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ビスワ川のほとり、クラクフ

もう何回目だ、この街、クラクフ。

旧市街の中央広場は初めて来たころよりも

ずっと観光客がふえて

朝から少しにぎやか。

喧噪をはなれてビスワ川沿いまであるく。


こうやって一人でクラクフを過ごすのは初めてで

ベーグルと珈琲をかってぶらぶらしながら

教会にたちよってゴスペルを聴いて

バベル城の高台から街をみおろして

こうやって川の流れをぼーっとながめて

こんなに涙が出るほど美しい街だったんだって

いまになって気づく。

わたしがつくってきた旅行商品なんて

この街のうつくしさを半分も、

きっと見せられていなかったとおもう。


川の向こう側にみえるカジミエシュ地区は

ユダヤ人が多くくらしていた地域で

いまでもシナゴーグがたくさんあるし

ユダヤ料理をだしてくれるレストランがあって

少しレトロでおしゃれなカフェがならぶ。

100年前のいまごろは、

自分たちの民族があんな目にあうなんて知らずに

こうやって日をあびながら、

やわらかく暮らしていたんだろうなあ。

わたしたちはちゃんと、彼らの痛みを

繰り返さずに、生きていけるのかな。


大聖堂の鐘がなってちょうど12時。

もうちょっとのんびりする。


つづく


#旅行 #ヨーロッパ #ポーランド #クラクフ


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