【秋田県横手市】春近い横手プラザグループ「迎賓」で地酒にまみれる 2019年3月16日(土)-17日(日)
秋田県第二の都市・横手市は、人口9万人弱の地方都市ですが、なんと、市内には5軒もの清酒蔵がある「日本酒の街」なのです。そんな横手市に、春が近づきつつある3月に家族で旅行しました。
注)こちら2019年3月の記事になります。
⚪︎地酒と横手やきそばの街・横手市へ
2019年3月、平成最後の年度末、仕事も忙しく落ち着かないというのに、家族旅行に出ることにしました。まあ、旅といっても一泊二日、自家用車でせいぜい片道で100km超の移動です。
行き先は、岩手のお隣の秋田県横手市でして、秋田の地酒を呑みまくろうというのが、旅の目的でした。
横手市といえば、「まんさくの花」の日の丸醸造、「天の戸」の浅舞酒造、「阿櫻」の阿桜酒造をはじめ、堂々5つの蔵がある日本酒の街。88,000人の地方都市にこれほどに酒蔵が残り、そして日本酒界で名高い酒を世に送り出しているということは凄いことだと思います。
ということで、車を走らせ横手市に到着です。
昼食は市内中心部にある「食い道楽 本店」にて、名物「横手やきそば」に特製ホルモンを乗せたものをいただきます。価格はなんと600円。なのにこのボリューム。すごいですねぇ、と圧倒されつつ、久々に横手やきそばを味わいました。
甘めのウスターソース、半熟の目玉焼きのとろりとした黄身、柔らかい角麺がなんとも言えぬ懐かしいような旨さであり、癖になる横手市のソウルフードです。
さて、豊富な品揃えだと聞いていた「高留酒店」は、中心市街地から車で10分ほどの酒屋です。前に北東北エリアマガジン「rakra」で拝見した酒販店で、店主・高橋さんからいろいろ話を伺いつつ、「天の戸 精選純米 生原酒」を2本購入です。
この一本は、県外に出荷するのではなく、地元消費者向けとして「精選」を名乗り続け、今に至っているのではないかと予測されます。わたしはというと、「天の戸」といえば“美稲”のイメージが強く、この「精選」は今まで知らずにおりましたが、つい先日「精選」を名乗る「天の戸」ががあると知って、呑んでみたくて仕方なかったので、購入できて嬉しかったです。
⚪︎湯上がりBARで地酒三昧
この日の宿泊場所は、横手駅前にある「ホテルプラザ迎賓」という、横手市でも最高級の格式を誇るお宿です。
15時過ぎにチェックインし、通された部屋に入り、「高留酒店」で「天の戸 精選」と一緒に買い求めた株式会社羽後麦酒のペールエールとゴールデンエールをいただき、その後、併設する「ホテルプラザアネックス」7階の展望風呂で温泉を満喫。
湯上り17時、そのままホテル内の「湯上がりBAR」へ足を運び、「両関 翠玉 純吟」「阿桜 特純 無濾過原酒」「ゆきの美人 純吟 2年古酒」をちょっとずついただき(とはいえ、合わせれば一合半ぐらいあったでしょうか)、春貝盛り合わせ、蕗と独活の味噌和えをつまみます。
日本酒は呑み較べセットで1,000円弱、つまみはどれも400〜600円とリーズナブル、かつ新鮮食材でどれも美味しかったです。
19時過ぎ、温泉上がりの妻とムスメと合流し、「ホテルプラザ迎賓」の2階にある「和蘭(からん)」にて夕食です。わたしは「花かご御膳」を注文し、再び地酒を呑んでいきます。
地酒は、「山本 秋田ロイヤルストレートフラッシュ」「飛良泉 飛囀(ひてん) 鵠(はくちょう)」「天の戸 美稲 クラシックラベル」をいただいていきます。いい感じです、旨い地酒三昧モード、旅の目的を達成しています。
⚪︎夜の横手市で再び地酒を呑む
食事を済ませ、一人横手の街に出ます。横手駅から少し歩いたところにある「絆バー」というオーセンティックバーへ。
さて、一杯目に注文した定番カクテル、ジントニックが500円と随分お手頃で、驚きです。清潔なシャツにびしっとベストを合わせたバーテンダーに価格のことを尋ねてみると、「横手は物価が比較的安いですね」との答えが返ってきました。
一般的に、ジントニックであれば、地方都市のオーセンティックバーでは700円、800円といった価格設定をすると思うのですが、特にもこちらのバーにおいては、気軽にプロの味を楽しんでもらいたいということで、この価格で提供しているとのことです。
その後、ギムレット、カリラ12yシェリーウッドフィニッシュ、カリラ12yバーボンウッドフィニッシュと呑み、ポークジャーキーをつまんで会計は4,000円ほどと、やっぱり随分とリーズナブルでした。
バーテンダーから横手の食文化の話なども聞かせてもらいましたが、客が増えてきたところで店を後にしました。
21時半過ぎ、少し小腹が空いていたので、軽くなにか食べたいと思いながら横手駅周辺を歩き、目に入った「酒処 和凛(かりん)」へ入店です。
妻とムスメと食事をとった「和蘭(からん)」の姉妹店であり、宿泊しているプラザグループが経営する酒場のようでした。
「串焼き5本セットとオススメの地酒を」と注文を取りに来てくれたスタッフに伝えると、この若いスタッフが、非常に熱心に酒の説明をしてくれました。訊くと、「和蘭(からん)」の日本酒も、この熱心なスタッフが選んだものとのことでした。酒蔵の街に地酒を愛する若い飲食店スタッフ、素晴らしいです。
その後、客が引けてきて手が空いた料理長を交え、酒の話や横手の街の話になって、楽しく1時間ほど過ごします。活気のある店、活気のある人、活気のあるグループです。
横手市自体は静かな街だと感じましたが、どこか奥底に微熱感を湛えている、個性的で魅力的な街でした。
⚪︎十文字ラーメンを食べてみた
さて、ホテルの経営者が、横手で美味しいコーヒーを楽しみたい思いホテル内に設けたというカフェ「cafe gita yokote」でマンダリンをいただきます。
そういえば、前の晩で食事をした「和蘭(からん)」では牛タンを供していて、それも横手市で美味しい牛タンを食べたいという経営者の意向で置くようになったと揃えるようになったと、「酒処 和凛(かりん)」で伺いました。
地元になにもないからといって、安易に外へ物やサービスを買いにいくのではなく、自分たちで地元の産品や製品を生み出し、内需を産み、われわれのように外部の人間の消費を促すことによって外貨を稼ぎ、地域経済を循環させることは、地方都市が生き残るために重要な考え方でしょう。
横手市は、駅前に温泉があって、観光資源に恵まれている都市ですが、温泉に頼るだけでは、他の観光地とどんぐりの背比べになってしまい、競争力は生まれないでしょう。前の晩の「湯上がりBAR」もしかり、熱心に日本酒と向き合う人々もしかり、質の高いコーヒーを出すカフェもしかり、次々と強み見出していかけなければ、都市間競争に勝てないでしょう。
最後に訪れたのは、十文字ラーメンの名店「丸竹食堂」。ご覧のチャーシューメンは600円と、こちらもお手頃です。ラーメンの味わいはというと、ほとんど油分のない澄み切ったスープに、ちょっと感激を受けてしまいました。超極細麺がスープとの相性が抜群で、あっという間に平らげてしまいました。
春近い横手ですが、この日は小雪が舞い冷え込んでおり、熱々のラーメンが最高のご馳走でした。
近いうちにまた横手を訪れ、再び地酒三昧としたい。そんな風に思いつつ、帰宅の途に着いたのでした。
(おわり)
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