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『肚/腰を知る』

本日行われた『肚/腰を知る』は無事終了しました。


日本人の身体文化である肚/腰。言葉から見えてくる肚腰や、丹田との共通性、肚腰を感じるワークなどを通して肚腰を見ていきました。

肚腰は、「ここです!」とハッキリクリアに分かる位置があるわけではなく、最終的には各々が感覚として捉えるもの。正解がまかり通る世の中では、この曖昧な感覚は受け入れ難いものであると思います。

しかし、本来身体というものは共通性はあるものの、個人の感覚に頼る事が殆どです。場を共にして感応し合う事で引き出される感覚もあれば、稽古を通して見えてくる感覚もあります。昔の人は、仕事や生きる事そのものを通して感覚を育んで行ったのだと思います。

それを美談にしたいと言うわけでは全く無く、ただその感覚がどの様なものだったのかの一端でも垣間見る事ができたら、身体はとてつもなく変わるのでは無いかと思い今回の講座の企画をしました。

肚の出来た人の話や火事場の馬鹿力、没頭(今風に言うならフロー)状態の共通性、身体言語(言葉)から見えてくる時代の変遷などもお話しして、参加者の方々からは共感する部分もあったようで嬉しかったです。


今回は感覚としての腰肚という事で、ワークでは何となく感じてみるというのをやっていきました。何となくというのがミソで、あまりクリアに探ろうとすると、いつの間にか「正解」を求めてしまう傾向があります。感覚を探っていって結果として自分のその時の「正解」が出るなら良いのですが、用意された「正解」に無理に近づけてしまうと、本来の感覚が鈍る事があります。これは私の経験則で話しています。

参加者の方々にも色々とやっていく中で、ご自身の経験談も話されて、シェア出来る環境が作れたのは1つ良かったなと思う点でした。そして、そのお話しして下さった事が何より私にとっての学びとなりました。

私は、感覚的でよく分からないことをあえてやる事の重要性を感じます。今はすぐに結果を出してなんぼの風潮があり、それももちろん大事かも知れません。しかし、じっくりと向き合って熟成させていくものを持っていると、年齢を重ねて行った時にそれが自分にとっての1つの軸になるのではないかなと思います。楽しみながらの探究ですね。

今回の講座は初の試みでしたので、至らない点もあったかとは思います。ご参加くださった皆様、ありがとうございました!


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