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一人旅マガジン やっぱりいい。北海道バイクとキャンプ旅

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2021年夏。北海道を旅したエッセイの連載です。 ツーリングと焚火と、ときどきお酒。 旅慣れたようで不器用な、年月を経て改めて感じること。 通勤電車の中で、息抜きがてらカフェで、…
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#旅行記

#25 フラれてフラれて千歳まで

 R274は徐々に標高を下げ、夕張を過ぎた頃には樹海、山といった雰囲気は薄れ、ポツポツと納屋…

TOMoki
2年前
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#1 出発、新千歳 大人の青春

 もう、何度目かわからなくなってしまったコロナ禍による緊急事態宣言。今年の夏はまともに商…

TOMoki
3年前
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#5 日本海オロロンライン①

 日本海オロロンラインはときどき、海抜数メートルほどのところを海に沿って走る。道は退屈だ…

TOMoki
2年前
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#7 初山別 みさき台公園キャンプ場

 テントの設営が終わり、さて、今夜は夕食と風呂をどうするか。旅の1日を締めくくるビールが…

TOMoki
2年前
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#8 サロベツ原野 ライダー憧れの地

 3日目の朝。周りのキャンパーがテントを撤収する音で起きる。少し頭がポーっとする。昨夜は…

TOMoki
2年前

#9 クッチャロ湖~サロマ湖 あの時の姐さん

 クッチャロ湖は、オホーツク海側を北の果てまでもう一息の、町のすぐ近くにありながら観光地…

TOMoki
2年前
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#10 サロマ湖 キムアネップ岬キャンプ場

 キムアネップ岬の付け根辺りにある駐車場からは、晴れていれば、湖面に沈む夕日の美しい姿が観られそうなスポットである。だが、雲が覆いはじめ、灰色がかったオレンジ色の空に、太陽の姿は見えない。真っ平らにひらけた短い芝のキャンプサイトには、すでにいくつかのテントが張られていたが、数える程度で、閑散とした雰囲気だった。  サイトの、駐車場にすぐ近いところには数本の木々があり、その横にわずかにある平らな芝生がベストポジションと思われたが、すでに先客がいる。空いているこの広いサイトの中

#11 網走~斜里 雨のはじまり

 4日目の朝は、ミスティな雨で始まった。わかってはいても、やはり雨は嫌なものだ。他のテン…

TOMoki
2年前
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#12 知床半島 晴れのち雨・雨

 まだ雨の心配があった斜里から知床まで走ってきたが、どうやらこちらは天気がいい。合羽を脱…

TOMoki
2年前

#13 羅臼~標津~中標津 行くか・行かないか

 羅臼を発ってからの運転は、寒く苦しく辛かった。なるべく雨と風に当たらないよう身を小さく…

TOMoki
2年前
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#14 厚岸~霧多布岬

 5日目。ザーザーと降る雨の朝。サイトの森では、目の前をリスが走り回る。お湯を沸かし、コ…

TOMoki
2年前

#16 根室~中標津 不安な夜

 土地はもて余すほどに広いはずで、44という若い番号の国道ならそれなりに交通量もあるはずだ…

TOMoki
2年前
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#17 中標津~北19号線 雨と寒さと、トイレ

 6日目。本降りの雨。 昨夜、テントからの灯りも音沙汰もなく、いつまでも気配がなかったので…

TOMoki
2年前

#18 道の駅 摩周温泉~阿寒湖畔

 寒さ、尿意に耐えた末、ようやく道の駅 摩周温泉に着く。ヘルメットを脱いで一瞬でも頭をさらすのがイヤなくらい、雨は激しい。小走りでトイレへ駆け込んだ。ひとまずの安堵であったがしかし、寒さでかじかんだ手指は思うように動かず痛く、また湿って硬くなったジーパンのボタンフライが、留められない。合羽のパンツは半脱ぎ状態で、次の人の邪魔にならないよう、ペンギンのようにひょこひょことトイレの奥の隅っこへ移動し、ボタンと格闘する。  道の駅 摩周温泉は、雨宿りで駆け込むライダーがひっきりな