見出し画像

「車でお遍路」第31番札所 竹林寺(四国霊場唯一の文殊菩薩、よさこい節の札所)

こんにちは、旅いこかです。

四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、31番目のお寺は、

五台山ごだいざん 金色院こんじきいん 竹林寺ちくりんじ


30番札所の善楽寺から約8.8㎞、車で約30分の場所、

30番札所の善楽寺からは、高知市内の街中を通り小高い五台山を車で上っていく。これまでの山岳霊場とは打って変わり、綺麗に整備された道なので安心、車であってもホッとする。

風光明媚な五台山に建ち、「三人寄らば文殊の知恵」と言われる文殊菩薩を祀る四国霊場唯一の学問寺院「よさこい節」で歌われる実在の修行僧歴代土佐藩主から厚く帰依され隆盛した目を見張るほどの美しい竹林寺に参詣します。

では、四国霊場唯一文殊菩薩を御本尊とするよさこい節で有名な札所「竹林寺」へ参りましょう。

五智如来石像、五つの智慧を五体の如来にあてはめたもの


ご詠歌

南無文殊なむもんじゅ 三世の仏みよのほとけの母ときく われも子なれば こそ欲しけれ


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 神亀元年(724年)聖武天皇が「中国(唐)山西省にある五台山(文殊菩薩の聖地)に登り、文殊菩薩を拝した夢を見た」ことから、行基菩薩に似た山を見つけて寺院を建立するよう命じた

  • 行基菩薩は、聖武天皇の命を受け、この地こそがその夢の場所に相応しい霊地だと感得、本堂を建てて栴檀せんだんの木に文殊菩薩を彫り御本尊として安置して開基

  • 大同年間(806~810年)、この地を巡錫中の弘法大師は、瑜伽行法ゆがぎょうほうを修法して荒れていた堂塔を修復して31番札所と定めた

  • 慶長6年(1601年)、山内一豊公が土佐藩主になって以降は、歴代土佐藩主の庇護を受けて祈願所として栄える

  • 明治時代初期には、神仏分離令により一時荒廃

  • 江戸時代には、堂塔は土佐随一の荘厳を誇り、全国から学侶がくりょが集まり学問寺として当地における宗教・文化の中心的役割を担った


実話:「よさこい節」の第一節

歌詞の第一節には、竹林寺脇坊である妙高寺の僧侶純信の三角関係と駆け落ち事件というスキャンダルが盛り込まれている
(土佐の~高知の~はりまや橋で~坊さん~かんざし~買う~を見た~)

この話は、安政元年(1854年)におきた鋳掛屋いかけやの娘「お馬」と僧「純信」によるロマンス

純信とその弟子である修行僧「慶全」とお馬との三角関係で、慶全は好いていたお馬を純信に奪われることを恐れ、自身がお馬のために買ったかんざしを「僧である純信がお馬のために買った」との嘘を広めたことに始まる
その噂により純信とお馬は寺の出入りを禁じられ、それぞれ高知に住み続けることが困難となった二人は駆け落ちしたという実話なのです(詳細は、「純信 お馬」でググってみてください)


寺号について

  • 山号について
    ・・・中国(唐)山西省にある五台山(文殊菩薩の聖地)に因む。


ご利益

  • 御本尊の文殊菩薩
    ・・・智恵を司る仏さまで「三人寄らば文殊の知恵」とも言われる「みちびきの文殊さま」 受験合格、学力向上、他にご利益があり多くの信仰を集めている

  • 善財童子
    ・・・求道の志篤い少年で文殊菩薩の指南により53人の善知識(先生)を訪ねて教えを乞い悟りの世界に至ったという童子
    善財童子像は、その像を撫でることで、未来を担う子供たちが心身ともに健やかに善財童子のように成長してほしいとの願いとその徳を授かるという


御本尊・ご真言

御本尊:文殊菩薩
ご真言:おん あらはしゃ なう


見どころ

沢山あるので時間をとってゆっくりお参りしたい。

  • 本堂(文殊堂) 【重要文化財】
    ・・・室町時代文明年間(1469-1487年)の建立、四国霊場で唯一御本尊に文殊菩薩を祀る 「文殊堂」とも呼ばれる

  • 本堂御本尊の文殊菩薩 【重要文化財】
    ・・・現存する文殊ご尊像の中で国内最古であり「日本三文殊」のひとつ
    他は京都・切戸きれとの文殊、奈良・安倍あべの文殊

  • 五重塔
    ・・・高知県唯一、竹林寺のシンボル的存在 

  • 宝物館
    ・・・重要文化財に指定された多数の仏像を所蔵、拝観可

  • 庭園 【名勝】
    ・・・文保2年(1318年)夢窓疎石作、国指定の名勝

  • 牧野植物園
    ・・・隣地には、植物学者牧野富太郎博士に因んだ植物園がある


おまけ情報(備考)


写真


次は、第32番札所禅師峰寺ぜんじぶじへ参ります。

2022年3月27日投稿
2022年9月21日改訂

合掌

この記事が参加している募集

私の遠征話

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?