稽古録その1

こちらから稽古録を載せていきたいと思います。
武術に限らずあらゆる『身心』の気付き。
誰かの何かのご参考になれば幸いです。


【不安定の使いこなし】
不安定の使いこなしとは、甲野先生がかなり前から言われている事。アイスバーンで滑りそうになった時に、全身を発動させ一気に体勢を立て直す働きなど。そんな不安定さを力に変える働きを最近また実感してきている。私の中での不安定の使いこなしとは、思いっきり体幹が揺さぶられる事。相手に腕を持たれた時に、腕から繋がった体幹が思いっきり揺さぶられることにより、まず持たれている手を気にしなくなり体勢を立て直すことに意識が集中する。その瞬間に振り払う動作が起き、結果相手の手が振り払われる形になる。
ただ、この「振られる動き」が「伸びて」しまうと効果があまり感じられない。より中心の芯とか核の部分に不安定さを作り出す事によってより纏まったまま動きが出てくる。


【漏れない動き】
丁寧にゆっくり動いている時は動きに漏れが少ない。漏れがあると丁寧にゆっくり動けないからだ。動きを速くしていくと、漏れが出始める。速く「動きたい」意志が強すぎてしまうからだ。そこで、速く動きたい意志とそれを全力で抑えようとする意志を持ってくる。といっても、その抑えようとする意志は激流の如く激しいものではなく、宇宙空間のような全くの静けさのような感覚。静けさのなかの静止。これによりバァーっと飛び出していく力やエネルギーといったものが、ピタッと収まりまとまっていく。この感覚は気配がより消えてくるもので、フェイントなどと違いを検証してみても興味深かった。

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