あの旅が、韓国のイメージを変えてくれた。
先日、韓国を訪れたとき、たまたま会った現地在住の日本人女性に、こんなことを聞かれた。
「韓国へいま来るのは、怖くなかったですか?」と。
確かに、日韓関係が悪化する中での旅だったから、少し気がかりではあった。だけど僕は、「怖い」なんて思うことはまったくなかった。
それはたぶん、心の奥底で、韓国の人々を「信じる」ことができていたからだと思う。
僕はそれまでに、韓国を5度訪れたことがあった。初めての海外ひとり旅は韓国だったし、去年は平昌オリンピックの観戦にも訪れた。
なかでも印象に残っているのは、初めての海外ひとり旅として、韓国をバスで縦断した旅だ。
正直、僕はその旅をするまで、韓国という国があまり好きではなかった。
韓国の人々にもあまり良い印象は抱いていなかったし、韓国にすごく行きたかったわけでもない。
けれど、安さと近さに惹かれて、韓国をひとり旅することになり、釜山からソウルまで1週間旅をした。
その旅をする中で、僕は何度も、あれっ?と思うことになる。
あれっ、僕が抱いていた韓国のイメージは、間違っていたのかもしれない、と。
やはりその旅でも、たくさんの韓国の人々に助けてもらうことになった。
安東の河回村へ行ったときは、休憩所で出会った中年の夫婦がドーナツをご馳走してくれたし、食堂へ行けばおじさん達がマッコリをおごってくれた。
北朝鮮を望むオドゥサン展望台では、ソウルへ帰るバス停がわからなくなってしまったが、軍服姿の若い男性が親切にバス停まで案内してくれた。
初めての海外ひとり旅で不安だらけだった僕の心をほぐしてくれたのは、行く先々で出会う、優しい韓国の人々だったのだ。
その旅を通じて、僕はひとつの事実を知ることになった。
韓国の人々は、ほんとはとても親切で、あったかい人々だったんだ、と。
今回、6度目の韓国へ出発する僕には、そんな過去の旅の記憶があった。
だからこそ、こう思えたのだ。
たとえ日韓関係が悪くなろうとも、あの韓国の人々なら、きっと信じても大丈夫だ、と。
たかが旅をしたくらいで、人を信じてしまうなんて安易すぎる、と言う人もいるかもしれない。
けれど、テレビやネットに氾濫している情報と比べたとき、信じる価値があるのはどちらだろうか。
安易であっても、間違いなくそれは、自分自身が出会った「生の韓国の姿」なのだ。
旅に出ることが面白いのは、その国に対するイメージを、180度変えてくれる可能性があることだと思う。
僕の場合、韓国を旅することで、ネガティブだった韓国のイメージが、ポジティブなものへと転化した。
まさに、あの1週間の旅が、韓国のイメージを根底から変えてくれたのだ。
そしてそれは僕だけでなく、誰にでも起きうる変化のはずだ。
もちろん、実際に韓国を旅しても、ネガティブなイメージが変わらない可能性もあるかもしれない。
けれど、韓国を旅することで、イメージがポジティブな方向に変わる可能性が少しでもあるのなら、それは試してみる価値のあることだ。
百聞は一見にしかず。
政治的に対立している国であっても、嫌いなままでいるよりは、好きになってしまった方が、ずっと素敵だと思う。
旅の素晴らしさを、これからも伝えていきたいと思っています。記事のシェアや、フォローもお待ちしております。スキを頂けるだけでも嬉しいです!