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ロンドンの魔女と異教徒の魔法。それからパリの老舗ハーブ薬局をめぐる旅。

【序章】

パリとロンドンに宿る、ハーブの魔法を紐解こう

 薬草の勉強をしていたら、ハーブの世界はどうしても切っても切り離せない。文化や学問としての流れは違うけれど、その根源となる「植物で健康に生き抜く知恵」というものは万国共通なのです。
 むしろ、チンパンジーや犬たちも薬草を食べて病を治す知恵(というか習性というか)を持ち合わせていて、私たちが文明を持つ、そのずっとずっと前からDNAに刻み込まれた行為や本能。
 私も、ハーブの世界をもっと知ってみたい。
 
 フランスのエリボリステリア(伝統的ハーブ薬局)のことを知ったのは、2015年に無印良品さんのFound MUJI「植物と健やかな暮らし」という展示と薬草茶の商品開発を監修させていただいた時のこと。
 実は、この企画は本来、フランスのエリボリステリアをテーマに組まれていたのですが、なぜか私も有識者として池袋にある良品計画さんの本社へ呼ばれてお話ししていくうちに「あれ?日本の薬草も、すごく面白いかも、、、!」と、感じてくださり、日本の薬草文化の企画にピポットしたのでした◎
 でも、逆に私はエリボリステリアの文化が気になって、気になって。笑
 ヨーロッパに行く機会があれば、ちょっと遠回りでもパリの老舗のハーブ薬局へ寄りたいと思っていました。

 そして、2年前。
「ロンドンの大学では、‘魔法学’や‘魔女学’が学問としてあり、研究されてるらしいよ。」
 そんな話を聞いてから、魔法や魔女について少し調べているうちに、ロンドン市内には魔法を使うための道具や本を売ってる「魔法屋さん」を何店舗か見つけました。
 どちみちエストニアへ行くにはトランジットが必要なので、ちょっと遠回りなのですが、ヨーロッパに来る&寄り道できる機会もそんなに多くないので思い切って組み込みました。

 その無茶ぶりと言ったら、もったいないくらい短時間なのですが、
 ・ロンドン 滞在時間4時間
 ・パリ 滞在時間24時間
 …という、本当にトランジットレベルのショートステイ。笑

 時間を最大限に楽しむために、しっかりと情報を収集して、いざロンドン!─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

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