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【福島県福島市】真冬の福島、「燗酒ノ城」に感激し、「ぼのぼの」で日本酒呑みつつ、鹿児島の名店「たか」を思い出す 2018年2月11日(土)-12日(日)

秋田県在住のイクヤさん、盛岡市在住のツッチさん、そしてわたしの3人は、2015年・2017年の九州遠征を経て、2018年は近場に小旅行でもしようかとなりまして、福島県福島市を訪れることにしました。残念ながらもう一人の旅の仲間・ユッキーさんは仕事の都合がつかず不参加となりましたが、真冬の福島を呑んで喰っての旅を楽しみました。
注)2018年2月の記事になります。


◾️「清次郎」で出発式なのです

鮨ですよ、やっぱ鮨

2018年2月の真冬、イクヤさん、ツッチさん、わたしの3名は盛岡駅ビルフェザン地下の「清次郎」の個室にいました。鮨をつまみつつ、これからの福島遠征に胸躍らせていました。

なお、盛岡市を拠点に旅をする仲間たちですが、イクヤさんが秋田県某市在住で、ツッチさん、今回不参加の居酒屋経営者ユッキーさん、わたしは盛岡在住、そしてそして、九州方面へ足を伸ばす際は宮崎の友・イグチさんが加わりますし、そのイグチさんはというと、時折盛岡方面へ来てくださることもあります。

今回は一泊二日の小旅行であり、ここにユッキーさんが加われば、2017年秋に九州へ遠征した4名が揃うわけですが、ユッキーさんは残念ながら、ご自身の店が忙しく、休みを取れませんで不参加となりました。

「まあまあ日本酒でも呑もう」と、予約しておいた「清次郎」の個室で握りを平らげ、ツマミを追加して本格的に呑んでいきます。
ツッチさんは、初めてわれわれと旅行したとき、昼から日本酒を呑むことに少し抵抗感を示したものですが、今ではためらいなく、ぐいぐい呑るようになりました。

人というのは変わるものだなあ、成長するものだなあと、イクヤさんとわたしがその姿を微笑みながら眺めるわけです。成長を見守る親の気持ちに近いでしょうか。

◾️福島市の名酒場「燗酒ノ城」

燗酒の城

新幹線で福島市に到着し、夕方4時に予約していた「燗酒ノ城」へ。こちらは盛岡の某店の店主から紹介してもらった店で、店主の前田さんは、かなりヘンタイ的な日本酒好きの方らしいと聞いておりましたので、期待大でした。なお、紹介してくれた盛岡の某店の店主もはなりのヘンタイで、ユッキーさんのお仲間でもあります。

店は南福島駅近くにあり、福島駅から在来線で一駅離れたところにありました。ところが、ちょうど良い時間の電車がなく、歩いて移動したものですから、乾いた空気に喉がからからになり、おかげで一杯目の生ビールが最高に美味しかったです。

間髪入れずに燗酒にします

燗酒は、まず鳥取県は山根酒造「純米しぼりたて生原酒 山眠る」の超ぬる燗が出されました。限りなく柔らかな口当たりとフレッシュさが同居し、口の中に快感が広がります。絶妙な温度帯です。やはり、聞いていたとおり、店主の前田さんが、かなりのやり手だとわかります。

肴はおまかせにしています

「まだ一日しか締まってませんが、、、」と出してくださったのは〆さばと平目昆布締めです。ここ最近、時化で水揚げがあまりなく、やむなく昨日仕込むことになってしまったとのことでした。酒は「会津娘」「十旭日」と、絶妙な温度帯の燗が続いていきます。

しかしです、たしかに締まりが浅いとはいえ、さすがの味わいです。酒と肴のあまりの美味さにわれわれも恍惚とし始め、ほわわーーんと酔いに身をまかせていきます。ちなみに鯖と平目と一緒に供されたのは煎り酒というところが、実にニクいのであります。

小川原専務を偲びつつ

「もうこの一本で終わりです」と出してくださったのが、埼玉は蓮田市の神亀酒造の9年熟成「楽」です。で、これが衝撃的な旨さでした。記憶に残る味わいです。
重層的な味の深み、柔らかさと品格。熟成させたチーズがよく合い、本当に盃がすいすいと進んでいきました。

こちらの蔵のカリスマ小川原専務は、2017年4月に他界されており、多くの関係者を悲しませました。店主・前田さんも、専務とは生前とても親しくしていたということで、この酒を我が子のように大事に燗につけてくださりました。そんな思いが伝わり、いっそうのこと、旨かったのです。
ちなみにわたしも、小川原専務とは、盛岡で何度かお会いしたことがあり、専務に「神亀」「ひこ孫」のお燗をつけてもらったという懐かしい思い出もあります。

酒も肴もすべてが素晴らしい美味しさです

酒も肴もすべてお任せです。写真のなめろうも絶品中の絶品。その料理名のとおり、皿まで舐め尽くしてしまいたくなります。

このあとも、「よえもん」「奥鹿」「旭若松」と燗を楽しませていただき、酒と肴の絶妙な調和に、すっかり身を委ねていきます。当然のことながら、なんの文句もございません。最高の酒場は福島にあり、です

そして、地元大学生にも日本酒の奥深さを知ってもらいたいということで、彼らが足を運びやすい取組も進めているという話も伺います。美味しい燗酒と酒肴のリーズナブルな「学割セット」を用意し、学生でも気軽に楽しめるようにしているとのことなのです。

正直こういう親切な酒場が大学の近所にあるのは羨ましいなあと思いつつ、今後の前田さんの健闘を祈り再訪を誓いました。

◾️またまたの福島の名酒場「ぼのぼの」を訪れる

またまた素晴らしい酒場に辿り着きました

次に、「燗酒ノ城」の前田さんに教わり、そしてお店に電話してもらい、紹介してもらった「ぼのぼの」という家庭料理の店を訪れることにしました。電話で予約してもらったのですが、「今は席が埋まってますが、いらしたときに席が空いたら入れますよ」という感じで、だいぶ人気店のようでした。

しかし、繁華街にあるようなのですが、google mapを頼りに付近を歩いても、なかなか見つけられませんで、まさに隠れ家でした。そして、運良く先客が店を後にしていたため、なんとか3人カウンター席に腰を下ろすことができました。

あとから訊くと、店主であるお母さん曰く「昔は道路に面したこのビルの1階で営業してたけど、あんまり忙しいからここ(2階のすごくわかりづらい場所)に移ったんです」とのことでした。

家庭料理が嬉しいのです
塩鮭
卵味噌大根

一品目に注文した油揚げもお手製。ふかふかジューシーで、烏賊塩辛と一緒に再び日本酒をいただきます。

こちらの店は、あまりに狭すぎて日本酒が保管された冷蔵庫が客の後ろ側にあるので、自分で冷蔵庫から一升瓶を取り出し徳利に注いで、手元の数取り機でカチカチカウントして、会計時に「xx杯です」と自己申告するスタイルでした。

6名ほどしかカウンター席に座れない激狭店でありますが、カウンター内はさらに超激狭であり、その中でお母さん一人がワンオペで店を回しているのです。

で、われわれも常連さんに混じって、日本酒をくいくい呑りながら、美味しい家庭料理を楽しみます。料理は、身欠きニシン、馬刺しなども食べ、酒は「開運」「飛露喜」などなどをかなり呑みました。「燗酒ノ城」で相当呑んだはずですが、本当に相当呑みました。他にも呑んだと思うのですが、呑んだ銘柄を思い出せないほど、酩酊しました。 

驚くほどのディープゾーンであると同時にものすごく居心地が良く、お母さんもお年を召しているがエネルギッシュに一人で店を切り盛りし、それを常連客が盛り立てているところなどを目にすると、イグチさんに連れて行ってもらった鹿児島の名店「たか」を思い出しました。

狭い座敷で片寄せ合いながら焼酎湯割りを呑みつつ、みんなでつついてお代わりしたおでん。ほんの1年前のことですが、なんとも懐かしい思い出です。

ということで、わたしは勝手に、激狭名酒場は、東の「ぼのぼの」、西の「たか」で決まりだ、ということにしました。

◾️福島の夜は餃子で〆て、グランクラスで帰盛

福島市は円盤餃子の街です

福島市は円盤餃子の街ということらしいので、「餃子の丸福」でビールと餃子を注文しました。だがしかし、こちらの餃子は普通の焼き方で、円盤ではありませんでしたので、少しだけ残念。

しかし、餃子自体はとても美味しいもので、かなり満腹のはずでしたが、「ウマイ、ウマイ、久々にウマイ餃子を喰った」とわれわれはビールをぐいぐい呑みながら餃子を食べすすめました。

店内は、さほど広くはありませんでしたがほぼ満席で、若い男女で溢れ、みんな餃子をぱくぱくと食べていました。さすが福島、餃子の街です。

さて、翌日、福島からの帰りの新幹線は豪華にグランクラスでした。
しかも、あえて各駅停車の新幹線として、のんびりと豪華車内の呑んで食べての「人間を堕落させる空間」を思いっきり楽しみました。

軽食が出され、酒の肴が出されてくるので、遠慮なくスパークリングワインやらバーボンソーダやらを3人でぐいぐいと呑り、なんともご機嫌な気分で新幹線旅を満喫します。

で、呑みながら、3人で旅を振り返り、今回の福島旅行も実に面白かったな、また福島にお邪魔したいな、という感想になったのですが、宮崎の友・イグチさんが、実は2歳まで福島にいらしたということなので、今度はイグチさんと一緒に福島を呑み歩いてみたいものだと、われわれは思ったわけでした。

そして、「まだまだ盛岡に着いてくれるなよ、、、」と念じながら、しつこくお代わりの酒を、アテンダントにオーダーするわれわれだったのでした。

(おわり)

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