見出し画像

【岩手県紫波町】「二代目 真魚板」で古い友人としっぽり

北国に冬がやってきました。例年なら年明けぐらいから本格的に雪が降り始め、それが根雪となり3月始めぐらいまでまちを覆い尽くします。それが北国の冬です。

それが今年は少し遅い気がします。このまま雪が少ない冬だと良いのですが。昨年の冬までは、新型コロナで気が滅入っているところに、雪でいっそう気が滅入ったものです。 

さてさて、とある日、仕事を終え、東北本線に乗って友人が待つ紫波町へ移動します。待ち合わせた友人は東京のとある企業に勤めていたのですが、をこの秋に退職し、奥さんの実家のある紫波町に帰ってきました。そんな彼の近況を軽く呑みながら聞くことにしていた。

「すみませんね、わざわざ。僕の方から盛岡に行っても良かったのに」
「いやいや、そっちこそ引っ越してきて忙しいだろうから」
「いや、でも想像していたより寒いですね」
「この寒さが毎年だからねーー。ま、今年は少し暖かいけど」
「覚悟しときます」

生ビールで乾杯し、それを呑み干すとさっそく日本酒。「月の輪」「よえもん」「菊の司」「堀の井」「浜千鳥」と地元・岩手の酒を呑みます。

刺し盛りを注文。マダラ、マダイ、カンパチ、マグロ、鱈菊(マダラ白子)と素晴らしい鮮度で供されます。

「このプニプニとした白い物体はなんですか??」
「これは地元では“たらきく”って言って真鱈の精巣。今の時期だけの食材で、東北でも貴重かつ大人気食材だねーー」
「へぇぇ〜、薄いピンク色が綺麗ですね〜」
「そうそう、天麩羅とかソテーとかでもサイコーだけど、こっちでは鍋に入れたらポン酢で、あとは生のまま食べることが多いね」
「いやあ、北国の冬の愉しみをひとつ見つけましたよ」
「酒が進むんだね、これが」
「なるほどーー」

この日は帰りの電車の都合もあったので、2時間少々で解散となりました。 

「またゆっくり呑みましょう。いろいろ教えてください」
「こちらこそ、今度は盛岡で呑もうね」

そう言って、彼と別れました。来週には東京から奥さんと彼の息子も越してくるそうです。共働き夫婦の彼らだが奥さんだけ仕事が片付かず、まだ東京にいるとのことでした。
北国の冬は大変ですが、豊かな自然と食材はきっと気にいるはずです。そして、都会にはない、たくさんの雪に子どもは大喜びするはずです。
岩手の素晴らしさに気づいてもらえたら、嬉しいところですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?