好きなことと暮らすために、半農半フォトグラファーという働き方を選んだ。 / 小分坂剛さん

今回の記事では、農家×フォトグラファーという働き方をしている小分坂剛（こぶんざか・つよし）さんにお話をうかがった。

書き手：岡優成

小分坂剛さん
岡山県の「ひとつきファーム」で働くぶどう農家。
中国地方を中心に株式会社ラブグラフでの出張撮影や、個人での出張撮影を行っている。

小分坂さんインスタグラム
https://www.instagram.com/kobu_photo_/

元々は、今の「半農半フォトグラファー」という働き方とは全然違う、土木関係の仕事をしていたという。なぜ、今の働き方のスタイルになったのだろうか。

「趣味に使う時間が全くなかったんですよね」

と話す小分坂さん。前職はとても忙しく、週6日から7日も働く週もあったという。家に帰っても疲れて寝るだけの生活だったそう。

自分のために使う時間もどんどん減り、10年以上趣味として続けていた写真撮影にも行く機会が減り、生活スタイルが自分に合わないと気付いた。
その後、思い切ってそれまで働いていた会社を辞め、フォトグラファーとして生計を立てていくことを決めたそうだ。

「農業との出会いはたまたまなんです」

もともと両親が農家をしているわけでも、前職が農業関係だったわけでもなかった小分坂さんに、農業に関わるようになったきっかけをたずねた。

フォトグラファーとして生計を立てていくことを決めた時、NPOの代表をしていた友人から、「フリーランスで生計を立てていくのは大変だから、一緒に働かないか」というお声がけをいただいたそうだ。その後、NPOで活動をしていく中で、NPOの副代表の方がぶどう農家を経営されていた縁で、ぶどう農家で働いているという。

実際に農家として働き始めると、自分が作った作物を「美味しい」と食べてくださるお客様や、自然を感じながら仕事ができること、そして適度な運動により健康的な生活を送ることができることなど、たくさんのメリットを感じたそうだ。

取材時にも感じた小分坂さんの柔らかな人柄の裏には、この健康的な生活スタイルがあるようだ。

サラリーマンより自由に動ける体制がある、農業とフォトグラファーという働き方は、すごく相性が良いと語る小分坂さん。

「でも、もちろん、全てがいいことだけだったわけではないです。」

　ここまで農業に対してポジティブな印象を受けたが、今までの働き方と比べれば全てがいいことだけだったわけではないそうだ。努力次第ではあるけれど、給料も低くなり、写真と農業という二つをバランスよくこなしていく必要性が出てきた。お子さんが生まれたばかりで家族を養うという意味では、前職よりも少し負担が増えたそう。
　だからこそ、農業とカメラマン、どちらかというわけではなく、このスタイルに落ち着いているそうだ。

「大変だな〜とは思ってないです」

正社員として農家で働きながら休みの日を中心にフォトグラファーとして活動するスタイルで、休みが無いとは思うけど、大変だなと感じることはあまりないという。「前職の土木の仕事の方がよっぽど大変でした」と明るく語っていた。
元々写真を撮ることが大好きな小分坂さんは、フォトグラファーとして仕事をしている時間が、定期的にあることでストレスもなく生活を送ることができているそうだ。そして、今年、赤ちゃんも生まれ、仕事を頑張るモチベーションにもなっているという。

「出会いで人生が変わる」

まさか自分が農業に携わるとは思ってもいなかったそうだ。友人との出会いがなければ、今の半農半カメラマンという生活スタイルはないという小分坂さん。出会いというものは大きく人生を変える。

好きなことを仕事にし、自然を感じながらリラックスした気分で仕事ができる環境は、豊かな人生そのものでは無いだろうか。
半農半フォトグラファーとして働く新米パパにエールを送りたい。

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ひとつきファームホームページ：https://hitotsuki-farm.com/
ひとつきファームインスタグラム：https://www.instagram.com/hitotsuki_farm/

小分坂さんインスタグラム：https://www.instagram.com/kobu_photo_/
小分坂さんカメラマンページ：https://lovegraph.me/photographers/kobuchan

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