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事実上の告知を受けた私の心模様

がんの疑いというより、ほぼがんと伝えられ、色んな考えや思いが脳裏を駆け巡りました。正直、心中穏やかではありません。その時の私の心模様を記録に残しておくことにします。


2人に1人ががんになるってホントだ?!


私の家族は、4人です。数年前に父ががんになりました。そして、今回、私ががん。4人家族のうち、2人ががんとなりました。

今は、2人に1人ががんになる時代といわれていても、まったくピンときませんでした。ところが、私ががんになったことで、我が家は2人に1人ががんという統計にドンピシャです。

2人に1人ががんになるということは、それだけがんが身近に迫っているということ。統計ってすごい。本当だったんだ。これが、私ががんと伝えられて最初に思ったことです。

これって、カルマ?


清廉潔白でもないし、不摂生も沢山してきました。だから、「なぜ、私ががんに?」という思いは全くありませんでした。

その代わり、「がんになったのはカルマ?!」という考えです。50年近く生きてくれば、思い当たる節はいっぱいあります。

では、がんになった今回のカルマをどう未来へ繋げればいいの?という訳の分からない概念が頭を巡り、現実逃避をし始めました。

お医者さんって大変な仕事


医師は毎日沢山の患者さんを診察し、検査の結果によっては、悪い知らせを伝えなければいけません。日にどれくらいの患者さんに伝えるのでしょうか。

仕事とはいえ過酷な業務です。

そして、悪い知らせを伝えたあと、きっと、何事もなかったのように次に診察をしていくのでしょう。

強靭な精神がなければ勤まらない仕事です。そして、気持ちの切り替えの早さ。尊敬します。

私は、人生でたかが一回、悪いお知らせを聞いただけです。もっと強くならいといけないと自分を鼓舞してみました。

一方で、精神状態を上手く切り替える術を少しでもわけて欲しいとも思いました。診察室を出たら前向きな気持ちになれる精神力が欲しいと。

訓練を受けていない私には到底無理です。診察を出た後も、ズルズルと沈む心を引きずりぱなっしです。

看護師さんって意外に塩対応


沈む心を引きずったまま診察室を出ると、すぐに看護師さんが次回の診察予約表と検査予約表を渡してくれました。明るく声を掛け、至って普通の対応です。

がんが濃厚と伝えられたばかりだから、もうちょっと優しくしてもらえるのかと思っていたのですが、意外とあっさりな対応。

しかしこの時、もし、看護師さんに優しい言葉を掛けられていたら、確実に涙腺が崩壊していたと思います。

がんという病気は、お医者さんや看護師さんの患者へ対するプロ意識を一段階レベルアップさせるものなんだと感じた瞬間でもありました。

家族にどう伝えよう


自分のメンタルは、とりあえず自分でなんとかしいなくちゃという思いが強かったです。だから、一番の問題は、家族へこの状況をどう伝えるか問題です。

数か月前、婦人科系のがんの疑いが晴れ喜んでくれたばかりです。今度は、乳がんの疑いが強いとは、伝えにくい。

かといって、がんが確定したら、家族にはサポートしてもらうことが多くなります。しかも、私は家族と同居。隠し通すのは難しいです。

では、どうように伝えるかです。まだ、確定していなので、確定してから伝えるのか。

それとも、ショックを少しでも和らげるために検査の段階で、徐々に伝えていくのが良いのか。でも、検査を行っていく中、もしかしたら、万が一にもがんじゃなかった場合、余計な心配をかけてしまいます。

頭の中は、家族に伝える・伝えないで行ったり来たりです。

うつ向いちゃダメだ


がんという言葉は、インパクトが強い。

どんなに先生が、完治が目指せるといっても、やっぱりこの先の人生を考えざるを得ないです。

過去を振り返れば後悔や自責の念に駆られます。過去を振り返ってもどうにもならないことはわかっています。

でも、未来を見ようとしても見えない何かの力で未来が潰される気がしました。恐怖と不安というモンスターに倒されそうです。

私には、乳がんという病を倒してくれる主治医という賢者がいる。だから、主治医のことを真っすぐみよう。だから、うつ向かない。

大丈夫、前を無理しても向いていればなんとかなるだろうと。そう、自分に言い聞かせました。

短時間で色んな考えが駆け巡ります。とにかく、頭も気持ちもぐちゃぐちゃ。そんな精神状態にするのが、がんという病のようです。

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