意味のある仕事をする: I さんから学んだこと

I さんは、職場で知り合った偉い立場の日本人男性で、最初は怖いと思っていた。初めて会った時も特に挨拶もなく、冷たい印象を持っていた。

偉くなって経営を任されていたけれど、もともとは技術者で、技術関係の話をするようになって、段々と打ち解けて来たように思う。完全に文系で技術を理解できない私に、「そんなことも分からないの?」と言うような人だった。私は負けずに「分からないんです。説明してください」と言っていた。

入ったばかりで何も分からず、言われた通りにだけ仕事をしていたら、I さんに「そんな仕事の仕方じゃ意味がないんだよ。そんな誰でもできることをやってるなら、いらないんだよ」と言われたことが忘れられない。ショックだったけれど、その通りだと思った。それ以来、意味のある仕事、私だから価値を加えることができる仕事をするように気をつけて来た。

I さんが長いアメリカでの赴任を終えて、日本に帰国することになった時、ひとつの時代が終わる気がした。I さんに恥ずかしくない、意味のある仕事をしようと、どこかでいつも緊張感を持って働いていたから、I さんのいない場所で働くのは不思議な感じだった。でも、I さんに厳しく教えてもらった仕事に対する姿勢のおかげで、私はここまで働き続けていられていると思う。

たまに出張で I さんがアメリカに来ると、I さんと私の上司と3人でランチを食べに行く。とても偉い立場なのに、全く偉ぶらず、嬉しそうに会いに来てくれるので、今では親戚の叔父さんのようだ。コロナになってからずっと会っていないけれど、またいつか会えるだろうか。

#仕事の心がけ

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