世界を旅する公園。民族の違いを繋ぐコペンハーゲンの公園デザイン。
こんにちは、デザイナーの堀野美雪(ホリー)です。
デンマークを旅しながら、その国のデザインを調査しております。
現在デンマークが抱えている社会問題として移民難民問題があります。
この問題は、映画「デンマークの息子」のテーマとして扱われたほど。
今回訪れたはNørrebro(ノアブロ)地区、デンマークで最も多様な国の移民たちが暮らす地域です。
過去に銃撃や刺殺事件が起きた場所でもあり、言語や宗教、文化の壁によるコミュニケーション不足によって起こりうる犯罪やトラブルを懸念して、市民からはやや危険なエリアとして認知されていました。
実際にNørrebro駅周辺歩いてみると、中東の雰囲気を感じさせる町並みで、ムスリムやアフリカ、アジア系の人々をよく見かけます。
このNørrebro(ノアブロ)地区のイメージを変えるために、鉄道車庫の跡地を公園として再開発。
2012年に完成したのが「Superkilen(スーパーキーレン)」という公園です。
Superkilen(スーパーキーレン)を散策
公園にの中には、世界各国を象徴する108つもの遊具やオブジェなどがあり、プレートにデンマーク語と現地の言語でそれが何かを表しています。
公園はとても大きく、レッド、ブラック、グリーンの3つの広場に分けられます。
レッドスクエア
レッドスクエアは、人々がスポーツやゲームを通じて交流できるアクティブな広場。
ブラックスクエア
ブラックスクエアはストライプラインが特徴の都会的なストリート。
タコ滑り台が海外にあるとは…!
黒く塗られているとシックでかっこよく見えるのが不思議。ダースベーダー感。
グリーンパーク
グリーンパークは、ファミリーがピクニックや犬の散歩、芝生で休憩できるようなリラックスした広場。
公園のデザインから見えたこと
言葉の不要なスポーツやアクティビティを通して住民同士の交流の促進と、すべての人が安心できる心地よい場所をつくるというアイデアが素晴らしいです。
様々な理由で異国に移住してきた人々、母国のものがあるだけで少しほっとしますよね。
公園にもその国らしさがあるのだという発見、一つ一つプレートを見ながら歩くと、世界一周の旅をしているような気持ちになれます。
この公園から、都市空間をデザインすることで社会問題は解決できる、世界をより良くしていけると教えてもらいました。
最近ではNørrebro地区にも学生やセンスのいいカフェが集まり、ネガティブなイメージを脱却しこれからどんどん活気づきそうな注目の街です。
コペンハーゲンに来た際は是非お立ち寄りください。
以下参考サイトです。
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