきました。

わたしは一人、にぎやかな歓楽街の雰囲気を楽しみつつ伏見駅方面へ歩きながら、ほろ酔いの心地よさも一緒に楽しみます。旅先のこの瞬間、なんとも言われぬ開放感があってたまりません。

さて、15分ほど歩き、目的地の「BAR伏見蒸留館」に到着です。扉を開けて店内へ進むと、カウンター席に先客の男性が一人でグラスを傾けていました。

バーテンダーらしき50代ぐらいの男性と目が合い、「こちらをどうぞ」とカウンターの端の席をすすめられ、腰を下ろします。立ち振る舞いから、この人がおそらく、マスターなのでしょう。店内には、マスターのほかにバーテンダー用のユニフォームを着たアルバイトらしき女性スタッフが二人です。

まずはマスターから店のシステムを紹介され、3,300円の「蒸留館Aコース」を選びます。メニューには、「初心者チャレンジコース」と書かれていましたが、メニューにあるすべてのヴィンテージボトルが2時間呑み放題のようで、3,300円はちょっとお得すぎます。

喉が渇いていたので、まずはジントニックを注文すると、「ライムはフレッシュではなく、ジュースを使いますがよろしいでしょうか?」とマスターが事前に確認してくるところに誠実さを感じます。

ジュースを使ったジントニックであっても、味わいはしっかり本格派で、乾いた喉を癒してくれ、心も体もこの一杯でリフレッシュできました。

フィンドレイターズ/ファウンダーズ

ジントニックを早々に呑み干し、1980年代中頃のものだという「サントリーオールド 特級」を注文します。まずはジャパニーズウイスキーをいきましょう。

「氷を一つ入れて試してみてください」とマスターが、テイスティンググラスに30mlほど注ぎ、小さめの氷を一つ入れます。氷が溶け始めると、徐々に柔らかい甘味が滲み出してきて、なかなかの美味しさです。さすが、まだまだ原酒ストックが豊富な時代の酒だからでしょうか、しっかりとした芯を感じます。

お次はスコッチウイスキーをチョイス。「フィンドレイターズ ファウンダーズ」をいただきます。シングルとかピュアではなく、ブレンドです。軽いモルト感と程よいコクがあり、スマートで呑みやすいウイスキーで、「日本向けの一本ですね」とマスターから教えられます。

なぜ、このようなヴィンテージボトルのウイスキーの店を営業できるのか、いや、なぜ、こんなにヴィンテージボトルを揃えられるのか、そのあたりをマスターに尋ねると、丁寧に店のコンセプトと酒の仕入れについて教えてくれました。

「古いボトルは必ずしも良い状態で保管されていたものばかりとは限りません。ですが、なるべく良い状態のものを提供し、一人でも多くの方にヴィンテージボトルの世界、古いお酒の世界や良さを知ってもらいたいのです」とのことでした。

ベル特級

さらにスコッチウイスキー、こちらもブレンドですが「ベル」の特級で陶器ボトルです。さすがイギリスで「ナンバーワンウイスキー」と呼ばれていたこともある一本。柔らかな口当たり、スムースな喉越し、程よい香りで安定感のあるウイスキーです。

珍しい一本

続いて、見たことも聞いたこともないジャパニーズウイスキーを注文。協和発酵がかつてリリースしていたという「ダイヤモンド・ウイスキー」です。

マスター曰く、かつて、ウイスキーを贈答に使っていた時代があり、もらったウイスキーを開けずに取っておき、そのまま今の時代に残っているというケースがよくあって、そういう「気づけば残っちゃったウイスキー」が、市場に出回ってきているとのことです。

で、この「ダイヤモンド・ウイスキー」はバランスが取れた優等生的な味わいで、水割りやロックで飽きずに呑めそうな一本です。強い個性はありませんが、日々の晩酌でも良さそうなウイスキーです。

〆の一杯

気づくと何組か客が入ってきて、徐々に店内がにぎわってきたので、わたしもそろそろ〆にしようかと、「本日のコニャック」を注文します。

マスターに選んでもらったのは、「メルレ ブラザーズブレンド」。芳醇な甘い香り、柔らかなアタック、品の良い甘み、心地よいアルコール感と、非常に呑みやすいコニャックで、ちびちび味わいながら呑み進めます。

そして会計です。ノーチャージ、ノーフードで、6杯呑んで3,300円という破格の料金。前の晩の「Anoter You」も最高でしたが、こちらも違った個性があって最高ですね。

そうそう、休止しているようではありますが、YouTubeチャンネルもあるようですので、そちらもご覧ください。「BAR伏見蒸留館」の魅力がうかがい知れるでしょう。

(つづきます。)

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