退職エントリ:編集後記

先日公開した「退職エントリ」。

2,500字弱の長くない文章ですが、退職前から書き始めて、公開するまでに約1ヶ月かかりました。

なぜ書こうと思ったのか

自分の経歴と、退職時の想いの整理をしようと思って書きました。

「休憩する」という一言で片づけていますが、「休憩する」に至るまでには、壮絶な葛藤がありました。

退職理由を話すとき、自分の中で「本当のことを言っても変わらないし、嫌なことを言って人を不幸にしなくてもいい」と思いました。そのため、社内の関係者や人事に対しても、外部の人に対しても、笑って「休みたかったんだよね~」と一言で片づけようとしました。

労働時間を含めた労働環境が、壮絶に悪かった時期が何度かありました。それを心配してくれる方が社内外にたくさんいました。そのため、「休憩したい」といえば、聞き手なりに想像してくれたので、それ以上語らなくても納得してくれました。

人はなんとなく納得させられても、自分はごまかせないし、自分からは逃げられない。「逃げられないし逃げたくない」。そう思って、退職エントリという形でまとめることにしました。

書き始めて(前編)

自分に起きた事実、事実に対する感情を全部書き始めました。すべてを最初から書くことができず、思い出したところから断片的に書き始めました。書き始めると断片と断片の間を埋める事実や感情が出てきて、さらに書き続けました。

事実と感情を埋めていくと「どうして休憩をしたいと思ったのか」の自分の核になるような感情が出てきました。出てきたというよりは、外側が削られたというのが、正しいかもしれません。

自分が思いもしなかった感情が出てきて、正直戸惑ったし、思い出しただけで涙が出ることも、吐きそうになることもありました。それでも、自分の感情に向き合うために大切な文章を出すことができました。

書きすぎて、最長で15,000字を超えました。

書き始めて(後編)

はっきりと「公開する」ことを決めて、ほぼ全部を書き直しました。主にやったことは3つです。

①職務経歴は「外伝」にしました

退職する気持ちの根底にはあるものの、エントリに直接関係がない部分は、別の記事に出しました。これは、あくまでも読み手を意識した文章構成の変更です。

とはいえ、別記事にして1つの読み物にするのはなかなかむつかしい作業でした。20年を超える、かつ社内でも転職くらいの職種転換があったものを1つのストーリーにするのは困難でした。

②出すことができない情報を削除しました

当たり前ですが、会社の営業情報や固有名詞など、出すことができない情報を削りました。削除するまでは簡単だったのですが、削除されたことによって、「どうやったら人に伝わるのか」が難しく、苦戦しました。書き終わった今でもどのように読み手に伝わっているのか、不安です。

③感情を読み手に合わせて表現を変更しました

怒りや悲しみ、嫌悪感などは、読み手が受け取ってどう思うのか?を悩みました。個人の日記的記録なんだから・・・とそのままにする考えもありました。ですが、私にはそれができませんでした。どこまでどのように表現をするのか?を悩んだ結果が、結果の退職エントリです。

そぎ落としてそぎ落としての、現在の分量です。
短い文章の中で情景や感情を表現しきることができない私は、小説家に向いていない、と思いました。

公開してみて

いくつかの「いいね」をいただきましたが、反応ありません(笑)

ですが、自分の中で出し切ったことによる「すっきりした感情」があります。それが得られただけでも、退職エントリを書いてよかったです。

また、これから出会う人に自己紹介代わりに出す文章ができました。20年以上勤めた会社を辞めたので「なぜ?」と聞いてくださる方に紹介できます。

書くことはとても疲れました。
でも、書いてよかったです。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。

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