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ぼくはこの本では、ぼく自身のお金についての話も含めて、できるだけ何でも具体的に、金額や固有名詞も入れて話したいと思っています。

==10月21日にSBクリエイティブより発売予定の田端の新著から序文の公開です。==


〜はじめに〜

ぼくは、この本の読者であるきみの「お金に関する考え方」をアップデートしたいと思っています。


なぜかといえば、ますます格差が開くであろう、これからの時代に充実した人生を生きるために欠かせないことだからです。


お金に関する考え方のアップデートとは、どんなことか。
ぼくが伝えたいことは2つあります。

まず1つは、「自分がこの先の人生をどのように生きたくて、そのためにどのようにお金を稼ぎ、それを使うのか? できるだけ具体的に、金額や使いみちの固有名詞までも入れて言えるようになること」です。

きみはイメージできていますか?
おそらく、今すぐスラスラと言える人は少ないでしょう。それは仕方がない。

多くの人は、生きていくなかで、「自分の人生で実現したいことは? 死ぬとき後悔したくないことは?」
「それはいくらでできるのか?」
「その金額を稼ぐには、どうすればいいのか?」

といったことについて、真剣に話したり、考えたりしていないからです。
考えも議論もしてこなかったことは、誰だって実践するのが難しい。ぼくだって同じです。

しかし、だからといって、具体的なお金の金額に裏打ちされた自分の人生のプランについて「何も言えないです」というのでは、正直、これからの世界を幸せに生き抜くのはかなり厳しい。なぜなら、何も考えず普通に働いてさえいればお金の心配はしなくて済む、という時代ではないからです。
多くの人がお金に関して自信を持って語れないのには、これまで、お金について語る身の回りの人やメディアの話に、現実感と具体性が乏しかったからというのがあるかもしれません。

たとえば、よくある「賃貸と持ち家、どちらがトクなのか?」論争。こんなものも、答えとしては「その人のライフステージや居住地」と「住宅ローン金利と、そのお金で買おうとする物件の価格」といった要素の具体的な組み合わせ次第であり、すべてはケースバイケースです。


状況設定に数字の入った定量性と、固有名詞の入った具体性がなければ、ただの一般論です。ただの一般論が、実際に生身の人間を、幸せにしたり、どこか次のステージに導いたりすることは、あり得ません。そんな話をいくら聞いたって、「じゃあ自分はこうしよう! こうすればいい!」と思えるような結論にはならない。

だから、ぼくはこの本では、ぼく自身のお金についての話も含めて、できるだけ何でも具体的に、金額や固有名詞も入れて話したいと思っています。読者であるきみに「お金」との新しい関係性をつくってもらうには、こちらもお金について本当のことを、切れば血が出る覚悟で話さないといけない。
そのリアリティを通して、きみがお金の選択や人生プランについて「自分ならどう考え、どう決断するだろう?」と突き詰めていく、そのきっかけになれたらと思います。

そしてぼくがこの本できみに伝えたいことが、もう一つあります。
それは、「きみの財布に入っているただの100円玉や1万円札、そんな『単なるお金』と、この資本主義の世の中を動かしている原動力である『資本』との共通点と相違点について、自分ごととして語れるようになってもらいたい」ということです。

マルクス経済学でいえば、資本とは「自己増殖する価値の運動体」です。同じお金であっても、ただ持っていて、使えばなくなってしまう「お金」と、資本主義をたくましく生き抜くための大いなる出発点になる「資本」とは違うのです。ここに早く気づいてほしい。

何が「資本」たり得るのか? 別に難しいことではありません。
これからの時代の資本は、必ずしも、お金や貨幣の形態でなくてもいい。ツイッターやインスタグラムのフォロワーだって資本だし、自分が書いたプログラムのソースコードだって資本、その気になれば何だって資本にできる時代です。

そう考えれば、「資本家」の道を目指すことに、なにかリスクってあるのでしょうか?

自分のスキルやアイデア、ノウハウやネットワーク、そしてブランドを「資本」として動かしていく。そういう考え方にシフトして、自分なりに資本主義に適応した生き方へとアップデートしていくことを、何かすごいリスクのように捉える人もいるのですが、ぼくからすればリスクでも何でもない。
ただ、あたり前のことをするというだけです。もっと言えば「リスクをとらない」こともリスクです。リスクがないというのは、リターンがないわけですから。

ぼくも、元々はサラリーマンです。それも、最初は新卒でNTTデータという、世の中的には「安定」が描かれる企業に入りました。そこからリクルートやライブドア、LINE、ZOZOといった企業に転職し、今はオンラインで自分の私塾を運営したり、YouTubeにビジネス系の動画を投稿したり、おもしろい事業を仕掛けているベンチャー企業数社の顧問をしています。

そういったぼくの経験から考えられるのは、いわゆる「サラリーマン」の安定というのは、退屈なものだということです。会社から貰う給料が「安く定まる」と書いて「安定」なんです。


きみがもし、すでに「安定」を手に入れていて、何も不満がないのならそれにこしたことはない。でも、もしそうでないのなら、これからこの本でぼくが話すことは、きみが探しているお金との付き合い方、これからの資本主義を生き抜いていく考え方のヒントになると確信しています。


この本を買うために投じた1540円が、素晴らしい「資本」となることを願いながら、きみと大いなる旅に出ましょう。

==10月21日にSBクリエイティブより発売予定の田端の新著「これからのお金の教科書〜年収の伸びしろがケタ違いになる視点65」==
https://www.amazon.co.jp/dp/4815607230/


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