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「ガチで農業!有給インターン@山形県小国町」田舎で1週間、お金もらいながらガチで農業してみたら、どうなった?【イベントレポート/前編】

2019年8月5日(月)〜12日(月)に山形県小国町で「ガチで農業!有給インターン@山形県小国町」が開催されました。
このインターンは、有給&1週間滞在することが最大の特徴です。
有給で、がっつり農業をさせてもらえることで農業を仕事にするイメージが湧きやすいこと、1週間という長い期間を設けたのは、人とのつながりや空気感を感じ、田舎で生きることをより感じてほしいという主催者の想いが込められています。

参加者の皆さん

そして、「農業を仕事に」「田舎で生きる」を考えようと集まった参加者4名。農業法人・ハートランドファームさん、個人農家の井上昌樹さんのもとで、本気で農業と向き合いました。インターンの詳細もぜひ合わせてご覧ください!
食、農業、田舎に興味あるけど踏み込むのは怖い、ド文系だし踏み込めない……と思っているあなた!参加者の半分はド文系・農業未経験者にもかかわらず、インターン後は「農業を仕事に」という将来のビジョンが明確になり、かつ全員が小国町に溶け込むことができました。

これは小国町にとっても、地域の担い手づくりに貢献することだと思います。

前編では参加者に注目して、この1週間でどのような変化があったのか、インタビューを通して詳しくみていくことにしましょう。

書き手:奥野香子

 木村蒼季さん (早稲田大学社会科学部2年)

米の除草剤・栄養剤の散布をする木村さん(ハートランドファームにて)

ーどうしてこのインターンに参加しようと思ったのですか?

木村さん:自分の世界を広げたかったから!農業が遠い存在で、知りたかったんです。

ー実際、がっつり農業+田舎暮らしを体験してみてどうでしたか?

木村さん:田舎には自給自足のイメージを持ってたんだけど、実際やってみて、しんどい、疲れる、おじいちゃんたちすげえ!って感じ(笑)。

あと、しめ縄体験や飲み会をやって、地域の人が集まるのいいなあって。人との結びつきを感じました。地元にもお祭りとかはあるけど、その場限りのつきあいで終わっちゃう。でも小国町の人は仕事(農家)が一緒だから、強くて継続的な結びつきがあるんだろうな。

ーインターンを通して「農業を仕事に」「田舎で生きる」について何か考えが変わりましたか?

木村さん:仕事として農業をやりたいかはまだわからないかな。もっと経験・勉強する必要があると思いました。でも農業にも関わり方がたくさんあるって気づいて、例えば農家だけじゃなく、メディアとか。自分が関わるとしたら、教育系に興味があるから、組織マネジメントとかコンサルで、頑張ってる農家さんの利益を上げられるようにしたいです。

ー田舎で暮らすことについてはどうですか? 

木村さん:住むのは微妙かなあ、好奇心旺盛だから、もっと多くのことに触れ合える環境がいい!でも、今まで農業が遠い存在だったけど、生の声聞いて近くなったし、他人事ではないことに気づけました。 

ーまた小国に来たいですか? 

うん!うまいもの食べたい!あと狩猟に興味あるから今度はマタギの文化に触れたいな。
 

中村謙吾さん (山形大学人文社会科学部3年)

アスパラ収穫をする中村さん(ハートランドファームにて)

ーどうしてこのインターンに参加しようと思ったのですか?

中村さん:自然豊かな米沢市(山形県)で育ったから自然が大好きで、もともと農業で働くことに興味がありました。でもやったことなかったから、やりたいなって。現場を見て体験して、やりたいことの意味づけというか、本当にやりたいのか確かめようと思ったからです。 

ー実際、がっつり農業+田舎暮らしを体験してみてどうでしたか?

中村さん:自然と一次産業との繋がりを再確認できたかな。特に小国では、牛の糞が木屑と混ざって肥料になって、その肥料で美味しいアスパラを育てる取り組みがあったりするんだよね。農業も畜産もいろんな人が協力して、他に頼らなくても小国でできることをやってるのがすごいなって。あと、しめ縄づくりで集落の皆さんから歓迎を受けて、初めて会った感じしないくらいの温かさを感じました。

ー農業で働くことに興味あるとのことでしたが、インターン前後で「農業を仕事に」「田舎で生きる」について何か考えが変わりましたか?

中村さん:長期で体験して、やっぱり華々しい仕事ではないなって。それに有給だから従業員の皆さんと一緒に仕事をして、リアルな話も聞いたしね(笑)。

将来は、大好きな自然に囲まれて仕事するのもいいけど、田舎や農家にこだわらず、大きな影響力を与えられる立場になって、今回のインターンで明確になった「自然・地域に根ざした魅力を守りたい」っていう自分の軸を、仕事を通して実現していきたいかな。

ーまた小国に来たいですか? 

めっちゃ来たい!山形出身だけど、県内でも大半の人が行ったことないんじゃないかな。小国の良さが周りに伝わってないから、次は自分が今回感じた良さを発信していく立場になりたいです。

瀬古幹雄さん(仮名) (30代男性)

草刈りをする瀬古さん(ハートランドファームにて)

ーどうしてこのインターンに参加しようと思ったのですか?

瀬古さん:以前から、他人が生み出したものを使いまわして利益を得られる社会や、前職の知的労働に意味のある仕事なのか疑問を持ち、もっと本当に必要な価値を生み出す仕事に就きたいと思っていました。その点、農業や食は必要不可欠な価値を持っていて、興味を持ったからです。あとは、農家さんの考え方や植物の育ち方が知りたかった、というのがあります。 

ー実際、がっつり農業+田舎暮らしを体験してみてどうでしたか?

瀬古さん:疲れました! 暑い時間を避けてやりたかったけど、法人は集団行動だから難しいのかな。あと、アスパラが一日でにょきにょき生えるのが面白かったです。

ー田舎暮らしに関してはどうですか?

瀬古さん:しめ縄作りは地元の人と盛り上がって面白かった。あと、小国町面白いなって。資源とか魅力がたくさんある一方で、手がつけられていなかったり、生かせてないなあと思うところがあって、これから新しいことをやっていく可能性のある町だと感じました。

ーまた小国に来たいですか?

瀬古さん:機会があればまた是非行きたい!観光わらび園、山焼き、野沢酒造、しいたけ、養鶏場……まだまだ面白そうなところたくさんあるし、中山間地域の独特な雰囲気もいいなあって思います。

 堀江美波さん (中央大学理工学部3年)

井上さんの元で花の鑑別作業をする堀江さん

ーどうしてこのインターンに参加しようと思ったのですか?

堀江さん:農業や食に携わる仕事がしたかったけど、具体的に何やりたいかわからなかったからです。あと、農業は体験したことあったけど、花はなかったから選択肢を広げたいなあと思って。

ーがっつり農業+田舎暮らしを体験してみてどうでしたか?

堀江さん:井上さんが愛情持って育てていることが伝わってきて、自分も井上さんみたいに熱意を大切にして働きたいと思いました。大学で生命科学を学んでることもあって、命を育てることはやっぱり素敵だなって。農業は命あるものを対象にしてるからすごく面白いし魅力的だなって思います。あと、田舎は、幅広い年齢の人との交流とか、若者に優しくて、静かで、家が大きくて、自由度が高いところがいいなあ。移動に車が必要なところは少し不便かも。

ー農業で働くことに興味あるとのことでしたが、インターン前後で「農業を仕事に」「田舎で生きる」について何か考えが変わりましたか?

堀江さん:卒業後は品種改良とかを通して農家を支える仕事をしたいです。小国は夏暑くて冬寒く、植物の生育がバラバラだから、温度変化に強い品種を作りたいなって。女性は結婚とかライフイベントで働く場所が変わりやすいけど、農業はどこにいても携われる仕事だし、ずっと食に関わる仕事をしていきたいです!

ー小国にまた来たいですか? 

堀江さん:また来たい! 今回井上さんの家でお花の種まき・鑑別作業をしたんだけど、まだ芽の段階だから、花が咲く秋頃にまた見に行きたいな。

 インタビューを終えて

この農業インターンを通して、みんなの中で選択肢が増えたり、将来のビジョン・想い、仕事に対する向き合い方が明確になったと感じました。また、各々何かしらの方法で農業を仕事に携わっていきたいという意志が芽生えているのは運営側としてもとても嬉しいことです。文系でも、農業未経験でも、「興味あるなあ」「やってみたい!」ともし思っている方がいたら、ぜひ一歩踏み出してほしいと思います!

1週間がっつり共同生活したからか、とっても仲良くなりました。

そして、嬉しいことに参加者全員がまた小国に来たいと答えてくれました。中村さんは「いぐべおぐに※1」というサークルに即加入し、これからも小国で活動を続けていくそうです。今、地方では人口減少、高齢化により地域づくりの担い手不足という課題に直面しており、地域と継続的なつながりを持つ関係人口を増やすことが大切だと言われています。今回のインターンを通して、中村さんをはじめ参加者全員が関係人口になることができました。小国町にとっても地域づくりの大きな一歩になったのではないでしょうか。
食べるタイムスではこのように、小国町と地域や農業に興味のある人を繋げる架け橋になれるよう、様々なイベントを開催しています。

前編では参加者を取り上げましたが、小国町の方は今回のインターンについてどう思っているのでしょうか。後編に続く。
 
 ※この記事は2019年9月に作成されたものです


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