見出し画像

息子の嘘、娘の完璧主義、親の大失敗

息子には嘘をつく癖がある。悲しいけど、息子の言うことがころころ変わる時は、嘘をついていた(そしてまだついている可能性もある)、ということだ。ほとんどが小さな嘘で、自分を良く見せようとしたり、トラブルを避けようとしたりして、咄嗟に出てしまうらしい。それをすべて覚えていないから、後でほころびが出てくる。本当のことを言っていれば、話が変わることはないのに。

息子の嘘を目の当たりにするたびに、体中の力が抜け、暗い気分になる。以前は怒ったり、問いつめたりしていた。でも今は、「あれ?前はこう言ってたよ」と言ってしまう時もあるけど、たいてい何も言わない。精神的にもう追いつめたくはないから。嘘ではないかもしれないのに、たまに息子の言うことを疑ったり、信じられない時があるのも悲しい。

一度、自分の嘘をつく癖が嫌だ、なおしたい、と息子が私に言って来たことがある。その時は嬉しかった。まずは問題を認めることから、すべて始まるから。私もどうすればなおせるのか分からないから、セラピストに相談することにしたけれど、その後も息子の嘘は続いている。

親の私たちが厳しくし過ぎたせいだろうと思っている。私たちが完璧を求めるから、親をがっかりさせてはいけないと思わせてしまったのかもしれない。誰も完璧なわけないのに、完璧でいるよう嘘をついてまで演じる癖をつけてしまったのかもしれない。

娘は、嘘はつかないけれど、完璧主義で自分に厳し過ぎるところがある。娘にはそんなに厳しくしなかったのに、と思ったけれど、「息子に厳しくしている姿を見ていたから」と夫に言われてハッとした。下の子は、上の子が親に叱られているのを見て自分は同じ失敗をしないように学ぶ。そうして、親に言われなくても、自分で自分に厳しくするようになってしまったのかもしれない。

親の私たちの大失敗だ。怒ったり、厳しく問いつめたりするべきではなかった。嘘をつかなくてもいいように、自分を追いつめることなく、ありのままでいられるようにしてあげるべきだった。たまに悪いことをしても、間違ったことをしても、誰も完璧ではないんだから。

よくがんばってるよ、そのままでいいんだよ、と今は言うようにしている。良い面も悪い面もすべてひっくるめて大丈夫、と受け止ってもらえるように。もう遅いかもしれないけれど、息子と娘に何かが届くことを願って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?