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旅行メタサーチを立ち上げながら、なかなかしーきびだと感じた話。

from:沖縄そばをすすりながら

メタサーチという業態があります。
旅行業界では、「トラベルコ」さんとか「トリバゴ」さんの事だよ!と言ったらイメージし易いかもしれません。

他業種では例えば、求人業界のindeedや求人ボックス、賃貸業界のスモッカなどが同類で、アグリゲーションサイトなどと言われたりしています。

所謂「一括検索ができるメディア」の事ですね。


▼この記事の概要▼
「メタサーチ業態」の現状や仕組みの解説と、これからの可能性とその理由について書かれています。(メタサーチをあまり知らない方向け風味)


メタサーチ業態の市場

オンラインでの旅行予約が浸透しきったわけですが、その内訳はどんな感じかと言いますと。

まだまだ「サプライヤーの媒体で直接予約」か「OTAで予約」が多い、と言う結果です。そしてその次くらいに選ばれかけているのがメタサーチと言う媒体になります。

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これは、4つの予約方法の中で、最近利用した予約方法はどれですか?と言う質問を、年代別に集計した結果です。


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UU数の推移を見てみます。
こちらは、メタサーチvsOTA でUU数の推移をまとめたものです。

主要OTAさんたちにおけるUUの成長率が昨年対比110〜120%程度なのに対して、主要メタサーチさんのそれは昨対140〜150%とよく伸びています。

最も繁忙する8月で比較すると、メタサーチは「153%」の伸長に対して、OTAは「113%」にとどまっており、大きな差があります。


メタサーチのUU数が伸びていますので、この様な現象も同時に発生しています。(理由がわからない方はこの後ろで解説してますので)

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OTAに置いて、2017年までは13.4%しかなかったメタサーチからの流入が、2018年には30%以上にまで増加しました。


メタサーチええやん!

と言いたくなりますが、ここで考えたいのは、伸びる(伸ばす)こと自体に、然程の意味はないと言うことです。伸ばすための手段なら、いくらでもあるからです。


それがよくわかる数字がこちらになります。

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ブランド名kwとは、検索キーワードの中に「トラベルコ」や「トリバゴ」を含んだ検索のことを意味しています。例えば「トラベルコ 沖縄ホテル 予約」などのkwも含んでいます。

そのブランド名検索が、全体の40%を優に超えています。

なぜか?と言う理由は、だいたいお分かりだと思いますが、「テレビCM打ちまくってるから」です。なので当然指名検索で人が集まります。



メタサーチのビジネモデル

ここで改めて、メタサーチ業態のビジネスモデルを確認します。

ここまで、メタサーチとOTAを比較してきましたが、実はこの2つの業態はパートナー関係にあります。


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その説明は、オープンドアさんの資料をそのまま見てもらった方が早いので。この図では、取引先・提携先(グレーの帯)がOTAを表しています。


つまり、メタサーチ経由でホテルが売れた場合のお金の流れは、こうです。

ホテルの売上の数%(約10%)をOTAがもらい
その数%の数%(約30%)をメタサーチがもらう
= 売価の3%がメタサーチの収益

1万円のホテルが売れたら300円ゲットです。

OTAが1,000円まで販促コストをかけてもROASを保つことができるのに対して、メタサーチはテレビCMで集めようが、PPC広告で集めようが、1万円のホテルを予約を、300円以内のコストで実現する必要があります。

結論を言うと、これを実現するのが至難なのです。


だからこそ、指名検索だらけの世界を実現するために、頑張ってマスにテレビCMうってきたんですね、オープンドアさんは。

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オープンドアさんが決算資料などで、「ブランド認知率」をうたっている意図も、認知度=指名検索=お金かけずに人集めれますから を伝えるためでしょう。


こんな実態もありますので、「最安値が見つかる」というプレファレンスを高め続けているトラベルコさんは、正解だとも思います。


旅行メタサーチはなぜしーきびなのか

アフィリエイトサイト(比較検索サイト)を、マネタイズさせやすい条件というのがあります。

・比較する商品の性質や機能に違いがある
・アフィリエイト単価が高い
・検索市場が空いている(SEO簡単)

旅行メタサーチの場合は、実はどれにも当てはまりません。

・比較するホテルの部屋と料金はほぼ同じ
・成果報酬はホテル代の2~3%程度
・パートナー(OTA)のSEOが既に最強


そもそも、OTAに色がつけばつくほど(ポイントとか会員制度とか)、メタサーチを経由する理由は薄れますし、「検索・比較」自体の価値もこれから薄れます。

特に一休さんは、ポイントと会員制度を上手く機能させているOTAです。


この辺で、簡単にまとめて終わります。

・マーケティングだけでは収益が安定しない
・ROIを合わせるまでの道のりが果てしない
・「検索比較検討」自体の価値が薄れたら必要ない


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