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「なに食べよう」

「なに食べよう」
これはきっと永遠の悩み。

一人暮らしを始めて、食べるものを自分で決めなくちゃいけなくなった。なにを作るか、なにを食べるかいつも迷う。余裕がある時は楽しいけれど、やることが溜まっている時はそんな時間さえ惜しくて、疲れている時はそんな気力もなくて、適当に何かお腹に入れたり、食べなかったり。

食べるものは私たちの体を作るもの。私たちは食べたものでできている。だから食事は何よりも大事なはずなのに、忙しい毎日の中でまず適当になってしまうし、削ってしまう。
家族や友人と食べるおいしくて楽しい食事もあれば、1人で5分くらいでかきこんじゃう食事もある。これが食べたい! と積極的に選んだ食事もあれば、お腹に入れば何でもいいからと消極的に選んだ食事もある。
どんな食事も私たちの体になっていく。

「なに食べよう」
でもそれは幸せな悩み。

食事はいろんな選択肢があるからこそ楽しい。でも、いろんな選択肢を用意するのはなかなか難しい。お店では、お客さんが楽しく買い物できるように、欲しいと思った時にあるようにたくさん用意しておこうと思うと、余っちゃう時もある。誰かにおいしく食べてもらいたい! と作られたものが、捨てられてしまっている。
食べ物は、自然の恵みを頂いて、たくさんのエネルギーを使って、いろんな人の思いがのっかって、私たちの元にきている。食べ物を捨てることは、それらも無駄にしてしまうということ。
せっかく作ったものを捨てるのはつらい。誰かに食べてもらいたい。お店の人はきっとそう思っているし、農家さんも、命をくれた動物も、運んだ人も、きっとそう。そんな思いのバトンを、食べる人へとなんとかつなげられないか。

すべての「食べて」を食べ手につなぐ

それがTABETE。おいしいものを少し安く手に入れられて、ついでにちょっといいことができる。そんな食事があってもいい。誰かの思いを受け取る食事でできた私たちは、きっとすてきに違いない。

おいしいものをいつまでも食べ続けたい。

誰もがそう思うけれど、たくさんの食べ物を捨てている世界でそれを実現するのはきっと難しい。でも、自然や作った人に思いを馳せる人が増えれば、ちょっとずつ近づくんじゃないかと思う。

余った時しか出品されないから、今日は何かあるかなというわくわくもある。出品がなければないで、思いのバトンがつながっているということだから、それはいいこと! カロリー補給としての食事や、消極的な食事になってしまいそうな時もたまにはあってもいい。でもそんな時こそ、ちょっぴりのぞいてみては。


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初めまして。TABETEインターン生の岸本華果です。東京大学農学部国際開発農学専修の4年生です。

私は高校生の時から途上国の貧困問題に関心があり、食からアプローチしたいと思い大学で勉強しています。最初は、途上国の農業でどのように生産性を向上させるかなどに興味がありました。しかし、勉強していくうちに、先進国が途上国を援助する一方で、貿易では不利な立場で追いやったり、過酷な労働環境で働かせたり、自然環境を破壊し家や食料を奪ったりしていることに違和感を持つようになりました。いくら援助したとしても、この関係性を変えないと貧困から脱することはできない、これからは先進国と途上国がお互いのつながりを意識し、フェアに取引していくことが重要だと思いました。そのためには、私たち消費者が自分の買うものがどんな風に作られているのか、生産の背景に関心を持ち、心から応援したいと思うものに対してお金を払うことが必要だと考えています。これは先進国・途上国の関係だけでなく都市と地方の関係や、食べものだけでなく服や日用品など、消費という行動全てに関して言えることだと思います。

毎日、毎食というのはなかなか難しいかもしれませんが、週に1回でも、あの農家さんの野菜、あの店長の作る料理、といった風に心から応援したい人に対してお金を払う食があればいいなと思います。

text by 岸本華果

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