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【盛岡呑み歩き】東京から愉快な旅の仲間・uniさんがやってきたから、盛岡で酒場5軒ハシゴしてみた。 2024年6月27日(木)

2019年7月に東京で、宮崎の友・イグチさんともう一人の愉快な旅の仲間・uniさんと、三人で老舗酒場を一緒に呑み歩いたことがあったのですが、そのuniさんが久しぶりに盛岡にやってきたので、二人で盛岡の酒場を堪能しました。

わたしが旅をしたわけではないのですが、uniさんの旅の1ページにわたしも同行したということになるので、旅枠「仲間たちとの旅」として、呑み歩きの様子をnoteにまとめてみました。


⚪️uniさんがやってきて、心踊る酒場巡りの始まり

6月の半ば、ジョギングをしていると一件のメッセージ。なんと、東京にお住まいの愉快な旅の仲間・uniさんからです。6月末に盛岡を訪れるという内容でした。

uniさんといえば、2019年に宮崎の友・イグチさん、わたしの三人で、東京三大酒場のひとつ「鍵屋」を皮切りに、同じく東京三大酒場の「シンスケ」、そして上野のディープコリアン酒場「上野ソルロンタン」と痛飲ハシゴ酒をして楽しんだことがあったわけですが、実際のところ、uniさんとイグチさんとは、もっとずっと前からの古い仲間であります。

なお、東京で呑んだときの様子は以下のnoteにまとめてあります。

その後、コロナになるまでの間、盛岡にゆかりがあるuniさんは何度か盛岡にいらしたので、2回ほど、uniさんとわたしは二人で呑んだものです。

一度は内丸・桜山界隈の串焼き屋、もう一度は河南界隈のディープゾーンで一見客や観光客が足を踏み入れない「ウラハチ」と呼ばれるあたりで呑みました。

そして月日が流れ、久しぶりに再会するときがやってきましたのです。最後にお会いしてから、4年ぐらい経っているでしょうか。

uniさんが盛岡にやってくるその日、わたしは万難を排するために休みを取得して早めに仕事を切り上げ、待ち合わせ時間までの時間調整を兼ねて、久々に内丸・桜山の「浅沼商店」を訪れました。

くいーーーーーっ! と流し込む!

まずは、なにはなくとも生ビールです。店主のツルさんにオーダーを飛ばすと、すぐに生ビールがサーバーからグラスに注がれ、「はいよ」っと冷え冷えのビールをカウンターに置かれます。

はいはい、これこれ、夏はこれだよ、と一気に半分ぐらい生ビールを喉に流し込みます。梅雨に入ったばかりの盛岡でしたが、この日はからりと晴れていて、30度近くまで気温が上がっていました。

生ビールは350円。ツマミを取ろうかどうか迷いましたが、この後のuniさんとの合流を考慮に入れて、もう一杯だけ生ビールをお代わりし、ツルさんと世間話をしつつビールを呑み、20分ほどの滞在で切り上げました。

⚪️uniさんと合流、盛岡駅前の老舗酒場「いこい」で

「17時に『いこい』集合で」とuniさんと約束していましたので、「浅沼商店」から15分ほど歩いて盛岡駅方面へ移動です。足早に「いこい」を目指しましたので、すぐに体が汗ばんできて、体が冷えたビールを欲しはじめます。

暖簾がゆらゆら揺れる

「いこい」は、わたしの記憶が確かであれば、2024年時点で60年を超える歴史を持つ老舗酒場だったと思います。

丁寧に炭火で焼いた焼き鳥を楽しみながら、瓶ビールを1本2本呑んで小一時間滞在するのがちょうどいい、シンプルで素朴な酒場です。

そうこうするうちに「いこい」前に到着し、一足早く着いていたuniさんと「いやはや、久しぶりですねー」といった具合で合流です。

そして、目の前でご主人が暖簾がかけ始めた「いこい」に入店し、「もういいですか?」「はいはい、どうぞどうぞ」と女将さんに迎えられ、カウンターの右端へ座らせてもらいます。

ビールは中瓶「キリン一番搾り」をもらい、グラスに注ぎあって、「さあさあ」「どもども」「かんぱーい」といった具合でぐいぐいっとビールを呑みます。

お通しは胡瓜浅漬けと白菜のキムチ風浅漬け。これをつまみながら、焼き鳥が上がるのを待ちます。

焼き鳥

焼き鳥は、レバー、皮、ナンコツ、カシラをタレで。七味やら一味やらをぱらぱら振りかけて、食べすすめますが、これがまた旨い。タレの甘さが絶妙で、一気に平らげてしまいそうになります。

さてさて、uniさんの今回の旅ですが、東北の4つの都市を電車で巡っておられ、盛岡は2つめの目的地。山形は酒田市、岩手は盛岡市、そして宮古市、最後に宮城は気仙沼市を巡り歩くとのことでした。

そして面白いのがその旅程。想像できないルートの電車の乗り継ぎ方をされており、ユニークすぎて、絶対わたしには真似できない旅のようでした(笑)

ちなみに「いこい」はuniさんのセレクト。一軒目にこういう酒場を選ぶところ、uniさんのセンスは相変わらず流石です。わたしも盛岡を目指す旅人だったら、「いこい」は外せない選択肢のひとつでしょう。

身欠きニシン

ツマミは他に、酢の物でワカメ、焼き物で身欠きニシンを注文です。こういう渋い酒肴を楽しめるのが「いこい」の良いところ。しっかり脂乗りのいいニシンに、味噌をなすりつけて食べるとビールが進みます。

近頃、盛岡もいわゆる「ネオ酒場」「ネオ大衆酒場」というジャンルの店が増えていて、垢抜けて敷居が低い内外装、人気銘柄日本酒や洒落たドリンク類、こだわりある酒肴などを揃え、いわゆる「酒場」に対するハードルがぐっと下がっていて、店選び・店探しにはあまり苦労することがなくなってきました。

が、その一方で、この「いこい」のように、旧来からの酒場の原点のような店はどんどん減っていて、盛岡においても指折り数えるぐらいしか残っておらず、しかも「いこい」が立地しているのは、少し北の外れた方にはなるとはいっても、ナショナルチェーン店が集まる競争激しい盛岡駅前であり、変わらず集客し続けているというのがすごいことです。

なお、「いこい」は店内撮影禁止となっていました。どうも、人が入り込む画角で写真やら動画やらを撮影する客がいるようで、そのようにしたとか。

なので、料理だけ写すのは構わないとのことでした。これは、われわれ客が気をつけなければならないことです。

⚪️uniさんがホヤに歓喜する、絶品燗酒と湯割りの「わしゅ」へ

さて、二軒目はきっちり旨い酒を呑みましょうということで、大通の裏通りにある名店会館の一階「わしゅ」の暖簾をくぐります。

uniさんは燗酒を所望され、山形の「羽前白梅」が供されます。その酒を一杯二杯呑み、uniさんは「いやー、美味しいですねー」と店主・照井さんの燗酒に感激しつつ楽しんでおられます。

わたしは少し喉が乾いていたので生レモンハイ。酸味が効いた味わいで、口の中をリセットします。

宮城三陸のホヤ

お通しは干したホタルイカ。これを画像下に写るライターでじりじり炙ってつまみます。ホタルイカが焦げる匂いが食欲をそそりたまりません。

「ホヤがあるじゃないですか! ホヤ、食べたいです!!」
「今日のホヤは宮城のモノですが、今の時期で獲れる中ではかなりいいです。仕入れのお値段の方もなかなか良かったですが(笑)」

東京では美味しいホヤになかなかお目にかかれない、というuniさんが黒板のメニューにあったホヤに素早く反応し、声を出し、それに店主・照井さんも応えます。

「んじゃ、照井さん、オレはカツオ喰いたいっす。前に出してもらった三升漬け入りマヨネーズで」
「はい、わかりました」
「あ、あと銘柄はオススメで優しいぬる燗をください」
「はい、ありがとうございます」

さて、出されたホヤは、これがまた照井さんが「かなりいい」というだけあって、風味・食感ともに上々。まだ季節が早いので、少し味わいに渋みが残りますが、もっともっと夏に近づくと、これが旨み・甘みに変わって、そのときホヤの味わいは最上級に達するでしょう。

カツオ

照井さんが出してくれたぬる燗は、福島の「写楽」。これがもう、丸くて柔らかくて、オーダーどおりの「優しいぬる燗」です。このあたり、「わしゅ」の酒場としての実力がはっきり出てきます。

で、早速カツオを三升漬け入りマヨネーズでいただきます。ねっとり甘いカツオの身に、ぴりりと辛いマヨネーズを絡ませると、なんとも言えぬな、刺激がありつつのまめかしい味わいになり、酒が止まりません。

わたしは前に一度この食べ方を教えてもらい、それ以来、カツオにマヨネーズの美味しさに目覚めましたが、やはりポイントは三升漬けでしょうか。

「漁師さんって、カツオをけっこうマヨネーズで食べるらしいんですけど、三升漬けを加えると、また旨くなります」と、照井さん。

そしてその三升漬けとは、醤油・麹・青唐辛子を一升ずつの分量で漬け込んだ、北海道から東北にかけて食べられる保存食・調味料のことですが、三升漬けのような郷土食を楽しめる酒場も、寂しいことにどんどん減っています。

最高のお湯割り

絶品燗酒と酒肴を楽しんだあとに、「松露」のお湯割りを作ってもらいます。照井さん、燗付けだけでなく、お湯割りを作っても最高の腕前で、他の酒場で照井さん並のお湯割りを味わえることはなかなかありません。

この日のお湯割りは特別に、宮崎の友・イグチさんとの思い出が詰まったグラスを使ってもらいます。

「温度が下がっても、美味しさは変わらないと思います」と照井さんがいうとおり、最後の一呑みまで味わいの深さや甘みは変わらず驚きです。照井さん、さすがのお手並みです。

⚪️uniさんが「八まめ」で三味線を聴き、カクテルを呑む

八まめ

「わしゅ」で絶品酒肴を堪能したわれわれは、少し落ち着ける店を求めて内丸・桜山を訪れます。

お目当ては「八まめ」。若い女性店主が優しく迎えてくれる、昼はあいがけカレーの店、夜はバーになる桜山のオアシスです。

たぶんuniさんはこういう店を喜んでくれるだろうな、と思ってお連れすると、「お、こちらはまたいい店ですねー!」とuniさんが一声。

しかもこの夜は、二階で三味線のお稽古をしている方がいて、それが耳に心地よく、酔いがいっそういい具合に回ってきて、最高の気分になります。

エルダーフラワーリキュール「GIFFARD」

uniさんは「GIFFARD」のトニック割りを、わたしはビールに戻って「サッポロラガー(赤星)」をいただきます。

「うあーー、このエルダーフラワーのお酒、めちゃくちゃ美味いですねーー」

uniさんがまたまた喜びの声を挙げています。そうなのです、このリキュールめちゃくちゃ旨いのです。わたしも大好きな一本です。

イチローズモルト

「いこい」「わしゅ」でだいぶ食べたので、お通しは軽めにナッツをもらい、それをぽりぽり食べながら、女性店主・かなさんとの会話を楽しみました。

わたしはビールを呑み干すと、「イチローズモルト モルト&グレーン」をロックでいただき、さらに酔いの深みにはまりつつ、uniさんとかなさんの会話と三味線の音色に耳を傾けたのでした。

⚪︎uniさんが帰ってきたかった、ウラハチの盛岡最高峰ディープ酒場で締める

開かずの扉、、、ではないです(笑)

さて、この夜の終着点です。盛岡で河南と呼ばれる八幡町界隈までやってきました。

なんだかんだ、「いこい」=盛岡駅前、「わしゅ」=大通、「八まめ」=桜山、八幡町界隈と盛岡の中心市街地を西から東へ2kmぐらい移動しています。

こちらの隠れ家的酒場は、4年か5年前ぐらいのコロナで世の中が変わる前に、一度uniさんをお連れしたことがあり、以来、uniさんも再訪を心待ちにされていた店なのでした。

この入り口の写真、この夜に撮ったものではなく、実際は「CLOSED」の札が掛けられており、一瞬uniさんは落胆されたものの、わたしはこのパターンに出会うことがたまにあるので、「こんばんは〜」とドアを開けると、「あら、いらっしゃい」といつもの女性店主が迎えてくれて、無事入店することができたのでした。

ですが、さーてさて、このあたりからわたしの記憶も曖昧です、、、(笑)

先客は3名おられて、少し席を詰めてもらってカウンター席に座ると、「はい、お通し」と小さなグラスに日本酒が供されます。

それを呑み干すと、福島「会津娘 純吟 花さくら」、岩手は紫波町の「はじまりのお酒」と呑んでいきます。

uniさんは再訪を喜び、女性店主との会話が盛り上がっていきます。わたしはわたしで、さらに酔っていき、次の日の仕事のことが心配になっていましたが、「ま、いっか」と思い直し、この日の夜と酒場と日本酒を楽しみました(笑)

ということで、何時まで呑んだか記憶が曖昧なのですが、最後の一軒まで旅の愉快な旅の仲間・uniさんと大いに盛り上がり、店を後にし、そしてすっかり涼しくなった盛岡の夜の街で再会を誓い合い、別れたのでした。

いやほんと、またいい思い出ができました。uniさん、またお会いしましょう!

(おわり)

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