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4歳児とひいおばあちゃんの死

第二子育休中。妊娠・出産のこと、働くママのこと、家族のことなどを書いています。

2019年8月7日 長男👦
保育園に通うやんちゃざかりの4歳
2023年4月18日 次男👦
マイペースでよく寝る0歳

今日はちょっと悲しいお話。4歳と0歳を連れた帰省中、私の祖母が亡くなった話。

初めて次男に会わせるはずの日、おばあちゃんが亡くなった

83歳のおばあちゃんが亡くなりました。
私が小さい頃から同居していたおばあちゃん。
認知症を発症し、この1月から施設で暮らしていたおばあちゃん。

今年のお盆、私は次男出産後初めての帰省でした。
帰省3日目のお盆の入りの日、施設に入居しているおばあちゃんが一時帰宅して、初めて次男に会ってもらって、一緒にお昼ご飯を食べるはずでした。

おばあちゃんの一時帰宅は、11時ごろの予定。
その前の朝9時ごろお坊さんがいらして、8年前に亡くなったおじいちゃんにお経をあげてくださります。毎年のお盆の光景です。

お坊さんを見送ってから、おばあちゃんは施設の車に乗ってうちに帰ってくる予定でした。

でも、おばあちゃんは冷たくなって帰ってきました。

3日前から帰省してたのに、なんで次男を連れて施設に行かなかったんだろう。
あと半日持ってくれれば会えたのに。
朝おじいちゃんにお経をあげたから、連れてっちゃったのかな。

おばあちゃんは、体調が優れないながらもこの日施設で朝ごはんもちゃんと食べていたようで、本当に突然のことでした。

長男とおばあちゃん

4歳の長男は、おばあちゃんのことを『おばあさん!』と呼び、きちんと認識もしています。
長男の時は里帰り出産で、当時おばあちゃんは日中家にいたので、両親が仕事の間の昼間は私とおばあちゃんと長男と3人で過ごしていました。
里帰りを終えてからも、頻繁にビデオ通話をしていたので、おばあちゃんは認知症が進んでからもひ孫のなかでも長男のことだけは、顔も名前もきちんと覚えていました。

0歳の長男とおばあさん


帰ってくる予定だったその日、朝お坊さんが帰られてすぐのこと。
父の携帯に施設の方から連絡があり、私の両親とおばが急いで施設に行きました。
その後、施設に行った母から『おばあちゃんもうダメかもしれないから急いでみんなで来てほしい』と震える声で電話がかかってきました。

当時家には、
帰省中の私と長男(4歳)次男(3ヶ月)、
同じく帰省中の妹夫婦とその長女(2ヶ月)
がいました。
子供達を家に置いていくわけにもいかないので、子供3人も連れて私たちは急いで施設へ向かいました。

母からの電話の『もうダメかもしれない』の意図について、私は電話口でうまく汲み取れず、
施設に着いたらおばあちゃんを励ませばいいのか、
それともおばあちゃんはもうダメで、みんなで悼み悲しんでいる雰囲気なのかがイマイチ読めていませんでした。

それでも、とにかく何も考えずに急いで子供を連れておばあちゃんの部屋へ。

すると、先に到着していた両親とおばは泣き腫らしていて、硬直が始まっているおばあちゃんの口が開かないようにおばが必死にタオルで押さえているという状況でした。
そう、部屋の中は、悼みと悲しみの雰囲気に溢れていたのです。

4歳長男が身近な人の死に直面したとき

長男との会話を思い出せる限りで。
長男👦『ここはどこ?』
私👩『おばあさんのおうちだよ!今からおばあさんに会うよ!』
私👩(部屋に入り、亡くなっていることを悟り涙する)
長男👦『おばあさんここで何してるのー?』
父👴『長男もこっち来て、おばあさんって言ってあげて!』
長男👦(近寄るも声は掛けない)『なんでじいじ泣いてるのー?ママもなんで泣いてるのー?』

こんな形で、異様な雰囲気を察しつつも、もちろんおばあちゃんの死を理解していないようでした。

そして、5分もするとだんだん通常運転になってきて、元気にその辺を走り回ったりしてしまうように。
本来ならばお医者さんが来て死亡確認が取れるまで同席したかったのですが、施設で他の利用者さんも大勢いる手前室内にいるのは厳しいと感じ、私は長男次男を連れて外に散歩に行きました。

自販機を探して、長男の好きなりんごジュースと、みんなのためにお茶を買って届けようということで、暑い中時間稼ぎも兼ねてちょっと遠くの自販機まで歩いて買い物に行きました。
道中、なんでママ泣いてたのー?と聞かれたので、おばあさんにもう会えなくなってしまって悲しいから泣いていたのよ。
と伝えました。

4歳長男に死をどう伝えるか

おばあさんが死んだ。
このことと、
人が死んだらどうなるのか
ということを、
長男にどのように伝えるか。
とても難しかったです。

亡くなったおばあさんは施設から家に帰ってきて、布団に横たわっています。
なので長男からすると、おばあさんはずっと寝ていると思っていたようです。

初めのうちは『おばあさんは寝ているけれど、もう起きないんだよ。』ということを伝えました。

その後、葬儀などの日程が決まっていきます。
今回、お日柄や天候の兼ね合いで、亡くなってから納棺まで3日、さらにその後葬儀まで3日ありました。

納棺の日は朝から1日私と2人で外出していたので、帰宅して棺桶に入っていているおばあさんを見ると、『おばあさん箱に入っちゃった!これじゃ出られないじゃーん』と言っていたので、『おばあさんはもう出て来ないんだよ』ということは教えました。

さらに、葬儀に向けて長男に手紙を書いて欲しいと思ったので、葬儀の意味についてもこのように伝えました。

『おばあさん、今は下でねんねしてるけど、今度遠くにお引っ越してもう帰ってこなくなっちゃうのね。それで、今度お別れ会をやるからママと一緒におばあさんにお手紙を書かない?』

長男はまだ字が書けず、絵も丸を描くくらいしか出来ませんが、『おばあさん、へび🐍とわに🐊描いたら喜ぶんじゃない?』など言いながら一緒に便箋に絵を描きました。

おばあさんを見送る長男の態度

長男は、遺体を怖がったりせず普通にその横で遊んだりご飯を食べたりしていました。
(むしろ親戚がたくさん来るからはしゃぎすぎて蹴飛ばしたりしないかヒヤヒヤしていた💨)

夜もその隣の部屋で私の両親と一緒に寝ていたりしました。
寝る前は
『おばあさんおやすみ!この机でご飯食べるんだよ!』
とか毎日言ってたようです。

通夜の日は日中がっつり遊んだのに昼寝ができず、会場に行く車の中で寝てしまい、開式後もしばらく夫の付き添いで控え室で寝ていました。
焼香の際に引きずり出し、そのあとは寝ぼけたまま出席しました。

告別式は朝なので元気いっぱい!😱
かなり退屈がって全くじっとしていられず、夫と共に会場外に出てYouTube見たりしてました。
でも、最期のお別れではお花とお手紙をきちんと入れてあげることができました。

火葬場にも連れて行きました。
夫とは事前に相談し、火葬は見せない、骨上げは本人の意思を確認するとしていました。

私が火葬場で見送りをしている際は夫と一緒に控室で遊んでいて、ご飯を食べたあとの骨上げは、本人がやると言ったので私と一緒にやらせました。

持っているものが骨であるということはわかっていたみたいですが、それが人の骨で、おばあさんの骨であるということは理解していないようでした。

長男に死を教えるのに気をつけたこと

今回、本当に突然こんな形で死に向き合うことになった長男。
私が心配していたのは、今回の一連の経験(看取り、遺体との接触、葬儀に一通り参加)によって、死に対して過剰な恐怖心を植え付けてしまうことにならないかということでした。
幸い、今のところそのような兆候は見られません。

また、逆にうやむやにしてしまうのも良くないと思い、死とはどういうことか、死ぬとどうなるのかを幼児向けにかなり噛み砕いて教えたつもりです。

死については、4つのポイントを抑えて説明する必要があるようです。

① 生きている者が一度死ぬと、 その体は二度と生き返ることはできず、以前の状態に戻ることは不可能であるという不可逆性
② 肉体機能、新陳代謝、感情、動作、思考など、生きている時に行っていること全てが死によって終わるという最終性
③ 生きている者は皆、いつかは必ず死ぬという不可避性、普遍性。自分を含め、全ての人が持つ死の運命、歳を取ること(加齢)は生物学的成長の流れであること
④ 死は肉体的・生物学的な要因があるという因果性

子どもはどう死を理解する?「死への理解」を年齢別に解説!

今回、ほとんどのポイントは押さえて長男に伝えることができたと思っていますが、
「死」という言葉をあまり使わず、「お別れ」「遠くにお引っ越し」など比喩でしか表現しなかったことは、反省ポイントかもしれません。

自分自身も近しい存在であった祖母の死に突然直面し、次男に会わせられなかったという後悔もありつつ長男のケアだったので、なかなかその場では対応しきるのが難しく感じました。

ワンオペ葬儀参列の限界

また、葬儀への参加についてもかなり苦慮しました。
当初夫が仕事の都合で通夜のみの参列になるはずでしたが、なんとか仕事の調整がつき告別式の日も1日まるまる参加してくれることになりました。

普通冠婚葬祭であれば、子供を預けて自分だけ参加という選択肢が一番現実的だと思います。
しかし今回は預け先として最有力の私の両親が遺族として大変忙しい立場だったので頼れず。
夫は仕事、夫の両親も都合がつかず。
かつ場所は帰省先。
帰省先の一時保育なども調べてみましたが、どこも時間が合わなかったりということで、二人を連れて出るか、参加を諦めて子供を見るかという2つの選択肢しかありませんでした。

正直、夫がいなかったら子供2人を自分でひとりで連れて告別式と火葬に参加することは不可能だったと思います。

最期までおばあちゃんを見送ることができて、本当によかったです。

センシティブな話題を扱うことが増えた育児

今回は思いがけず「死」というものに直面し、長男に「死」について伝える機会がありました。
他にも、例えば性についてなど、自分が子供の頃は扱うことがタブーとされがちでなかなか教育を受けた経験がない分野についても、昨今の流れも踏まえて幼いうちから教えていく必要があると感じています。
子供の発達にも充分留意しつつ、家庭での教育を進めていきたいと感じているこの頃です。



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